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利用者‐会話:FranzJosephE-Rh!/sandbox

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学士会江戸垃因会
江戸ライン会の紋章
略称 ERTO
標語 ex oriente lux
前身 日本カトリック学士会
設立 1963年5月26日
設立者 篠田雄次郎
種類 学士会(独:Studentenverbindung
本部 日本東京都
公用語 ドイツ語、日本語
関連組織 独:Cartellverband der katholischen deutschen Studentenverbindungen (連盟)
ウェブサイト http://www.edo-rhenania.org
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日本の男子学生社交団体学士会江戸拉因会 (がくしかい えどらいんかい) (独:Akademische Vereinigung Edo-Rhenania zu Tokio)は、アジアで最も歴史のある学生組合組織である。江戸ライン会はCartellverband der katholischen deutschen Studentenverbindungen (連盟) の準会員である。また、オーストリアの学生組合連盟であるÖsterreichischer Cartellverbandから正式な友好関係を承認されている。[1]1994年にシリアでKÖStV Golania zu Arnéが設立[2][3]されるまで、江戸ライン会はアジア一帯で、また2014年に中国の上海でAFV Sino-Germania(北京上海)が設立[4]されるまでは東アジアで唯一の学生組合組織だった。学士会江戸ライン会は今もアジアで唯一連盟に名を連ねる男子学生社交団体である。

歴史[編集]

後に江戸ライン会の創立メンバーの一人となる篠田雄次郎博士は1951年にケルン男子学生社交団体である学士会ラインシュタインに入会する。当時、外国人が連盟の傘下にある男子学生社交団体に入会するといった前例はなく、連盟史上において画期的な出来事だった。[5][6]1963年に学士会ラインシュタインは下部組織として東京に江戸ライン会を設立し、篠田雄次郎博士が初代総裁に任命された。[7]江戸ライン会の創設には日本人とドイツ人が等しく関わり、1つの独立した男子学生社交団体として存在している。

学士会江戸ライン会は1964年に正式に連盟の準会員(独:assoziiertes Mitglied)と認められる。[8]準会員であるがゆえに江戸ライン会会員は連盟の立法議会である年次定期総会において投票権はない。一方、キリスト教の洗礼を受けていない生徒の入会を例外として認めている。日本人のキリスト教信者人口が国民の1%に満たない現状を踏まえ、この例外は江戸ライン会の成長における必然的な前提条件である。前途の制限と例外以外、江戸ライン会の連盟におけるステータスは他と変わらない。1974年にオーストリア連盟は江戸ライン会を親善関係にある学士会(独:Freundschaftsverbindung)として承認した。[9][10][11]

江戸ライン会は1963年の創立以来、日本人学生に対しドイツ語圏大学への交換留学を目的とした奨学金提供、会員のヨーロッパ旅行の主催、ドイツ語によるスピーチコンテスト企画など、様々な場面で日本とドイツ二国間の親善に力を注いでいる。

伝統と言語[編集]

江戸ライン会は所々で日本文化の影響を受けているものの、ドイツ学生組合組織の伝統を全般的に受け継ぐ。江戸ライン会ではコンメルス(独:Kommers) およびクナイぺ(独:Kneipe) - コンメルスより形式的ではない – など正式なイベントはドイツ語で進行されるが、来賓や準会員によるプレゼンテーションや略式の敬礼においては日本語が用いられる場合がある。中央ヨーロッパの男子学生社交団で通例であるドイツ語やラテン語の歌を江戸ライン会でも同様に用い、現在使用している歌集はドイツ一般式典手引書(独:Allgemeines Deutsches Kommersbuch)である。学会規則等の公式言語およびメンバー同士の書面でのやりとりにおいて日本語とドイツ語がほぼ同等に用いられる。特に若い会員の間ではドイツ語や日本語に加え英語でのコミュニケーションが交わされている。[12]

大半の学生組合組織同様、江戸ライン会会員はフックス(準会員)、正会員および先輩の3つに分類され、会員は高等教育を受けた男子に限定される。[12]フックス(米国男子学生社交団体の誓約参照)は仮会員扱いとなり、他の男子学生社交団体との公的なやりとりの中で江戸ライン会会員を名乗る事が出来ないなどの制限が付くが、正会員に比べ責任は少ない。通常、江戸ライン会入会式を終えた後2学期間フックスに属し、その間学士会の歴史、伝統および規則を学ぶ。この一年間の試用期間終了後、口頭試験を受け正会員となるにふさわしい知識およびスキルを取得したか判断される。合格すると晴れて正会員となり、その特権と責任を担う。正会員は江戸ライン会が主催するイベントのほとんどを企画し、民主主義のもと会を管理する。正会員の義務の中には資金の生成と割当、フックスの教育、組織の運営が含まれる。[13]正会員に昇進する口頭試験は何度でも受けることが出来る。また、学士会の卒業生は先輩に属する。正会員時代に比べると時間確保の問題もあり活動への参加は限られるが、学士会資金の大半は学生より豊富な財をもつ先輩から提供される。

