交響曲第3番 (ヴィドール)
交響曲第3番ホ短調 作品69は、シャルル=マリー・ヴィドールが作曲したオルガンと管弦楽のための交響曲。1895年の作品で、それまでの彼の交響曲と異なり、2楽章制、オルガンのソロを含むといった特徴がある。また、循環主題を採用している。
楽器編成
[編集]木管 | 金管 | 打 | 弦 | ||||
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Fl. | 3、3番奏者はピッコロ持ち替え | Hr. | 4 | Timp. | 1 | Vn.1 | |
Ob. | 2 | Trp. | 2 Cort.2 | 他 | バスドラム1、シンバル1 | Vn.2 | |
Cl. | 2(B♭、A管) | Trb. | 3 | Va. | |||
Fg. | 2 | Tub. | 1 | Vc. | |||
他 | 他 | Cb. | |||||
その他 | オルガン |
楽曲構成
[編集]第1楽章
[編集]Adagio - Allegro - Andante sostenuto 通常の交響曲の第一楽章と緩徐楽章が結合した楽章。 序奏から前半は、Adagioの序奏(4/4拍子)とAllegroソナタ形式の主部(6/8、2/4拍子)で構成される。序奏5小節目からのホルンの旋律は、この交響曲における主要動機の一つである。序奏から主部へ移行する直前に一度Andanteとなり、木管楽器の聖歌のような部分があるが、これがこの交響曲の循環主題であり、度々用いられる。 主部はホ短調の調号がつけられているが、実質ロ短調である。臨時記号や半音進行も多く用いられ、オルガン交響曲から想像されるヴィドールの楽曲像とはいくらか異なる。主部は時折中断し、前述の聖歌旋律が今度はオルガンによって演奏される。 主部は完全に解決されることなく、ロ音を含む減七の和音によっておわり、オルガンや各管楽器のソロによってAndante sostenutoの後半へと移る。こちらは小ロンド形式(3/4拍)であり、その主部が聖歌旋律である。いくらか発展したのち、静かに変ニ長調で終わる。
第2楽章
[編集]Vivace - Poco a poco moderato - Allegro - Largo この楽章は、スケルツォ楽章とフィナーレの結合した楽章である。 前半のスケルツォは三部形式、6/8拍子のホ短調で、大変忙しい旋律である。中間部は2/4拍子で、再現部ははじめと異なる展開をするが、この部分も完全に解決せず、第1楽章序章の旋律などを合わせながら次第に盛り上がっていき、その頂点でオルガンがこの楽章で初めて、聖歌旋律によって荘厳に登場する。このオルガンとAllegroの管弦楽の対話が四度繰り返され、後半のPoco a poco moderatoへ移る。 後半は3/4拍子、ハ長調から始まるが、調性は一定せず、また形式も自由であり、既出の動機に加えて新しい動機を加えながら、最終的にLargoのホ長調に至り、トランペット、トロンボーン、オルガンが聖歌旋律と序奏の動機を高らかに歌い上げ、曲を締める。
外部リンク
[編集]- 交響曲第3番の楽譜 - 国際楽譜ライブラリープロジェクト