佐々木ののか
佐々木 ののか (ささき ののか) | |
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誕生 |
1990年5月23日(34歳) 北海道音更町 |
職業 | 文筆家 |
言語 | 日本語 |
国籍 | 日本 |
最終学歴 | 筑波大学国際総合学類 |
活動期間 | 2015年 - |
デビュー作 | 『愛と家族を探して』 |
影響を与えたもの
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ウィキポータル 文学 |
佐々木 ののか(ささき ののか、1990年〈平成2年〉5月23日[1][2] - )は、日本の文筆家[3]。「家族と性愛」を主なテーマに掲げ[3][4]、エッセイや取材記事をウェブメディアなどで執筆活動を行っている他[5]、動画制作、映画や演劇のアフタートークへの登壇、アパレルの制作などの活動も行っている[6]。
経歴
[編集]北海道音更町で誕生する[5][7]。北海道帯広柏葉高等学校[8]、筑波大学国際総合学類を卒業後[5]、2014年(平成26年)に服飾雑貨メーカーへ就職するが[9]、翌2015年(平成27年)に退社し[9]、フリーランスの文筆家として活動を始める[5][9]。
2016年(平成28年)より、天真爛漫なキャラクターが定着するようになる[9]。それまで家族の在り方や性愛について興味を抱いていたこともあり、2017年(平成29年)からは「家族と性愛」を主なテーマに掲げ、エッセイや取材記事をウェブメディアなどに執筆している[5]。翌2018年(平成30年)、自身の幼少期から当時までの内容を[10]、配信サイトのnoteに投稿した『五体満足なのに不自由な身体』が話題となる[9]。
既存の形式にとらわれない新たな関係を築く人々への取材を重ねた末に[4]、2020年(令和2年)、法律婚ではなく独自の契約を交わした夫婦、同性パートナーシップ制度で家族を目指す女性2人など、多様な愛と家族の姿を著した初の著書『愛と家族を探して』を刊行し、話題を呼ぶ[3][9]。
2021年(令和3年)、7年間生活した東京を去り、北海道へ帰郷する。子供の頃からの憧れであった東京から、憎悪にも似た感情を抱いていた地元への帰郷は不本意だったというが、それを機に、生活に大きな変化が生まれて、自分や過去と向き合えるようになる[11]。担当編集者からの勧めもあって2022年(令和4年)に刊行した『自分を愛するということ〈あるいは幸福について〉』には、1冊目では消化しきれなかった、友人との絶縁、恋人との破綻、離婚などの想いが綴られている[8]。音更町在住(2022年5月時点)[8]。
評価
[編集]漫画家の永田カビは、自身の作風に悩んでいたときに、noteに投稿された『五体満足なのに不自由な身体』を読み、エッセイとしての読み応えや優れた言語化に感嘆して、「ここ数年読んだ文章でダントツ面白かった」と自著『現実逃避してたらボロボロになった話』で語っており、エッセイ漫画家として開花するきっかけとなったと述べている[12][13]。
フリーランスのライターである五十嵐大は『愛と家族を探して』について、「家族と性愛」に挑む覚悟が理解でき、「普通でない」といわれる人々が、多様性が謳われるようになった時代では「普通でない」といわれる権利がないと考えさせられ、「自分の中にある凝り固まった価値観が崩れ落ちていく音が聞こえた」と語っている[14]。
著作
[編集]- 『愛と家族を探して』亜紀書房、2020年7月。ISBN 978-4-7505-1646-2。
- 『自分を愛するということ〈あるいは幸福について〉』亜紀書房、2022年4月。ISBN 978-4-7505-1734-6。
脚注
[編集]- ^ 篠原諄也 (2020年8月27日). “佐々木ののかさん「愛と家族を探して」インタビュー さまざまな「家族と性愛」のかたちを生きる人々”. 好書好日. 朝日新聞社. 2023年3月7日閲覧。
- ^ sasakinonokaの2019年5月23日のツイート、2023年3月7日閲覧。
- ^ a b c 谷口 2020, pp. 26–27
- ^ a b こだま 2020, pp. 388–389
- ^ a b c d e 「佐々木ののか」『十勝毎日新聞』、電子版。2023年3月7日閲覧。
- ^ 高城つかさ (2019年12月24日). “「“生活”をはじめて、自分の心の声を聞けるようになった」文筆家・佐々木ののかが暮らしを振り返る”. Woman.CHINTAI. CHINTAI. 2023年3月7日閲覧。
- ^ 宍戸透「十勝人 佐々木ののかさん J8サミット2008の交流行事に参加する帯柏葉高3年 外国の生徒と意見交換したい」『北海道新聞』北海道新聞社、2008年7月3日、勝1夕刊、11面。
- ^ a b c 小坂真希「生きづらさ 自分の経験つづる 音更の佐々木さん エッセー出版 離婚、家族への葛藤…「誰かの支えになれば」」『北海道新聞』2022年5月7日、帯B朝刊、13面。
- ^ a b c d e f 桜木彩佳 (2021年1月7日). “「家族と性愛」をテーマに文筆業を営む、佐々木ののか氏 同氏が語る「アングラな一匹狼がありのままで生きていく方法」”. ログミーBiz. ログミー. 2023年3月7日閲覧。
- ^ 永田 2019, p. 103
- ^ 小晴 (2022年8月9日). “憂鬱や悲しみは切り捨てなきゃ、なんてない。”. LIFULL STORIES. LIFULL. 2023年3月1日閲覧。
- ^ 永田 2019, pp. 104–105
- ^ 佐々木ののか「どうして過去の私的な体験を書かねばならないのか。『レズ風俗』著者・永田カビさんが、書くことは生きることだと教えてくれた」『ダ・ヴィンチニュース』KADOKAWA、2019年11月11日。2023年3月4日閲覧。
- ^ 五十嵐大 (2020年8月25日). “「ふつうの家族は“虚像”だと思う」家族と性愛を追求する文筆家・佐々木ののかインタビュー”. ダ・ヴィンチWeb. KADOKAWA. 2023年3月7日閲覧。
参考文献
[編集]- こだま「読書中毒日記」『小説現代』第57巻第7号、講談社、2020年10月1日、大宅壮一文庫所蔵:000055610。
- 谷口伸仁「ダイバーシティ時代の恋愛と結婚 生きづらさの元凶はパッケージ化された恋愛と結婚」『SPA!』第69巻第38号、扶桑社、2020年11月17日、大宅壮一文庫所蔵:000054831、2023年3月4日閲覧。
- 永田カビ『現実逃避してたらボロボロになった話』イースト・プレス、2019年11月7日。ISBN 978-4-7816-1836-4。
外部リンク
[編集]- 佐々木ののか - note
- 佐々木ののか (@sasakinonoka) - X(旧Twitter)