全ての爆弾の父
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"The Father of All Bombs" (FOAB) | |
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種類 | 燃料気化爆弾 |
原開発国 | ロシア |
運用史 | |
配備先 | ロシア空軍 |
開発史 | |
開発者 | ロシア連邦軍 |
製造期間 | 2007年 |
諸元 | |
重量 | 7100kg |
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エネルギー出力 | TNT 44t |
全ての爆弾の父(ロシア語: Овб : Отец всех бомб)は、ロシアによって開発された大出力ドロップ燃料気化爆弾(ロシア語: АВБПМ : Авиационная вакуумная бомба повышенной мощности)の通称である。英訳「Father of All Bombs」の頭字語であるFOABと表記されることもある。アメリカ合衆国が開発したMassive Ordnance Air Blast bombの4倍の威力があるとされている[1] 。
概要
[編集]「全ての爆弾の父」の重量は7.1トンで、TNT換算で44トンの威力があるとされる。近接信管により空中で爆発し、超音速衝撃波および熱線で対象を破壊する。爆発時に中心部の温度は、アメリカ軍のMOABと比べて2倍にもなるという[2]。2007年9月11日に実験が行われ、ツポレフTu-160戦略爆撃機から投下された[2][3]。いくつかの小型の核兵器は、将来この兵器に置き換わるとされている。
なお、こういった宣伝内容が事実かどうかについては議論がある。ロシア政府の発表したビデオに映っていた「全ての爆弾の父」の形状から判断すると、実際はTu-160から垂直投下する構造になっておらず、大型貨物輸送機から滑り落とすしかない(これを傍証するように、爆弾の基部にはそりが付いている)[4]。このような爆弾は対空防御力の強い標的には不向きであり、とても核兵器に換えて通常任務に用いるような代物ではなく、政治的な意図を持って誇大に広告された可能性が指摘されている[4]。ただし、ビデオはあくまでも2007年の情報であり、現在も低性能のままかは不明である。
指標 | MOAB | FOAB |
---|---|---|
重量: | 10.3トン | 7.1トン |
TNT換算: | 11トン | 44トン |
破壊半径: | 150メートル | 300メートル |
誘導方式: | INS/GPS | 不明 (おそらくGLONASS) |
関連項目
[編集]脚注
[編集]- ^ Luke Harding (2007年9月12日). “Russia unveils the 'father of all bombs'”. London: Guardian Unlimited 2007年9月12日閲覧。
- ^ a b Adrian Blomfield (2007年9月12日). “Russian army 'tests the father of all bombs'”. The Daily Telegraph (London) 2017年4月14日閲覧。
- ^ Илья Kрамник (2007年9月12日) (Russian). Lenta.Ru. http://www.lenta.ru/articles/2007/09/12/bomb/+2007年9月12日閲覧。
- ^ a b David Axe (2007年10月4日). “Russian “Father of All Bombs” = Fake?”. WIRED 2017年5月14日閲覧。