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住田町役場

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
住田町役場(現)

町役場庁舎(2017年11月)地図
情報
用途 町役場
設計者 中居敬一都市建築設計、前田建設工業、近代建築研究所、ホルツストラ
施工 前田建設工業、長谷川建設
建築主 住田町
事業主体 住田町
構造形式 耐力壁軸組工法、レンズ型木造トラス構造
敷地面積 7,881 m²
建築面積 2,419 m²
延床面積 2,883 m²
状態 完成
階数 2
エレベーター数 1
着工 2013年7月
竣工 2014年7月31日
開館開所 2014年9月16日
所在地 029-2396
岩手県気仙郡住田町世田米字川向88番地1
座標 北緯39度8分32秒 東経141度34分30.1秒 / 北緯39.14222度 東経141.575028度 / 39.14222; 141.575028 (住田町役場(現))座標: 北緯39度8分32秒 東経141度34分30.1秒 / 北緯39.14222度 東経141.575028度 / 39.14222; 141.575028 (住田町役場(現))
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住田町役場(すみたちょうやくば)は、日本地方公共団体である岩手県気仙郡住田町の執行機関としての事務を行う施設(役場)である。2014年に完成した現在の役場庁舎は地元木材を用いた大規模な純木造公共建築物として著名である[1][2]

組織

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普通地方公共団体の執行機関としての住田町は、俗に「住田町役場」「町役場」「役場」と呼ばれている。総務課、企画財政課、町民生活課、税務課、保健福祉課、農政課、林政課、建設課の計8課と教育委員会、農業委員会事務局、選挙管理委員会事務局を置き、各課の電話番号とメールアドレスを町ウェブサイトで公開している[3]

役場庁舎の来歴

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1955年昭和30年)4月に世田米町せたまいまち下有住村上有住村の1町2村の合併によって「住田町すみたちょう」が誕生した当初は、住田町世田米あざ世田米駅に役場庁舎を設置した[4][5]

1958年(昭和33年)2月に世田米あざ川向96番地1の鉄筋コンクリート(RC)造2階建て庁舎(延べ床面積990平方メートル[6]、総工費約1600万円[7])に新築移転したが[8][1]、その後の行政活動の拡大に伴い手狭となり、増築や改修を繰り返しつつ執務庁舎は周囲の建物にも分散することとなった[6]。この1958年竣工庁舎の耐用年限は50年とされており、町は1993年(平成5年)から新庁舎建設基金の積み立てを開始し、2007年(平成19年)には翌年度内の建設を目標に役場新庁舎建設基本計画案を立案[9][6]、住民も交えた役場庁舎建設検討委員会を設置して計画案の検討も開始したものの[10][11]、翌2008年(平成20年)の木工団地の経営危機への巨額の公金融資の実施などのため新庁舎建設計画は凍結された[12]。しかし、2011年(平成23年)3月、東日本大震災の地震により老朽化した役場庁舎が被災、災害対策本部を庁舎内に設置できず発災直後から数日間は屋外テントに[13]、その後も庁舎敷地内にあった住田町保健福祉センターに本部を置く事態となったことなどから[14]、町はふたたび新庁舎建設に向けて動き出した[15]

現在の木造庁舎(世田米字川向88番地1)の設計・施工は2012年(平成24年)6月29日公告の公募型建設設計・施工一括発注プロポーザル方式により、同年10月4日に前田建設工業・長谷川建設・中井敬一都市建築設計異業種特定建設共同企業体(JV)が事業受託者に選定された[16]2013年(平成25年)7月に着工[17][18]、翌2014年平成26年)7月に完成して同月31日に町への引き渡し式をおこない[19]、同年9月2日に落成式[20][21]、12日に旧庁舎の閉庁式[7]、16日に新庁舎の開庁式を催して庁舎機能を移転したものである[22][5]。建設工事の様子はウェブカメラを設置し「住田町新庁舎建設設計・施工一括業務 WEBかわら版」を通じてインターネット上で公開された[18][23]。建設事業費(設計・施工費)は約12億4千800万円[22]。第18回木材活用コンクール・最優秀賞、第57回BCS賞、第4回カーボンニュートラル賞など多くの賞を受賞している。

配置

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  • 1階 - 町民ホール、交流プラザ、町民生活課、税務課、保健福祉課、建設課、会計室、副町長室
  • 2階 - 総務課、企画財政課、農政課、林政課、教育委員会、選挙管理委員会、町長室、教育長室

