刑法 (満洲国)
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刑法 | |
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原語名 | 刑法 |
通称・略称 | 満洲国刑法 |
国・地域 | 満洲国 |
形式 | 勅令 |
日付 | 1937年1月4日(康徳4年勅令第1号) |
効力 | 失効(国家消滅) |
種類 | 公法、刑事法 |
主な内容 | 主な犯罪の成立要件とそれに対する刑罰 |
刑法(けいほう)とは、犯罪とそれに対する刑罰を定めた満洲国の法令。
概要
[編集]満洲国建国直後は、暫定的に中華民国の刑法を用いてきたが、対日治外法権撤廃のためには、独自の刑法典制定が必要不可欠であった。
1934年(康徳元年)より準備を進め、1937年1月4日に公布された。
特徴としては、日本の刑法よりも重罰化し、中華民国の刑法に準じた量刑を採用していた。(下記「満中日の刑罰比較表」を参照)
構成
[編集]- 第1編 総則
- 第1章 法例
- 第2章 犯罪
- 第3章 未遂犯及予備犯
- 第4章 共犯
- 第5章 刑
- 第6章 累犯
- 第7章 競合犯
- 第8章 刑ノ適用
- 第9章 刑ノ執行猶予
- 第10章 仮釈放
- 第11章 刑ノ時効
- 第12章 刑ノ期間
- 第2編 分則
- 第1章 帝室ニ対スル罪
- 第2章 内乱ノ罪
- 第3章 背叛ノ罪
- 第4章 国交危害ノ罪
- 第5章 涜職ノ罪
- 第6章 公務妨害ノ罪
- 第7章 逃走及蔵匿ノ罪
- 第8章 偽証及証憑湮滅ノ罪
- 第9章 誣告ノ罪
- 第10章 公安危害ノ罪
- 第11章 危険物ニ関スル罪
- 第12章 放火及決水ノ罪
- 第13章 交通妨害ノ罪
- 第14章 飲料水汚毒ノ罪
- 第15章 通貨偽造ノ罪
- 第16章 有価証券偽造ノ罪
- 第17章 文書偽造ノ罪
- 第18章 印文偽造ノ罪
- 第19章 礼拝所及墳墓褻涜ノ罪
- 第20章 風紀ニ関スル罪
- 第21章 賭博ノ罪
- 第22章 殺人ノ罪
- 第23章 傷害及暴行ノ罪
- 第24章 堕胎ノ罪
- 第25章 遺棄ノ罪
- 第26章 逮捕及監禁ノ罪
- 第27章 略取及誘拐ノ罪
- 第28章 姦淫ノ罪
- 第29章 脅迫及強要ノ罪
- 第30章 住居侵入ノ罪
- 第31章 名誉毀損ノ罪
- 第32章 信用及業務妨害ノ罪
- 第33章 秘密侵害ノ罪
- 第34章 竊盜ノ罪
- 第35章 強盗及勒贖ノ罪
- 第36章 詐欺及恐嚇ノ罪
- 第37章 横領及背任ノ罪
- 第38章 贓物ニ関スル罪
- 第39章 損壊ノ罪
満中日の刑罰比較表
[編集]罪 | 満洲国 | 当時の中華民国 | 当時の日本 |
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殺人罪 | 死刑・無期徒刑・6年以上の有期徒刑 | 死刑・無期徒刑・10年以上の有期徒刑 | 死刑・無期懲役・3年以上の有期懲役 |
傷害罪 | 10年以下の有期徒刑・3000円以下の罰金 | 3年以下の有期徒刑(重傷の場合は3年以上10年以下の有期徒刑) | 10年以下の有期懲役、500円以下の罰金か科料 |
強姦罪 | 5年以上の有期徒刑 | 5年以上の有期徒刑 | 2年以上の有期懲役 |
強盗罪 | 5年以上の有期徒刑 | 3年以上10年以下の有期徒刑 | 5年以上の有期懲役 |
涜職罪 | 7年以下の有期徒刑 | 7年以下の有期徒刑 | 5年以下の有期懲役 |
公務執行妨害罪 | 10年以下の有期徒刑か禁錮刑・2000円以下の罰金 | 3年以下の有期徒刑・300元以下の罰金 | 3年以下の有期懲役 |
犯罪結社参与罪 | 10年以下の有期徒刑 | 3年以下の有期徒刑・500元以下の罰金 | なし |
参考文献
[編集]- 国務院法制処編『満洲国法令輯覧』満洲行政学会、1936年