中野区中国人留学生殺害事件
中野区中国人留学生殺害事件(なかのくちゅうごくじんりゅうがくせいさつがいじけん)は、東京都中野区で2016年(平成28年)11月3日未明に発生した殺人事件。
事件中の被害者、犯人と証人の間にはかなり複雑な関係があった。特に被害者の母親は娘を殺害した犯人よりも証人を憎む様子が中国で注目された。事件から8年、証人は被害者家族から中傷を受け続けた。中国では奇案とされている。
概要
[編集]事件当日の夜、被害者(法政大学の大学院生で中国籍の女性、当時24歳)は中野駅の近くにとどまり、友人(大学院生で中国籍の女性)が同居するアパートに一緒に帰るのを待っていた。2人がアパートの1階に着いた時、被害者は友人に「手紙をもらうから、先に家に帰って」と言った。友人はまず2階の家に戻った。またしばらくして、被害者も2階に上がると、早くから待ち伏せしていた中国籍の男に所持していたナイフで複数回刺して殺害された。犯人のもう1つの身元は、同居女性の元カレ。同居女性やアパートの他の住人が奇妙な音を聞いた後、部屋の中で警察に通報した。
事件の数日後に、詳細についての報道がまだ不十分な際、被害者の母は「犯人が殺そうとしたのは元カノだったが、被害者を誤って殺した」と主張した。犯人が定かでないうちに、被害者の母親は同居女性に犯人の情報を教えるよう強要する一方、「娘を殺害した犯人の元カノは私を避けていた」と公に話した。さらに「親友を庇い殺された」「親友が被害者をドアの外に閉じ込めた」「同居女性が犯人に刃物を渡した」「親友が殺人事件後に楽しく食事をしていた」などの誹謗中傷が新浪微博に出回っている。中国においても国民の強い関心を集めていた。
実際、被害者と犯人の間には別の恩讐があるが、殺害の動機は被害者の母親に隠されていた。一方、同棲している女性は長い間(2022年前)この事件の殺人動機を知らず、非常に受動的な立場にあった。被害者の母は相手が事件の道徳的義務を果たしていないと非難し、「国内外の大衆に向けて署名募集活動を行い、日本の司法に犯人への死刑求刑を望む」と述べた。[1]2017年11月、事件が発生した翌年、インタビュー番組「局面」で、被害者の母とその同居女性の声明が発表され、中国国内の世論に新たな関心を集めた。
2017年12月、犯人の男は東京地方裁判所で殺人罪で検察の求刑通りの懲役20年の刑が下されている。また、同居女性は非目撃証人として出廷した。
事件発生から8年間、2024年10月まで被害者の母親はずっと中国のネット上で「生活の境遇は非常に困難である」「高価な法律訴訟」「同居女性への復讐」を名目に少なくとも2億人民元(約42億円、本人からの供述)の個人献金を集めた。中国のネットユーザーから非難を浴びている。
出典
[編集]- ^ ○○○の死刑を求める署名活動,新浪微博,2017年9月7日。