二関節筋
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二関節筋(にかんせつきん)とは、起始と停止が2つの関節をまたぐ筋を指す[1]。
人間の二関節筋の例
[編集]- 上腕二頭筋 (肘関節と肩関節)[2]
- 上腕三頭筋 (肘関節と肩関節)[3]
- 大腿二頭筋長頭(坐骨結節と腓骨頭)[4]
- 半膜様筋(坐骨結節と脛骨内側顆)[4]
- 半腱様筋(坐骨結節と脛骨上部の内側面)[2]
- 腓腹筋 (膝関節と踵骨隆起)[5]
- 大腿直筋 (股関節と膝関節)[4]
解剖学
[編集]大腿二頭筋長頭のレバーアーム長は股関節・膝関節での角度が変化しても常に股側で膝側よりも大きく、股関節屈曲角度が増大するにつれて増大し、腓腹筋のレバーアーム長は膝関節・足関節角度が変化しても常に足側で膝側よりも大きく、足底屈角度が増大するにつれて増大した[6]。 股関節屈曲位の大腿直筋の筋放電量は膝関節屈曲位が軽度屈曲位よりも高い一方、股関節伸展位では大腿直筋の筋放電量に膝関節角度の影響が認められず、二関節筋である大腿直筋は股関節が伸張した状態では膝関節角度を変化させても筋放電量の差を生じさせる程の影響が認められないと推察される[7]。
機能
[編集]リンク機構系先端に外力が加えられたとき拮抗二関節筋が装備された機構では負荷の方向と変位の方向は一致 して問題ないが[8]、拮抗二関節筋のない機構では一致せずにずれてしまう[9]。拮抗二関節筋を含む3対の拮抗筋の存在が系先端剛性の楕円を自由に制御でき、機構的に外部擾乱に対して四肢先端からの感覚情報のフィードバックなしでも安定した姿勢制御を可能としていることを工学的解析の結果が示している[10]。 拮抗二関節筋を含む人体四肢モデルで[11]ある出力分布を構成する筋力の組み合わせを考えると3対6個の実効筋の1つを決めてやらなければ解は求まらない。これはある1つの筋が疲弊しても他の筋の出力の調整で全体の出力特性には影響は出ないこと,すなわち融通無碍の高い適応能力を示している[12]。
脚注
[編集]参考文献
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- 岡本勉「エクササイズウォーキングの動作 筋電図的研究」『デサントスポーツ科学』第12号、石本記念デサントスポーツ科学振興財団事務局、1991年、33-53頁、CRID 1573950400312906112、doi:10.11501/7955189、ISSN 0285-5739、NAID 10020418864、OCLC 675845867、国立国会図書館書誌ID:000000035740、2023年8月14日閲覧。
- 平崎鋭矢『霊長類における身体垂直移動の運動力学的解析』 甲第、4874号、大阪大学、1994年、1-212頁。doi:10.11501/3074999。 NAID 500000105659。OCLC 682143138。国立国会図書館書誌ID:000000269973 。2023年8月14日閲覧。
- 熊本水賴「二関節筋--進化史に裏付けられた出力・制御機能特性」『日本ロボット学会誌』第28巻第6号、日本ロボット学会、2010年、631-639頁、CRID 1390001204727276800、doi:10.7210/jrsj.28.660、ISSN 02891824、NAID 10026495794、NCID AN00141189、OCLC 9660659507、国立国会図書館書誌ID:10778592、2023年8月14日閲覧。
- 熊本水賴「二関節筋と運動制御」『リハビリテーション医学』第49巻第9号、日本リハビリテーション医学会、2012年、631-639頁、CRID 1390282680251203456、doi:10.11477/mf.6002101139、ISSN 18813526、NAID 130002079121、NCID AN00250275、OCLC 5178255193、国立国会図書館書誌ID:024007734、2023年8月14日閲覧。
- 藤川智彦「ヒトの運動に貢献する二関節筋の機構特性」『日本基礎理学療法学雑誌』第19巻第2号、日本基礎理学療法学会、2016年、8-16頁、CRID 1390564238027124352、doi:10.24780/jptf.19.2_8、ISSN 24340731、NAID 130007491486、OCLC 9657059641、NDLJP:10950587、2023年8月14日閲覧。
- 金承革、田中克己、竹島治生、土持宏之、柴田昌和「大腿二頭筋長頭と腓腹筋のレバーアーム特性が膝関節屈伸運動へ与える影響」『バイオメカニズム』第24巻第0号、バイオメカニズム学会、2018年、37-45頁、CRID 1390001277344431616、doi:10.3951/biomechanisms.24.37、ISSN 1349497X、NAID 130007700288、OCLC 9657129971、国立国会図書館書誌ID:1000000000000016、2023年8月14日閲覧。
- 田中重陽、今若太郎、角田直也「異なる関節角度における等尺性収縮時の膝伸展筋群および膝蓋腱の形状変化特性」『理学療法科学』第34巻第1号、理学療法科学学会、2019年、89-96頁、CRID 1390845713054033664、doi:10.1589/rika.34.89、ISSN 13411667、NAID 130007604483、NCID AN10472896、OCLC 9658802470、国立国会図書館書誌ID:029531032、2023年8月14日閲覧。
関連項目
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外部リンク
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