学生組合組織の伝統として、フックスは学士会ライフを充実させるためのメンター的存在となるビア・ファーターを会員の中から一人選ぶ。中央ヨーロッパの男子学生社交団体では通常正会員の中からビア・ファーターを選ぶが、江戸ライン会では先輩の中から選ぶ習慣がある。[14]

名称とエンブレム[編集]

ツィルケル(独:Zirkel
江戸ライン会のエンブレム

江戸ライン会の名前は東京の旧称である江戸と学士会ラインシュタインが位置するドイツのライン川に由来している。学士会ラインシュタインは、江戸ライン会設立に際し中心的役割を果たし、以来両学士会は互いに協力し支援してきた。江戸ライン会の公式カラーはゴールド・黒・白。学士会の紋章や公式ユニフォーム、旗、全会員が身にまとうサッシュなど様々な用途で用いられる。ゴールドはライン川(ドイツ民俗伝承でライン川はゴールドの意味を含む)を象徴し学士会ラインシュタインを暗示させる。黒は3色のドイツ国旗の中の一つ、また白は日本国旗の中の2色の一つである。ゴールド・黒・白を合わせた江戸ライン会の公式カラーは学士会ラインシュタインと江戸ライン会によって築かれたドイツと日本の友好関係を象徴している。 また、フックスと正会員ではサッシュの色の組み合わせは同一であるものの配色が異なる。正会員のサッシュは上からゴールド、黒、白、ゴールドである。一方で、フックスのサッシュは上から白、黒、白、である。このように配色は異なるが、両タイプともに縁がゴールドの糸で縫われている。

ヨーロッパ男子学生社交団体では紋章に西洋甲冑の兜の柄があしらわれる事が多いが、江戸ライン会では日本武士のが用いられている。江戸ライン会の公式聖歌は日本語だが正会員会歌および盟約歌の最終節はドイツ語である。こうする事で複数の学生組合組織が集合した際の一斉に最終節を歌うという慣例に沿うことを可能とする。また、江戸ライン会歌はすべて日本語である。[15]

ラテン語のモットー「Ex oriente lux」は「光は東方より」の意。元来このフレーズがローマで使われた時代時点では単純に「太陽は東から昇る」という天文学上の事実を意味したが、時を経て、知恵と知識は東方からくるという解釈に変化していった。江戸ライン会は後者の解釈を取り入れモットーとしている。

また、ヨーロッパ男子学生社交団体では、ツィルケル(独:Zirkel)と呼ばれる印を用いる。無論、江戸ライン会も例外ではない。具体的に、この印には学生社交団体の名称に用いられているアルファベットを組み合わせ、感嘆符で締める。江戸ライン会の場合、E, R, h の3文字を用いている。

アルベルトゥスリング[編集]

1957年にオーストリアの学士会ダヌビア(ウィーン)、スイスの学士会トゥリツィア(チューリッヒ)、およびドイツの学士会ラインシュタイン(ケルン)によって国際学生交流の企画を目的とする学士会間の土台となるアルベルトゥスリングが設立される。[16]また、男子学生社交団体ではなかったが、江戸ライン会の前身である日本カトリック学生会が当時その設立メンバーと位置付けられている。そこで、本格的に機能する学生会となった1963年に、東京の江戸ライン会の名で前身の組織と同様のランクで会員となる。江戸ライン会、学士会ダヌビア、学士会トゥリツィアおよび学士会ラインシュタインの間では親密かつ活発な友好関係が今日も保たれている。学生組合組織会員以外では、フランス、ベルギーそしてポルトガルの学生がアルベルトゥスリングに所属している。[17]ケルンの学者であり司教である教会博士のアルベルトゥス・マグヌスにちなんでアルベルトゥスリングと名付けられた。アルベルトゥス・マグヌスに敬意を表し、江戸ライン会では毎年ミサおよびコンメルスが開催される。このイベントをアルベルトゥス祭と呼ぶ。

