井沢英二
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井澤 英二(いざわ えいじ、1938年5月6日 - )は、日本の地球科学者。工学博士(1987年)。九州大学教授を歴任。専門は鉱床学。熊本市生まれ。
経歴
[編集]旧東京都立大学付属高等学校から国際基督教大学へ入学。1961年教養学部自然科学科を卒業。九州大学大学院工学研究科(鉱山工学専攻)に進み、1966年博士課程を単位取得退学、九州大学工学部採鉱学科助手となる。1967年同工学部講師、1987年助教授、同年工学博士の学位を取得、学位論文は「Genetic models for epithermal gold deposits in southern Kyushu (南九州の浅熱水金鉱床の生成モデル) 」[1]、1990年教授となる。2002年定年退職。現在、日本鉱業史研究会会長。
業績
[編集]研究の主体は、鉱床地域の岩石・鉱石に含まれる鉱物の特徴を明らかにし、資源探査に役立てることを目指した。岩石中の炭素鉱物[2]や金銀鉱脈の周囲の粘土鉱物[3]が、温度の指標となることを見出し、鉱床の発見に寄与するなど、資源工学に大きく貢献した。日本最大といわれる菱刈鉱山の金鉱床の綿密な調査を行い、その鉱化作用の詳細を明らかにした研究は高く評価されている[4]。現在は、鉱山工学の知見を活かしながら、我が国の鉱業の歴史を研究している[5]。2004年に資源地質学会の加藤武夫賞を受賞。
主な著書
[編集]- 井澤英二「資源エネルギー予測-資源の考え方-」、『九州大学公開講座15 日本はどうなる』、1986年、九州大学出版会、87-116頁。
- 井澤英二『よみがえる黄金のジパング』、岩波科学ライブラリー5、1993年、岩波書店。
- 井澤英二「資源の探査」、『岩波講座 地球惑星科学4、地球の観測』、1996年、岩波書店、291-323頁。
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ 博士論文書誌データベース
- ^ Izawa, E.「Carbonaceous matter in some metamorphic rocks in Japan」、『地質学雑誌』第74巻、日本地質学会、1968年、427‐432頁。
- ^ 井澤英二「淺熱水鉱床に伴われる粘土鉱物」『鉱物学雑誌』第17巻、特別号、日本鉱物学会、1986年、17‐24頁。
- ^ Izawa, E. and others, “The Hishikari gold deposit: high-grade epithermal veins in Quaternary volcanic of southern Kyushu, Japan. Jour. Geochem. Explor., 1990年、30巻、1-56頁。
- ^ Izawa, E. 「The liquation process utilized in silver production from copper ore: the transfer to and development in Japan」、 In Mei, J. and Rehren, T. (Eds.)『Metallurgy and Civilisation: Eurasui and Beyond』、2009年、 Archetype Publications, London、163-169頁。
外部リンク
[編集]- nkysdb: 井沢英二(なかよし論文データベース)