行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律
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行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 | |
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日本の法令 | |
個人番号カード(表) | |
通称・略称 | 番号利用法、共通番号法、番号法、マイナンバー法 |
法令番号 | 平成25年法律第27号 |
種類 | 行政手続法 |
効力 | 現行法 |
成立 | 2013年(平成25年)5月24日 |
公布 | 2013年(平成25年)5月31日 |
施行 | 2015年(平成27年)10月5日 |
所管 |
(内閣府→) デジタル庁 [番号制度担当室→国民向けサービスグループ] |
主な内容 | 個人に識別番号を割り当て、行政情報などを一元的に管理するための法律 |
関連法令 |
行政手続法 行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律 |
条文リンク | e-Gov法令検索 |
行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(ぎょうせいてつづきにおけるとくていのこじんをしきべつするためのばんごうのりようとうにかんするほうりつ、平成25年法律第27号)は、国民及び法人に個人番号、法人番号を割り当て、この利用等に関して必要な事項を規定した日本の法律。
通称は、番号利用法(ばんごうりようほう)[1]、番号法(ばんごうほう)[2]、マイナンバー法(マイナンバーほう)[3]。所管官庁は、2021年(令和3年)9月1日よりデジタル庁国民向けサービスグループである。
構成
[編集]- 第1章 総則(第1条 - 第6条)
- 第2章 個人番号(第7条 - 第16条)
- 第3章 個人番号カード(第17条・第18条)
- 第4章 特定個人情報の提供
- 第1節 特定個人情報の提供の制限等(第19条・第20条)
- 第2節 情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供(第21条 - 第25条)
- 第5章 特定個人情報の保護
- 第1節 特定個人情報保護評価等(第26条 - 第28条の4)
- 第2節 行政機関個人情報保護法等の特例等(第29条 - 第35条の2)
- 第6章 特定個人情報の取扱いに関する監督等(第36条 - 第41条)
- 第7章 法人番号(第42条 - 第45条)
- 第8章 雑則(第46条 - 第50条)
- 第9章 罰則(第51条 - 第60条)
- 附則
経緯
[編集]- 2009年(平成21年)
- 2011年(平成23年)
- 1月31日:政府・与党社会保障改革検討本部で「社会保障・税に関わる番号制度についての基本方針」が決定(菅直人内閣)。
- 6月30日:政府・与党社会保障改革検討本部で「社会保障・税番号大綱」が決定(菅内閣)。
- 2012年(平成24年)
- 2013年(平成25年)
- 2014年(平成26年)
- 2015年(平成27年)
- 2021年(令和3年)
- 2023年(令和5年)
- 2024年(令和6年)
- 5月31日:参議院本会議(岸田内閣、第213回国会(常会))で賛成多数で可決成立した。[14]主な内容は、性別表記の削除、スマートフォンでの利用拡大、正確性担保のためのデジタル庁による自治体への機能強化支援等。新カードは2026年導入見込み。
問題点
[編集]行政手続法違反の疑い
[編集]本法施行令および本法施行規則は制定時に行政手続法に定める意見公募において同法が定める必要な意見募集期間を設けていない[15]。
プライバシー保護
[編集]番号法は第5条で、地方公共団体にもその制度の運用に対する義務を課している:
(地方公共団体の責務)
第五条 地方公共団体は、基本理念にのっとり、個人番号その他の特定個人情報の取扱いの適正を確保するために必要な措置を講ずるとともに、個人番号及び法人番号の利用に関し、国との連携を図りながら、自主的かつ主体的に、その地域の特性に応じた施策を実施するものとする。
その上、番号法第31条は、番号法における地方公共団体の行う法定受託事務以外のものについても、特定個人情報などの提供の記録の扱いについて、個人情報保護法の特例を定めている。それは別に新たに法典を起こすのではなく、読み替えによる:
(情報提供等の記録についての特例)
第三十一条 行政機関等(みなし独立行政法人等を含む。)が保有し、又は保有しようとする第二十三条第一項及び第二項に規定する記録に記録された特定個人情報に関しては、個人情報保護法第六十九条第二項から第四項まで、第七十条、第八十五条、第八十八条、第九十六条及び第五章第四節第三款の規定(みなし独立行政法人等については、個人情報保護法第八十五条、第八十八条、第九十六条及び第五章第四節第三款の規定)は適用しないものとし、個人情報保護法の他の規定の適用については、次の表の上欄に掲げる個人情報保護法の規定中同表の中欄に掲げる字句は、同表の下欄に掲げる字句とする(表は略)。
この場合、地方公共団体には条例の制定の義務が課せられると解されるが[16]、法の趣旨としては理解できても、実際に行うにあたり、地方公共団体が番号法の想定どおりに対応しなかった場合、国と地方公共団体、あるいは地方公共団体と住民の間(のプライバシーに関する問題)で、行政的あるいは司法的処理のあり方についての、紛争の芽を孕んでいる[17]。
脚注
[編集]- ^ 個人情報保護法第51条など
