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兪穴

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

兪穴(ゆけつ)は、

  1. 五行穴のひとつ。手首か手の甲、または足の甲にある。五行穴を参照されたい。
  2. 背部の脊椎棘突起下の正中線から骨度法で1寸5分のところにある経穴群。ここでは、これについて説明する。

背部の兪穴

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手足にある五行穴の兪穴と区別するために、背部兪穴ということもある。手足の12経(六臓六腑)に対応した兪穴があり、胸部または腹部にある募穴と表裏の関係にある。五臓六腑の兪穴は臓腑の名称の後に兪がついた名称になっている(肺兪、心兪など)が、心包の兪穴だけは厥陰兪という別の名前になっている。

兪の字は、▲、舟、刀の会意文字で、鋭くとがった刀で刳り抜いて作った丸木船である。刳り抜いて作るところから、「抜き取る」の意味が生まれ、病の元になる邪気を抜き取って癒す意味になった。

兪穴一覧

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同じ線上にある、督兪穴膈兪穴関元兪穴気海兪穴中膂兪穴白環兪穴は、兪の字がついてはいるが、兪穴ではない。

また、督脈腰兪穴小腸経臑兪穴肩外兪穴肩中兪穴腎経肓兪穴奇穴巨闕兪穴は、兪の字がついてはいるが、兪穴ではない。

取穴について

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それぞれの兪穴は、脊椎の頊突起をよりどころにして取穴する。しかしこの椎骨は、中国の古典では、第1椎・第2頭維……となっていて、頸椎・胸椎などの区別はない。

一般には、第1胸椎を第1椎骨として取穴するが、古典ではいちばん丈夫で目立つ椎骨を第1椎とすると書かれており、隆椎ともよばれる第7頸椎を第1椎とする方が自然である。

そのため、第3椎の棘突起下外側1寸5部と書いてある肺兪穴は、第3胸椎の下に取る人と、第2胸椎の下に取る人とに分かれる。