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利用者:おここいうゆ/翻訳作業/Mathematics

(Jack function -> ジャック関数)[編集]

en:Jack_function ジャック関数 ジャック多項式

数学において、ジャック関数とはジャック多項式の一般化で、 Henry Jack によって導入された。ジャック多項式シューア多項式Zonal polynomial を一般化した斉次対称な多項式で、さらに Heckman–Opdam 多項式とマクドナルド多項式に一般化することができる。

定義[編集]

分割 , パラメタ に対して、ジャック関数 は次のように再帰的に定義される:

のとき
のとき

ここで総和は歪分割 horizontal strip になるようなすべての分割についてとる。すなわち

( must be zero or otherwise ) and

ここで のとき , その他のときは である。ただし、 は分割 に共役な分割を表している。また、 は分割 に対応するヤング図形上のすべての箱 について積をとることを表す。


組み合わせ公式[編集]

1997年、F. Knop と S. Sahi [1] はジャック多項式 に対する次の組み合わせ公式を与えた:

.

総和は分割 のすべての admissible なヤング盤についてとり、また、 として である。

分割 admissible なヤング盤とは、 の数字をヤング図 の箱に埋めたもので、すべての箱 に対して

  • のとき
  • かつ のとき

を満たすもののことをいう。

ヤング盤 について、 かつ を満たすとき、箱 に対して critical であるという。

この結果はマクドナルド多項式における組み合わせ公式の特殊化であるといえる。

C 正規化[編集]

ジャック関数は対称多項式から成る空間において次のように内積を定めると直交基底を成す:

この直交性は正規化の影響を受けない。上のように定義された正規化は一般的に J 正規化と呼ばれる。また C 正規化は

と定義される。ここで

である。

を単に と書き、これはゾーン多項式 として知られている。

P 正規化[編集]

P 正規化は恒等式 によって与えられる。ただし、 で、 はヤング図の腕長と脚長をそれぞれ表している。よって、, のときは通常のシューア関数になる。

シューア多項式のときのときと同様に はヤング盤上についてとった和によって表される。ただし、 に依存した重みをヤング盤につける必要がある。

このようにして、ジャック関数 に対する公式 [2]

と与えられる。ただし、和は図形 に対応するヤング盤すべてに渡ってとり、T の箱 s の中身を表している。

重み は次のようにして定義される。 に対するヤング盤 T は分割の列 として解釈することができる。ここで盤 T 中にある i について は歪ヤング図形を定める。 すると

として となる。積は s が同じ行であるが異なる列であるような のすべての箱 s についてとる。

シューア多項式との関係[編集]

のとき、ジャック関数はシューア多項式のスカラー倍

になる。ここで

のすべてのフック長についての積である。

性質[編集]

もし分割の大きさが変数の数よりも多い場合はジャック関数は0をとる:

行列変数[編集]

特にランダム行列理論において、行列変数のジャック関数を使用する場合がある。関係は単純で、 を固有値 を持つ行列とすると

参考文献[編集]

  • Demmel, James; Koev, Plamen (2006), “Accurate and efficient evaluation of Schur and Jack functions”, Mathematics of Computation 75 (253): 223–239, doi:10.1090/S0025-5718-05-01780-1, MR2176397 .
  • Jack, Henry (1970–1971), “A class of symmetric polynomials with a parameter”, Proceedings of the Royal Society of Edinburgh, Section A. Mathematics 69: 1–18, MR0289462 .
  • Knop, Friedrich; Sahi, Siddhartha (19 March 1997), “A recursion and a combinatorial formula for Jack polynomials”, Inventiones Mathematicae 128 (1): 9–22, doi:10.1007/s002220050134 
  • Macdonald, I. G. (1995), Symmetric functions and Hall polynomials, Oxford Mathematical Monographs (2nd ed.), New York: Oxford University Press, ISBN 0-19-853489-2, MR1354144 
  • Stanley, Richard P. (1989), “Some combinatorial properties of Jack symmetric functions”, Advances in Mathematics 77 (1): 76–115, doi:10.1016/0001-8708(89)90015-7, MR1014073 .

外部リンク[編集]

  1. ^ Knop & Sahi 1997.
  2. ^ Macdonald 1995, pp. 379.