価格時点
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価格時点(かかくじてん)とは、不動産鑑定評価等における不動産の価格判定の基準日をいう(賃料の場合も「価格時点」という)。
以下、基本的に不動産鑑定評価基準による。
変動の原則
[編集]不動産に限らず、一般に財の価格は、その価格を形成する要因の変化に伴って変動する。不動産鑑定評価基準は、こうした経済法則を基礎に「変動の原則」を規定している[1]。変動の原則においては、不動産の価格形成要因は、常に変動の過程にあることが示され、そのことから、不動産の価格判定においては、その基準日を確定させる必要がある[2]。なお、賃料の価格時点は、算定期間の期首となる。
したがって、不動産鑑定評価基準においては、鑑定評価の「基本的事項」として、対象不動産、価格又は賃料の種類[3]とともに価格時点を定めている。
過去時点、将来時点
[編集]評価を行った年月日を基準に、現在時点[4]、過去時点、将来時点に分類される。評価においては、現在時点が原則である。過去時点については、対象不動産の確認等が可能であり、必要な事例等の資料が収集可能な場合に限られる。将来時点については、全てが想定、予測による評価となるため、鑑定評価については原則として行うべきではないとされる[2]。
鑑定評価書への記載
[編集]不動産の鑑定評価に関する法律第38条では、不動産鑑定評価書の記載事項として、「鑑定評価額の決定の基準とした年月日」を定めている。これは、鑑定評価額はその日においてのみ妥当するためである[5]。
取引事例、賃貸事例、建設事例等の時点が価格時点と異なる場合は、時点修正が必要となることがあり[6]、それも価格決定の理由として必要である。
脚注、出典
[編集]参考文献
[編集]- 監修日本不動産鑑定協会 編著 調査研究委員会鑑定評価理論研究会『新・要説不動産鑑定評価基準』 住宅新報社 2010年 ISBN 9784789232296 p.90、234
- 新藤延昭『不動産鑑定評価の知識』住宅新報社、2007年、43-44頁。ISBN 9784789227544。