- ^ 国税分野における番号法に基づく本人確認方法 国税庁 2016年(平成28年)3月20日閲覧
- ^ 預金口座にもマイナンバー 改正法が成立 予防接種履歴も 2015年9月3日 産経ニュース 2016年(平成28年)3月20日閲覧
- ^ “民主党 政権政策 Manifesto” (PDF). 民主党. p. 18 (2009年7月27日). 2022年5月25日閲覧。
- ^ “社会保障・税にかかわる番号制度に関する検討会 第1回” (PDF). 内閣官房 (2010年2月8日). 2014年10月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月25日閲覧。
- ^ “平成22年度税制改正大綱 ~納税者主権の確立へ向けて~” (pdf). 首相官邸ホームページ (2009年12月22日). 2023年6月4日閲覧。
- ^ “マイナンバー制度について | 内閣官房 番号制度推進室” (pdf) (2017年10月20日). 2023年6月4日閲覧。
- ^ 官報号外第206号p. 4-19(平成27年9月9日)
- ^ 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行期日を定める政令(平成27年政令第171号)(官報第6506号p. 2、平成27年4月3日)
- ^ “デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律案:参議院”. www.sangiin.go.jp. 参議院. 2023年6月4日閲覧。
- ^ “デジタル社会の形成を図るための関係法律の整備に関する法律の概要|デジタル庁” (pdf). デジタル庁 (2021年9月1日). 2023年6月4日閲覧。
- ^ “行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案:参議院”. www.sangiin.go.jp. 参議院. 2023年6月4日閲覧。
- ^ “行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律等の一部を改正する法律案|デジタル庁”. デジタル庁 (2023年5月31日). 2023年6月4日閲覧。
- ^ 日本放送協会 (2024年5月31日). “改正マイナンバー法 成立 性別表記の削除など | NHK”. NHKニュース. 2024年6月1日閲覧。
- ^ 施行令の募集期間は平成26年2月11日から同月24日まで (内閣府 2014a)、施行規則の募集期間は平成26年6月7日から同月20日まで (内閣府 2014b)であり、期間が不足する理由の公示もされていない。
- ^ 塩野 2015, p. 390 、一次文献は水町 2013など。
- ^ 塩野 2015, p. 390
引用文献
[編集]ウェブサイト
[編集]- “「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令(仮称)案」に関する意見募集(パブリックコメント)の結果について”, 内閣府大臣官房番号制度担当室・内閣官房社会保障改革担当室, (2014(平成26)-04-04)
- “「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行規則(仮称)案」に関する意見募集(パブリックコメント)の結果について”, 内閣府大臣官房番号制度担当室・内閣官房社会保障改革担当室, (2014(平成26)-07-05)
書籍
[編集]- 塩野宏『行政法』 I(第6版)、有斐閣〈行政法総論〉、2015(平成27)-07-25。ISBN 978-4-641-13186-6。
- 高野, 祥一、苅田, 元洋、富山, 由衣、上村, 友和、白戸, 謙一『完全対応 自治体職員のための番号法解説』 実例編:条例整備・特定個人情報保護評価・住民基本台帳事務(第1版)、第一法規、2015(平成27)-09-20。ISBN 978-4-474-05216-1。
参考文献
[編集]書籍
[編集]- 宇賀克也『マイナンバー法の逐条解説』有斐閣、2022(令和4)-06。ISBN 978-4-641-22832-0。
雑誌
[編集]- 水町雅子「番号法により地方公共団体に求められる義務(下)」『住民行政の窓』第388号、2013(平成25)、30 -。
関連項目
[編集]外部リンク
[編集]- e-Gov法令検索
- 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行令(平成26年3月31日政令第155号)
- 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律施行規則(平成26年7月4日内閣府・総務省令第3号)
- 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律別表第一の主務省令で定める事務を定める命令(平成26年9月10日内閣府・総務省令第5号)
- 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律別表第二の主務省令で定める事務及び情報を定める命令(平成26年12月12日内閣府・総務省令第7号)
- 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の規定による通知カード及び個人番号カード並びに情報提供ネットワークシステムによる特定個人情報の提供等に関する省令(平成26年11月20日総務省令第85号)
- 法人番号の指定等に関する省令(平成26年8月12日財務省令第70号)
- デジタル庁