写真時代
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写真時代(しゃしんじだい)とは、白夜書房から出版されていた雑誌である。1981年創刊。
概要
[編集]編集長は末井昭。写真ページの中心は荒木経惟。森山大道、倉田精二、北島敬三らの著名写真家も作品を発表した。荒木によれば、雑誌名も末井と荒木が2人で新宿で飲んでいるときに、たまたま『螢雪時代』(旺文社)の話題が出て、そこから「これからは写真の時代だ」と話が広がったところから「写真時代」になったという[1]。
森山は1980年代のうち8年間、この雑誌の連載以外ほとんど仕事をしなかったと述べている[2]。また、森山は粒子の荒い白黒写真で、倉田は歌舞伎町、ヤクザの生々しい息遣いを記録して、それぞれ存在感を示した[3]。
そのほかの執筆陣に、糸井重里、上野昻志、高杉弾、南伸坊、渡辺和博、岡崎京子、姫野カオルコらを配していた。同誌に連載されていた赤瀬川原平の「超芸術トマソン」には、読者から数多くの「何の役にも立たないのに堂々と存在する物」に関する投稿写真が集まり、ブームとなった[3]。
廃刊
[編集]荒木らの過激な表現によって何度か警視庁から注意され、1988年4月号にて廃刊となった。最終的な理由は、警視庁からの回収命令を受けたことによるものである。問題となったのは、被写体の女性のパンティの食い込みが激しすぎて、女性器が見えそうだったためである[3]。
バックナンバー
[編集]括弧内は主なモデルを示す。※を付したものは、当時において処分を受けたものである。
- 1981-9(なみ)※
- 1981-11(美樹)
- 1982-1(美香)
- 1982-3(少女M・沢井知加)※
- 1982-5(冬苺)
- 1982-7(武見あゆみ)※
- 1982-9(チャコ)
- 1982-11(ロコ)
- 1983-1(娼女)
- 1983-3(直子)
- 1983-5(敦子)
- 1983-7(エヴァ・六波羅舞)※
- 1983-9(ソフィ・エヴァ・晶子)※
- 1983-9増刊(武見あゆみ・少女M)※
- 1983-11(文)
- 1984-1(しのぶ)
- 1984-3(少女世界)
- 1984-5(藤本かをる)
- 1984-7(武見あゆみ・まりの・和貴)※
- 1984-8(少女物語)
- 1984-9(友美)
- 1984-10(夕子)
- 1984-11(ジョセリン・レイヤ・イポーネ・ミラ・ジャネット・ロスピミンダ・阿川美津子)※
- 1984-12(坂上明子)
- 1985-1(萩尾ゆかり)※
- 1985-2(ミッシェル・ジェニファー・エメルダ・ローナ)※
- 1985-3(美由起)
- 1985-4(まゆみ)
- 1985-5(京子)
- 1985-6(弓子)
- 1985-7(SとM)
- 1985-8(マリック・由樹)
- 1985-8-Jr(山下ひとみ)※
- 1985-9(貴子)
- 1985-10(ソフィ・優子)
- 1985-11(清美)
- 1985-12(美由紀・聖ミカ)※
- 1986-1(葉月・田口ゆかり)
- 1986-2(聖ミカ・片瀬典子)
- 1986-3(美奈)
- 1986-4(美由起・藤村真美)
- 1986-5(秋山舞・桜井町子)
- 1986-6(内田のぞみ)
- 1986-7(舞)
- 1986-8(真実)
- 1986-9(美貴)
- 1986-10(美緒)
- 1986-11(理香・小林恵子)
- 1986-12(美子)
- 1987-1(真紀)
- 1987-2(和美)
- 1987-3(里絵)
- 1987-4(彩美)
- 1987-5(五月なみ)
- 1987-6(なし)
- 1987-7(少女A・藤野姉妹)※
- 1987-8(亜里沙)
- 1987-9(なし)
- 1987-10(田中みどり)
- 1987-11(美穂由紀)
- 1987-12(なし)
- 1988-1(山添みづき)
- 1988-2(なし)
- 1988-3(なし)
- 1988-4(なし)
関連雑誌
[編集]- 写楽(小学館)
- Jam/HEAVEN(アリス出版)
- ウィークエンドスーパー(白夜書房)
- スーパー変態マガジン Billy(白夜書房)
- スーパー写真塾 (コアマガジン)
- 熱烈投稿(コアマガジン)
脚注
[編集]- ^ 天才アラーキー傘寿を語る<19>オレの80年代は末井昭がつくったようなもんなんだ! - 日刊ゲンダイDIGITAL・2020年12月18日
- ^ 『森山大道、写真を語る』(2009年、青弓社、ISBN 9784787272577)p86,p136-137
- ^ a b c 『昭和55年 写真生活』(2017年、ダイアプレス、ISBN 9784802302524)p110-111