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倉数茂

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
倉数 茂
(くらかず しげる)
誕生 1969年
職業 小説家
言語 日本語
国籍 日本の旗 日本
教育 学術博士
最終学歴 東京大学大学院総合文化研究科
ジャンル ミステリ
主な受賞歴 第1回ピュアフル小説賞大賞(2010年)
デビュー作 『黒揚羽の夏』(2011年)
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倉数 茂(くらかず しげる、1969年[1] - )は、日本小説家東海大学文化社会学部文芸創作学科准教授。男性[2]

経歴

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早稲田大学在学中から批評を「早稲田文学」に発表。卒業後、教育出版社勤務を経る[3]近畿大学大学院文芸学研究科修士課程修了、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学博士課程修了[4]。学術博士[5]。元Q-NAM会員、日本SF作家クラブ会員。

広東外語外貿大学講師(日本近代文化史)[6]厦門大学外籍教師(日本近代文学)[7]東海大学特任講師[8]を経て、現在准教授

2000年、「美と死――『草枕』における漱石のモダニティー」にて第43回群像新人文学賞最終候補。2001年、「小林秀雄の「昭和」」にて第44回群像新人文学賞最終候補。

2005年より5年間、中国広東省福建省日本文学を教える[4][1]。 2009年、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学博士課程修了、「美的主体の精神譜 大正後期から昭和初頭に見る芸術運動とコミュニティ」で学術博士。 専門は日本近代文学[5]。研究課題は「昭和から現代にいたる文学の変遷」。東海大では「文学の遠近法」、「外国文学の探究」などの科目を担当。

2010年2月より、『文學界』にて新人小説月評を担当。同年12月、「黒揚羽の夏」で第1回ピュアフル小説賞(大賞)を受賞する[1]。2011年7月、『黒揚羽の夏』で小説家デビュー。2012年、『黒揚羽の夏』が本の雑誌社「おすすめ文庫王国2012」国内ミステリー部門第8位に選ばれる[9]。2019年、『名もなき王国』で第32回三島由紀夫賞候補。

作品リスト

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単行本

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雑誌掲載作品等

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小説
  • 真夜中のバベル (『S-Fマガジン』2012年2月号、早川書房)
  • 緑陰の家 (「SF Prologue Wave」(WEBマガジン) 2015年6月20日号、日本SF作家クラブ
  • 実録・平成サーカス奇譚 (『ユリイカ』2015年8月号 特集=江戸川乱歩青土社
  • 螺旋の恋 (「SF Prologue Wave」2015年10月20日号、日本SF作家クラブ)
    • 『名もなき王国』(ポプラ社)に収録。
  • アクアリウム (「SF Prologue Wave」2016年7月20日号、日本SF作家クラブ)
  • 少年果 (『異・耽美~トラウマティック・ヴィジョンズ』、アトリエサード、2016年7月26日)
    • 『名もなき王国』(ポプラ社)に収録。
  • 不実な水 (『文藝』2016年夏季号、河出書房新社
  • 百の剣 (『群像』2019年10月号、講談社
  • あがない (『文藝』2020年春季号、河出書房新社)
  • 父の箱(『群像』2021年5月号、講談社)
  • 樋口一葉の多声的エクリチュール――その方法と起源」 (『S-Fマガジン』2021年6月号、早川書房)
エッセイ
  • ゲームの終わり、始まりのゲーム(『新潮』2006年12月号、新潮社
  • 立ち食いそば礼賛 (『群像』2012年10月号、講談社)
  • 恋物語(ロマンス)の楽しみ (『小説トリッパー』2018年秋号、朝日新聞出版
  • 一九九〇年代サブカルを再考する(『新潮』2019年6月号、新潮社)
  • アディクションの時代 (『群像』2019年8月号、講談社)
  • 最高のひと皿(『小説すばる』2020年1月号、集英社
  • 愛はどこまでプラスティックか?(『すばる』2021年7月号、集英社)
  • オンライン化の光と影(『すばる』2022年3月号、集英社)

評論・学術論文

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単行本
  • 『私自身であろうとする衝動 関東大震災から大戦前夜における芸術運動とコミュニティ』(2011年9月 以文社
    • 美的主体の精神譜――大正後期から昭和初頭に見る芸術運動とコミュニティ(博士論文(甲種)、2009年3月)を基に出版。
雑誌等掲載(一部)
  • サミュエル・ベケット論――「名づけえぬもの」を巡って (『早稲田文学』第8次、181号 1991年6月)
  • 「労働」のディストピア (特集・横光利一) (『早稲田文学』第9次、第24巻6号 1999年11月)
  • 輪廻するナルシス――川端康成「水晶幻想」と「抒情歌」 (『言語態』第1巻、言語態研究会編、2000年)
  • 蒐集(コレクション)の曖昧な対象 (『10+1』31号 - 35号、2003年 - 2004年 連載、全5回)
  • 都市空間の系譜学 (『早稲田文学』第9次、第28巻6号 - 第29巻3号 2003年 - 2004年 連載、全4回)
  • 日本の〈グラウンド・ゼロ〉――原爆の表象をめぐって (『10+1』第40号、2005年)
  • 一九九五年〈から/へ〉の呼び声(『現代思想』2005年12月号)
  • 衰亡の時代の政治フィクション (『述 : 近畿大学国際人文科学研究所紀要』第4巻、2011年1月)
  • 消失への遊戯(ゲーム) (『ユリイカ』2012年6月号 特集=アントニオ・タブッキ
  • 北方幻想――戦後空間における〈北〉と〈南〉(岡和田晃編『北の想像力——《北海道文学》と《北海道SF》をめぐる思索の旅』寿郎社、2014年5月)
  • 大西巨人の聖史劇 (『大西巨人――抒情と革命』河出書房新社、2014年6月)
  • 〈おぞましき母〉の病理 (岡和田晃、マーク・ウィンチェスター編『アイヌ民族否定論に抗する』河出書房新社、2015年1月)
  • 魔術的時空間(『ドストエフスキー ――カラマーゾフの預言』河出書房新社、2016年1月)
  • 〈水〉の変貌――永井荷風『すみだ川』、『狐』(『文学+』1号、凡庸の会、2018年10月)
  • 家父長制社会に「女」という文字を書きこむ――『燕は戻ってこない』論(『すばる』2022年5月号、集英社)

参考

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脚注

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外部リンク

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