人工舌
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人工舌(じんこうした、じんこうぜつ)は舌の代用として用いられる人工臓器。
開発の背景
[編集]進行した「舌がん」や「口腔がん」の手術における「舌再建」では通常、足や腹部から組織を移植して舌を再建するのだが、その場合、飲み込みや発音に影響が出て誤嚥(ごえん)などが起きる恐れがあるということがある。そこで代用としての人工舌が発案された。
歯科治療に用いる樹脂を材料とし、奥歯にワイヤでつなぎ上下に動くようにしてあり、わずかに残った本来の舌が人工舌をはね上げ、口蓋に触れる仕組みである[1]。
近年では自発的に動く人工舌として、温度に応じて形を変える形状記憶合金を利用したものも開発され、今後動物実験などで安全性や性能などを確認できれば、臨床研究を始めるという段階である[2]。
脚注
[編集]参考文献
[編集]- 岡山大:声出せる人工舌 がん摘出後も可動式で 『大阪夕刊』2016年2月1日
- (ちゅうごくライフ)人工舌、話す夢実現 がん患者などに岡山大開発 『朝日新聞広島1・2地方』2015年11月07日
- [医の現場]人工舌プロジェクト おしゃべり再び 夢サポート『読売新聞大阪』 2019年5月14日
- 皆木省吾、川上滋央、佐藤匡晃、見玉直紀 「夢の会話プロジェクト - 舌切除患者への人工舌形態の確立 -」 『顎顔面補綴』39巻2号 2016年
- 太田圭二、宮崎文伸、川上滋央、佐藤匡晃、古西隆之、村田尚道、兒玉直紀、皆木省吾「舌切除患者を対象としたソフトPAPの製作方法」 『顎顔面補綴』39巻2号 2016年