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八戸らーめん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
冷やし八戸中華から転送)
八戸らーめん(いかめしや烹鱗)

八戸らーめん(はちのへらーめん)とは、青森県八戸市で食されるラーメンご当地ラーメン)。

概要

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初めて食べたのに、なぜか懐かしく感じる。心まで温かくなるらーめん。八戸らーめん。その構想は、東北新幹線八戸駅開業を機に、八戸商工会議所が打ち出したものである。その後、市内飲食店経営者が中心となって2002年9月に八戸らーめん会を設立。地元で長い歴史を持ち、親しまれているラーメンを「ご当地ラーメン」として復刻し、現在は市内外の飲食店で提供している。キャッチコピーは「懐かしの昔味」。なお、ロゴマークやキャッチコピーは八戸らーめん会の登録商標である。

八戸らーめんの特色

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スープには、親鶏ガラと長ネギニンニクなどの地元食材をふんだんに使い煮干でだしを取る。特製の醸造醤油で仕上げる味は、あっさりと煮干しの風味も漂い、どこか懐かしさを感じさせる。麺は手もみの細縮れ麺が特徴。トッピングはシンプルなチャーシューメンマ(シナチク)の組み合わせ。取り扱い飲食店では、特製の丼で提供されるのも特徴である。

上述したスープは、基本形として取り扱い飲食店で提供されているため、一定の味は担保されている。無論、取り扱い店により僅かに味の特色も異なるため、好みの店の八戸らーめんを探すのもまた一興である。

冷やし八戸中華

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八戸らーめんの販売開始5周年を記念して誕生した夏向けの商品。タレには青森県産りんご酢を使い、具材にチャーシュー・トマトキュウリもやし、麺にレタスワカメを盛りつけて会員飲食店や土産品で販売されていた。現在は販売していない。

八戸らーめんの開発・復刻

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八戸のラーメンの歴史は、1928年頃に遡る。

当時、東京で十数台のラーメン屋台を経営していた鄭克銓(ていこくせん)さんは、八戸市に移住して六日町に食堂”来々軒”を開店。鄭さんは、”支那そば”造りのために、中国(福建省)から陳さんを呼び寄せて細切りで手揉みの麺を造らせた。タレは、醸造醤油をベースに近海で獲れた煮干しをふんだんに使い、地鶏ガラと豚骨でダシを取っていた。

この絶妙な味は大変な話題を生み、客の行列は絶えることがなかった。戦後になると、陳さんや尻内町に住んでいた林さんの指導により八戸市内には、”来々軒”のほかに、”板橋”、”一心亭”、”千成”などの専門店や、”杉本”、”中村”、”外崎”、”中島”、”木村”、”松橋”、”阿部”等の製麺業者も次々と増えた。

しかし、80年代の全国的なラーメンブームで濃厚スープが台頭したことで、地元で昔から親しまれていたラーメンを提供する店舗は減少してきた。一方で、2000年代に入ると、ラーメンの多様化や健康志向も相まってあっさりとしたスープを求める気運も高まってきていた。

そして平成14年。東北新幹線八戸駅開業を機に、“懐かしの昔味"が”八戸らーめん”として復刻。[1]。開発当初は海鮮素材を使ったラーメンも想定されていたが、最終的には煮干だしのシンプルなスタイルで合意形成された。

なお、同時期に新横浜ラーメン博物館が企画し、佐野実がプロデュースした「八戸支那そば」があるが、内容が異なりあくまでも別ものである。

沿革

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  • 1923年(大正12年)頃 - 東京で十数台のラーメン屋台を経営していた中国人・鄭克銓(ていこくせん)が関東大震災で被災し八戸町十八日町に移住。
  • 1928年(昭和3年)- 鄭克銓が中国・福建省から陳という中国人を呼び寄せ、煮干・地鶏ガラ等を使った支那そばを開発、八戸町六日町に「来々軒」を開店。
  • 2002年(平成14年)9月2日 - 「八戸らーめん会」を発足。
  • 2003年(平成15年)11月 - 「八戸らーめん」の販売数が1年間で100万食を突破[2]
  • 2007年(平成19年)5月19日 - 「冷やし八戸中華」発売開始。

普及に向けての取組み

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八戸らーめんを普及させるため、2009年8月25日から、八戸市内の小中学校の給食で「冷やし八戸中華」が登場した[3][4]

取り扱い店

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八戸市内及び近隣町村のほか、東京都や宮城県、福島県の飲食店で食べることが出来る。

また、自宅でも楽しめるよう、土産品(5食入り、2食入り)も販売されている。

出典

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  1. ^ 「『八戸ラーメン』どう復活」2002年2月10日「東奥日報
  2. ^ 「発売開始1年100万食を突破」2003年11月11日「デーリー東北
  3. ^ 「八戸らーめん給食に」2009年8月21日「東奥日報」
  4. ^ 「冷やし八戸中華の給食人気/八戸・小中学校」2009年8月26日「デーリー東北」

関連項目

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外部リンク

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