コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

伊藤家住宅茶席水鶏庵

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
伊藤家住宅 (津島市)から転送)
伊藤家住宅茶席水鶏庵
情報
構造形式 木造、銅板葺[1]
建築面積 24 m² [1]
階数 平屋建[1]
竣工 1868年(明治元年)
1948年(昭和23年)移築[1]
所在地 496-0038
愛知県津島市橘町4-85
座標 北緯35度10分21.0秒 東経136度43分56.8秒 / 北緯35.172500度 東経136.732444度 / 35.172500; 136.732444 (伊藤家住宅茶席水鶏庵)座標: 北緯35度10分21.0秒 東経136度43分56.8秒 / 北緯35.172500度 東経136.732444度 / 35.172500; 136.732444 (伊藤家住宅茶席水鶏庵)
文化財 登録有形文化財
指定・登録等日 2009年4月28日
テンプレートを表示

伊藤家住宅茶席水鶏庵(いとうけじゅうたく ちゃせきくいなあん)は、愛知県津島市橘町4-85にある茶室。茶席と腰掛待合が登録有形文化財[1][2]

歴史

[編集]

茶室の竣工

[編集]

尾張国海部郡弥富村松名(現・愛知県弥富市)の地主である佐野治右衛門は、新田開発や酒造業で財を成した[3]。1868年(明治元年)、佐野治右衛門は吉田紹和宗匠を招いて水鶏庵という茶室を建てた[4]

名称は松尾芭蕉の句「水鶏啼くと人のいへばや佐屋泊り」に由来するとされる[4]。1882年(明治15年)には歌人の阪正臣が訪れて賞賛した[3]。1913年(大正2年)夏には入江為守の絵に西園寺公望が水鶏庵の文字を揮毫した[3]

津島市への移築

[編集]

1901年(明治34年)に海部郡佐織町に生まれた伊藤新左衛門は、1935年(昭和10年)2月に伊藤新毛織物工場を設立した[5]。戦後の1948年(昭和23年)、弥富町の水鶏庵が津島市橘町の伊藤家庭園に移築された[4]。伊藤新左衛門は津島市教育委員長も務めている[6]

2009年(平成21年)4月28日、伊藤家住宅の座敷機石荘、茶席水鶏庵、茶席妙喜庵、腰掛待合、正門及び築地塀、中門及び袖塀の6件が登録有形文化財に登録された[7][8]。敷地内では、紅茶やケーキを提供するカフェ、うどんやそばを提供する料理店が営業していた[9]

その後、座敷機石荘や茶席妙喜庵などは解体され、2016年(平成28年)9月14日、座敷機石荘、茶席妙喜庵、正門及び築地塀、中門及び袖塀の4件の登録が抹消された[10]

登録有形文化財

[編集]

現存する建造物

[編集]
  • 茶席水鶏庵(くいなあん)
    • 木造平屋建、寄棟造、銅板葺[1]。建築面積24平方メートル[1]。桁行5.9メートル、梁間5.0メートル[1]。庭園の南西隅に建つ[1]。4畳半の茶室、次の間、水屋を有する[4]
    • 1868年(明治元年)竣工[1]。1948年(昭和23年)移築[1]。2009年(平成21年)4月28日、登録有形文化財に登録された[1]。登録基準は「造形の規範となっているもの」。
  • 腰掛待合
    • 木造平屋建、銅板葺[2]。建築面積3.2平方メートル[2]。桁行2.7メートル、梁間1.2メートル[2]。水鶏庵に付属する腰掛待合であり、庭園の西側に建つ[2]
    • 1948年(昭和23年)竣工[2]。2014年(平成26年)10月7日、登録有形文化財に登録された[2]。登録基準は「造形の規範となっているもの」。

解体された建造物

[編集]
  • 座敷機石荘(きせきそう)
    • 木造平屋建、瓦葺[7]。建設面積63平方メートル[7]
    • 1943年(昭和18年)頃竣工[7]。2009年(平成21年)4月28日、登録有形文化財に登録された[7]。登録基準は「造形の規範となっているもの」[7]。2016年(平成28年)9月14日、登録を抹消された[10]
  • 茶席妙喜庵(みょうきあん)
    • 木造平屋建、銅板葺[7]。建設面積5.3平方メートル[7]
    • 明治時代後期竣工[7]。1948年(昭和23年)移築[7]。2009年(平成21年)4月28日、登録有形文化財に登録された[7]。登録基準は「造形の規範となっているもの」[7]。2016年(平成28年)9月14日、登録を抹消された[10]
  • 正門及び築地塀
    • 正門は木造、瓦葺[7]。間口4.6メートル[7]。築地塀は延長11メートル[7]
    • 1958年(昭和33年)竣工[7]。2009年(平成21年)4月28日、登録有形文化財に登録された[7]。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」[7]。2016年(平成28年)9月14日、登録を抹消された[10]
  • 中門及び袖塀
    • 門は木造、杉皮葺[7]。間口3.1メートル[7]。塀は木造、瓦葺[7]。総延長7.8メートル[7]
    • 1948年(昭和23年)竣工[7]。2009年(平成21年)4月28日、登録有形文化財に登録された[7]。登録基準は「国土の歴史的景観に寄与しているもの」[7]。2016年(平成28年)9月14日、登録を抹消された[10]

脚注

[編集]
  1. ^ a b c d e f g h i j k l 伊藤家住宅茶席水鶏庵 文化遺産オンライン
  2. ^ a b c d e f g 伊藤家住宅腰掛待合 文化遺産オンライン
  3. ^ a b c 『佐屋町史 史料編 3 本編』佐屋町史編纂委員会、1983年、p.352
  4. ^ a b c d 伊藤家住宅茶席水鶏庵 津島市の歴史・文化遺産
  5. ^ 『全国工場通覧 昭和14年版』日刊工業新聞社、1939年、p.251
  6. ^ 愛知県教育委員会『教育愛知』愛知県教育振興会、135号、1964年
  7. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y 愛知県文化財年報 5 2009年度 愛知県教育委員会、2010年
  8. ^ 「後世に残そう棚橋家住宅 国登録有形文化財 県内から追加7件」『中日新聞』2009年3月20日
  9. ^ 『名鉄Wind』名古屋鉄道、2010年7月号
  10. ^ a b c d e 解体等による登録抹消 文化庁

外部リンク

[編集]