建築

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構造 - 木造(準耐火)、2階建て、レンズ型木造トラス梁、ラチス耐力壁(耐力壁軸組工法
敷地面積 - 7,881 m2
建築面積 - 2,419 m2
延床面積 - 2,883 m2
木構造部数量 - 710.7 m3スギ(柱・母屋・ラチス壁・間柱)247.7 m3カラマツ(梁・土台)463.0 m3[24]
耐震安全性の分類 − 耐震基準値(I)類(1.5)[25]
空調設備 - 木質ペレット焚吸収式冷温水発生器(木質ペレットボイラー)、電気空調[25]
太陽光発電設備 - 太陽光パネル発電・蓄電池15 kW(非常時対応分)、太陽光発電街路灯6基[25]
事業費(設計・施工費) - 1,248,598,800 円[25]

交通アクセス

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主な受賞歴

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2014年完成 住田町役場庁舎

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脚注

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  1. ^ a b 村島正彦 (2016年10月24日). “町産の中断面木材を使った純木造役場”. 日経クロステック(xTECH). 住田町. 2023年5月6日閲覧。
  2. ^ 特別インタビュー 住田町新庁舎(岩手県)[2016年 BCS賞受賞]”. Graphisoft. GRAPHISOFT (2016年). 2023年5月6日閲覧。
  3. ^ 組織”. 住田町公式ウェブサイト. 住田町. 2023年5月6日閲覧。
  4. ^ 住田町 編『住田町50年の歩み 〜水と緑に育まれ 明日へと続く道〜』住田町、2005年、3頁https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2015021400119/ ページ個別pdfあり。
  5. ^ a b 広報すみた 平成26年9月号 (No.660) - 町政”. 住田町公式ウェブサイト. 住田町 (2014年9月). 2019年2月2日閲覧。 ※pp. 2-5「特集 住田町役場新庁舎落成」(pdf)参照。
  6. ^ a b c 住田町役場新庁舎を20年度内に木造で建設へ/築後50年経過し老朽化」『Web東海新報』東海新報社、2007年2月16日、1面。オリジナルの2007年2月18日時点におけるアーカイブ。2023年5月7日閲覧。
  7. ^ a b 住田町現役場/新庁舎の供用に伴い、きょう夕方、閉庁式/半世紀余の歴史に幕」『Web東海新報』東海新報社、2014年9月12日、6面。オリジナルの2014年10月12日時点におけるアーカイブ。2023年5月6日閲覧。 ※1958年(昭和33年)2月の旧庁舎落成式の写真あり。
  8. ^ 住田町 編『住田町50年の歩み 〜水と緑に育まれ 明日へと続く道〜』住田町、2005年、3-4頁https://www.town.sumita.iwate.jp/docs/2015021400119/ 1957年(昭和32年)3月に役場庁舎建設地を世田米あざ川向96番地1に決定(p. 3)、翌年2月に新築移転した(p. 4)。
  9. ^ 町勢振興調査会が初会合/総合計画案を審議/新庁舎の建設計画案も」『Web東海新報』東海新報社、2007年2月11日、1面。オリジナルの2007年2月14日時点におけるアーカイブ。2023年5月7日閲覧。
  10. ^ 老朽化が目立つ役場庁舎/検討委員を町民から募集/建設の是非から論議へ」『Web東海新報』東海新報社、2007年5月23日、1面。オリジナルの2007年5月25日時点におけるアーカイブ。2023年5月7日閲覧。
  11. ^ 大和魂 (2007年6月24日). “住田町役場新庁舎建設に関するお話”. もさばSUMITA好いネット管理人の日記. 2023年5月6日閲覧。
  12. ^ 住田6月議会開会/多田町長「庁舎建設前向きに」/震災対応に質問集中」『Web東海新報』東海新報社、2011年6月9日、1面。オリジナルの2011年6月16日時点におけるアーカイブ。2023年5月6日閲覧。
  13. ^ 岩手県災害対策本部(情報班) (2011年3月14日). “避難者情報、救援ニーズ情報 平成23年3月14日 9:00現在” (pdf). 岩手県ウェブサイト. 岩手県. 2011年3月21日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月6日閲覧。 “住田町 (..) (停電、断水、電話不通)・0:15役場電気復旧(災害〔対策〕本部は役場の外) ・3/14衛星電話設置予定(場所未定)” ※東日本大震災発災当時、ウェブサイト「いわて防災情報ポータル」にてPDF提供された岩手県庁による公式の被害報告(第6報)。住田町の情報はp. 3。
  14. ^ 住田町役場の新築検討を再開/震災で必要性浮上」『岩手日報』岩手日報社、2012年1月22日。オリジナルの2012年3月14日時点におけるアーカイブ。2023年5月6日閲覧。
  15. ^ 住田町、住民懇談会がスタート/役場新築どうとらえる」『Web東海新報』東海新報社、2012年1月25日、1面。オリジナルの2012年3月7日時点におけるアーカイブ。2023年5月6日閲覧。
