九〇式大聴音機
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九〇式大空中聴音機(きゅうまるしきだいくうちゅうちょうおんき)は1932年(昭和7年)に日本軍が採用した音響探知装置である。
概要
[編集]聴音機とは飛行する航空機の音を捉え、その位置や移動方向を割り出すものであるが、より探知精度の高いレーダーの実用化で姿を消した。しかし、電波探知機(レーダー)による捜索技術で欧米等から後れを取っていた日本では、太平洋戦争終戦間際まで使用され続けた。好条件下では、約10km先の目標を探知可能であった。
この装置の先端にはラッパ状の聴音装置が付いており、これで空中から集音する。音が最も大きい方向へ聴音装置やマイクを向け、それに連動して角度と方向の数字を読み取るというものであった。
だが、聴音機には大気の状態に左右されやすいという問題もあった。これは音の速度が大気の状態で変動するためである。特に悪天候時は探知能力が大幅に下がり、加えて敵航空機の性能向上により追従しにくくなった。
本器材は四輪の台車に載せて牽引が可能で、後に気温や風などの偏差を自動修正する計算機を搭載した改良型「九三式大聴音機」も開発された。
参考文献
[編集]- 『[決定版]世界の秘密兵器』p132-p133 Gakken ISBN 978-4-05-404517-0