京都日整学園女性理事長殺害事件
この記事で示されている出典について、該当する記述が具体的にその文献の何ページあるいはどの章節にあるのか、特定が求められています。 |
京都日整学園女性理事長殺害事件(きょうとにっせいがくえんじょせいりじちょうさつがいじけん)とは、1997年に京都市の日整学園・日本整容専門学校の女性理事長が殺害された事件である。
概要
[編集]この事件は1997年3月21日に京都市南区において美容専門学校を運営する学校法人日整学園・日本整容専門学校の学園理事長が駐車場で刺殺された事件である。この事件で逮捕した被告Aに対して検察は親族と取り組んでいた中国古美術品「兵馬俑」の転売を巡るトラブルに絡み、Aが関係者の依頼を受けて理事長を殺したとして起訴した。公判で検察は
- 事件発生前から被害者を尾行して事件発生当時現場にいたこと
- 被害者が死亡直前に話した犯人像が被告と酷似している
- 事件後被告が友人に「人を殺すことは金になる。」と話していたこと
等の状況証拠から犯人として、懲役13年を求刑した。一方、弁護側は公判で被害者を尾行して事件当時に事件現場近くにいたことは認めたものの尾行を指示した人物や理由については黙秘し、殺害について凶器などの事件と被告を結び付ける証拠がないとして無罪を主張していた。2002年2月22日、一審京都地裁は「何らかの形で犯行に関与したと認められる」としたが、殺害について「合理的な疑いを入れない程度まで証明されたとは言えない」として「疑わしきは被告人の利益に」を適用して無罪判決を下した。これに対して検察側は控訴した。
2004年7月2日、2審大阪高裁は一転して有罪判決を下した。近江清勝裁判長は判決で弁護側が主張した目撃証言から推定される犯人像が被告の体格と違う点について観察状況などにより生じる誤差の範囲とした。着衣や人相は被告と一致していると結論づけた。また、事件後住居を転々としたこと、事件前夜現場にいたことから、凶器などの物証がなくても「状況証拠がそろっており、偶然の一致とは考えられない」として殺人の実行犯であると断定し、懲役12年の判決を下した。弁護側は上告した。
2005年12月7日、最高裁第三小法廷の上田豊三裁判長は、懲役12年とした高裁判決を支持して上告を棄却した。
参考文献
[編集]- 朝日新聞 2004年7月3日
- 毎日新聞 2004年7月3日