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佐伯順子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

佐伯 順子(さえき じゅんこ、1961年2月14日 - )は、日本の比較文化学者。同志社大学教授。学位は、博士(学術)東京大学・1992年)(学位論文「近代化の中の男と女 -『色』と『愛』の比較文化史」)。

母はオブジェ作家の佐伯統子[1]

人物

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東京都生まれ、関西育ちで、箕面市立南小学校神戸女学院中学部東京学芸大学教育学部附属高等学校卒。学習院大学堀越孝一ホイジンガを学び、東京大学大学院総合文化研究科では演劇研究を志して高橋康也に師事するが、修士論文『遊女の文化史』を刊行、以後は芳賀徹を師と仰ぐ。

歌舞伎のような芸能を中心として日本文学全般に詳しく、泉鏡花樋口一葉に関する著書を出している。なお、学生時代にはカブキロックスの前身バンド「KABUKI ROCK 一番屋」に所属して能管を担当していた[2]。また自衛隊に体験入隊した経験もある[3]

「聖なる遊女」論は、ユング心理学の一派である娼婦原型を用いたものとして、小谷野敦から繰り返し批判されている(『江戸幻想批判』『日本売春史』)。またその恋愛近代化論も、徳川時代後期の遊びの世界のものに過ぎない「色」を前近代日本全体に当てはめるものとして、他の論者とともに小谷野らの批判を受けている。

なお小谷野によると、丸谷才一の長篇小説『輝く日の宮』(講談社、2003年)のヒロインのモデルが佐伯であるという[4]

略歴

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学内における役職

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同志社大学メディア・コミュニケーション研究センター副センター長

学外における役職

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兼職

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受賞歴

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1998年 サントリー学芸賞山崎賞 『「色」と「愛」の比較文化史』ならびに同作品を中心とした業績

著書

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単著

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  • 『遊女の文化史』(中公新書、1987年)
  • 『文明開化と女性』(新典社〈叢刊・日本の文学〉、1991年)
  • 『美少年尽くし』(平凡社、1992年/平凡社ライブラリー、2015年)
  • 『「色」と「愛」の比較文化史』(岩波書店、1998年、新版2010年)
  • 『恋愛の起源 明治の愛を読み解く』(日本経済新聞社、2000年)
  • 『泉鏡花』(ちくま新書、2000年)
  • 『「愛」と「性」の文化史』(角川選書、2008年)
  • 『「女装と男装」の文化史』(講談社選書メチエ、2009年)
  • 『明治〈美人〉論 メディアは女性をどう変えたか』(NHKブックス、2012年)
  • 『明治大正のハンサムウーマン メディアが伝えた働く女性』NHK出版、2014年。NHKカルチャーラジオ放送テキスト
  • 『男の絆の比較文化史 桜と少年』(岩波現代全書、2015年)

共編

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訳書

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  • 『双子と分身 〈対なるもの〉の神話』(ジョン・ラッシュ、平凡社〈イメージの博物誌〉、1995年)
  • 『一葉語録』(岩波現代文庫、2004年)。原文と現代語訳

参考

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脚注

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  1. ^ 島崎今日子『女学者丁々発止!』学陽書房、1990.
  2. ^ 『美少年尽くし』略歴。
  3. ^ 「自衛隊の夏」『新潮』1994年6月
  4. ^ 小谷野敦『俺も女を泣かせてみたい』p.65(筑摩書房、2004年)