友好関係を結ぶ学士会[編集]

  • 学士会ラインシュタイン(ケルン)、独:AV Rheinstein zu Köln
  • 学士会ダヌビア(ウィーン)、独:KaV Danubia Wien-Korneuburg
  • 学士会トゥリシア(チューリッヒ)、独:AV Turicia Zürich

著名な会員[編集]

外部リンク[編集]

脚注[編集]

  1. ^ Gesellschaft für Studentengeschichte und studentisches Brauchtum e.V.: CV-Handbuch. 3. erweiterte Auflage. Regensburg 2000. S. 452-466
  2. ^ Golania zu Arne: Studentenverbindungen (G), Studentenverbindungen golania.gmxhome.de”. onlinestreet.de. 2018年2月26日閲覧。
  3. ^ Carolina, KÖL. “K.Ö.L. Carolina - Ö.K.St.V. Golania zu Arne”. www.koel-carolina.at. 2018年2月26日閲覧。
  4. ^ A.FV. Sino-Germania zu Peking et Shanghai – Founded September, 12th, 2015 in Beijing, Peoples Republic of China”. sino-germania.com. 2018年2月26日閲覧。
  5. ^ Home ホームページ - Lebensbilder 日独交流の群像 - Shinoda Yûjirô 篠田雄二郎 (1928-1992), 大学教授,文筆家”. www.das-japanische-gedaechtnis.de. 2018年2月26日閲覧。
  6. ^ Erfahre mehr über unsere Verbindung! - AV Rheinstein zu Köln im CV”. 2018年2月26日閲覧。
  7. ^ http://www.edo-rhenania.net/01.html
  8. ^ Gesellschaft für Studentengeschichte und studentisches Brauchtum e.V.: CV-Handbuch. 3. erweiterte Auflage. Regensburg 2000. S. 138
  9. ^ Befreundete Verbände”. www.oecv.at. 2018年2月26日閲覧。
  10. ^ Jacobs, Heiko. “cousin: Verbindungen ausserhalb von Europa”. www.cousin.de. 2018年2月26日閲覧。
  11. ^ Home - AV Edo-Rhenania zu Tokio”. Home - AV Edo-Rhenania zu Tokio. 2018年2月26日閲覧。
  12. ^ a b Home - AV Edo-Rhenania zu Tokio”. Home - AV Edo-Rhenania zu Tokio. 2018年2月26日閲覧。
  13. ^ Home - AV Edo-Rhenania zu Tokio”. Home - AV Edo-Rhenania zu Tokio. 2018年2月26日閲覧。
  14. ^ Home - AV Edo-Rhenania zu Tokio”. Home - AV Edo-Rhenania zu Tokio. 2018年2月26日閲覧。
  15. ^ AV Edo-Rhenania zu Tokio: エドレナニアドイツ学生歌集. Tokio. S. 18-19
  16. ^ "Sieben Nationen gründeten Albertusring" erschienen in "Das kleine Volksblatt" am 19. November 1957
  17. ^ Albertus Ring - KAV Danubia Wien-Korneuburg”. danubia.wien. 2018年2月26日閲覧。
  18. ^ www.austria-forum.org/af/AustriaWiki/Tomohito_von_Mikasa_%28Prinz%29
  19. ^ https://www.oecv.at/Biolex/Detail/13200254
  20. ^ https://www.oecv.at/Biolex/Detail/12500631
  21. ^ https://wikivisually.com/lang-de/wiki/Wolfgang_Schmitz_(Politiker,_1923)
  22. ^ https://www.revolvy.com/main/index.php?s=Peter%20Seiichi%20Cardinal%20Shirayanagi&item_type=topic
  23. ^ http://gds-web.de/nachr_2011.htm
  24. ^ https://www.gothia-wuerzburg.de/2014/05/fuxenfahrt-nach-trier/
  25. ^ Gesellschaft für Studentengeschichte und studentisches Brauchtum e.V.: CV-Handbuch. 3. erweiterte Auflage. Regensburg 2000. S. 589-590
  26. ^ http://www.edo-rhenania.net/%E8%A8%83%E5%A0%B1%E3%80%80Pater%20Luhmer%20Maerz%202011.pdf
  27. ^ „Vor 70 Jahren ging P. Klaus Luhmer SJ in die Mission“, Bistum aktuell, Kirchenzeitung Köln, 7. Juli 2007
  28. ^ https://www.oecv.at/News/Detail/1963