  16. ^ 新庁舎建設設計・施工一括発注プロポーザルの実施について”. 住田町公式ウェブサイト. 住田町 (2014年10月). 2014年10月12日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月10日閲覧。
  17. ^ 役場新庁舎、建設事業いよいよ本格化/来月着工を前に祈願祭」『Web東海新報』東海新報社、2013年6月28日、1面。オリジナルの2013年8月13日時点におけるアーカイブ。2023年5月6日閲覧。
  18. ^ a b 建設工事進む住田町役場新庁舎/基礎部分に着手/イメージ画像も公開」『Web東海新報』東海新報社、2013年9月6日、1面。オリジナルの2015年4月27日時点におけるアーカイブ。2023年5月6日閲覧。
  19. ^ 役場新庁舎引き渡し式/長きにわたる利活用を」『Web東海新報』東海新報社、2014年8月1日、1面。オリジナルの2014年8月12日時点におけるアーカイブ。2023年5月6日閲覧。
  20. ^ 町内の木材を活用した住田町新庁舎が完成”. IBC NEWS. IBC岩手放送 (2014年9月2日). 2014年9月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月6日閲覧。
  21. ^ 住田町の新庁舎が完成/地元木材ふんだん」『河北新報オンラインニュース』河北新報社、2014年9月3日。オリジナルの2014年9月3日時点におけるアーカイブ。2023年5月6日閲覧。
  22. ^ a b 役場新庁舎で開庁式/職員らも誓い新た」『Web東海新報』東海新報社、2014年9月17日、7面。オリジナルの2014年10月12日時点におけるアーカイブ。2023年5月6日閲覧。
  23. ^ 住田町新庁舎建設設計・施工一括業務 WEBかわら版 - ホーム”. 住田町新庁舎建設設計・施工一括業務 WEBかわら版. 前田建設工業株式会社 (2013年 - 2014年). 2014年6月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年5月10日閲覧。
  24. ^ 林業日本一を目指す町、 岩手県住田町 「木のショールーム」として木造庁舎を建設”. 木で建ててみよう. 前田建設 (2018年4月26日). 2023年5月6日閲覧。
  25. ^ a b c d 住田町役場庁舎 ご案内 : 交流と行政サービスの新たな拠点” (pdf). 住田町公式ウェブサイト. 住田町 (2015年). 2023年5月10日閲覧。
  26. ^ 第18回 木材活用コンクール 結果発表”. KENCHIKU. 株式会社建報社 (2015年3月8日). 2023年5月6日閲覧。
  27. ^ 第18回木材活用コンクール受賞作品”. 木材活用コンクール. 日本木材青壮年団体連合会 (2015年3月). 2023年5月6日閲覧。
  28. ^ H27年度木材利用優良施設表彰(内定)|優良木造事例表彰”. 木材利用推進中央協議会 (2015年7月27日). 2023年5月6日閲覧。
  29. ^ 「平成26年度すまいづくり表彰地域住宅賞」受賞作品を公開:建築研究所”. ウィークリーつくばサイエンスニュース. つくば科学万博記念財団 (2015年7月31日). 2023年5月6日閲覧。
  30. ^ 内海康也, 水谷明大, 岩田 司 (2015年7月). “建築研究資料No.166号 平成26年度建築研究所すまいづくり表彰地域住宅賞-受賞作品・活動集-”. 国立研究開発法人建築研究所 Building Research Institute. 国立研究開発法人建築研究所. 2023年5月6日閲覧。
  31. ^ 日経ニューオフィス賞、13件が受賞」『日本経済新聞』日本経済新聞社、2015年8月4日。2023年5月6日閲覧。
  32. ^ 第28回日経ニューオフィス賞 受賞オフィス紹介 住田町役場 新庁舎”. 一般社団法人ニューオフィス推進協会 (2015年8月). 2023年5月6日閲覧。
  33. ^ 第57回BCS賞を発表〈日本建設業連合会〉”. Archi Future Web (2016年7月26日). 2023年5月6日閲覧。
  34. ^ 住田町役場 : 第57回受賞作品(2016年) | BCS賞”. 日本建設業連合会. 一般社団法人日本建設業連合会 (2016年). 2019年2月2日閲覧。
  35. ^ 住田町役場にまた栄誉、CO2排出削減で高評価」『Web東海新報』東海新報社、2016年5月29日、3面。2023年5月6日閲覧。
  36. ^ “まちの顔”に栄誉/公共建築賞・優秀賞を獲得/地元材使用した住田町役場」『Web東海新報』東海新報社、2020年8月6日、7面。2023年5月6日閲覧。
  37. ^ 第17回公共建築賞「公共建築賞」「公共建築賞・特別賞」が決定しました”. PBA 公共建築協会 (2021年11月11日). 2023年5月6日閲覧。
  38. ^ 第17回公共建築賞 受賞建築物”. PBA 公共建築協会 (2021年11月17日). 2023年5月6日閲覧。

参考文献

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外部リンク

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