人民に奉仕する
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(人民のために尽くすから転送)
「人民に奉仕する」(じんみんにほうしする、簡体字: 为人民服务; 繁体字: 爲人民服務; 拼音: wèi rénmín fúwù)とは、中華人民共和国の政治スローガンのひとつ。
概要
[編集]1944年9月8日の毛沢東の演説から生まれたスローガンである。この演説は、文化大革命の時期に、『ベチューンを記念する』『愚公山を移す』とともに、老三篇とまとめられてパンフレットにされ、大々的に普及された。日本でも、当時、初級中国語教材として用いられた。
「服務」は日本語から中国語に流入した言葉、いわゆる日本語借用語である[1]。
使用場面
[編集]1984年以来、中国人民解放軍の兵士たちが自動車(オープンカー)に立って閲兵する指導者(中国共産党中央軍事委員会主席)を迎える際に用いられる。1984年の軍事パレードの時には鄧小平に対し、1999年の軍事パレードの時には江沢民に対し用いられた。2009年10月1日の軍事パレードでも胡錦濤に対し用いられた[2]。2015年の軍事パレードでは習近平に対し用いられた。
具体的には
- 指導者:「同志達、こんにちは!」(同志們好!tóng zhì men hǎo)
- 兵士達:「こんにちは、指導者!」(首長好!shǒu zhǎng hǎo)
- 指導者:「同志達、ご苦労様!」(同志們辛苦了!tóng zhì men xīn kǔ le)
- 兵士達:「人民に奉仕する!」(為人民服務!wèi rén mín fú wù)
という風に用いる。
党規約や憲法やメディアでも頻繁に用いられている語である[3]。毛沢東思想とともに1960年代から70年代にかけて世界的にも伝播され、アフリカ系アメリカ人による左翼民兵組織ブラックパンサー党でも英訳の「Serve the people」がスローガンとして用いられた。
また北朝鮮でも日本語訳に近い訳語で人民の為に服務する「인민을 위하여 복무함」(朝鮮語の漢字表記:人民을爲하여服務함)として用いられている。