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戦火の馬
著者マイケル・モーパーゴ
原題War Horse
イギリス
言語英語
ジャンル戦争小説
出版社Kaye & Ward
出版日1982
出版形式ハードカバー&ペーパーバック
ISBN978-0-439-79664-4
OCLC70630557
前作The White Horse of Zennor: And Other Stories from below the Eagle's Nest
次作Farm Boy

戦火の馬』(英語: War Horse)はマイケル・モーパーゴによる児童小説である。1982年にグレート・ブリテンでKaye & Ward社から初めて出版された。これは第一次世界大戦でフランスに奉仕した軍隊に買われ、以前の飼い主の若いアルバートを安全に家に帰す努力といったジョーイという馬の経験を物語っている。それは2007年の賞を受賞した演劇『ウォー・ホース 〜戦火の馬〜 (舞台作品)』と、2011年に賞賛されたスティーブン・スピルバーグによる映画『戦火の馬』の改作の両方の基礎を形作った。

起源[編集]

デボンで馬と働く自作農階級であったことのある、イッデスリーの地元のパブで飲んでいたウルフレッド・エリスという第一次世界大戦の兵役経験者にあった後、モーパーゴは馬の立場を通して、大戦の世界的な困難の物語を考え始めたが、それができるか否か確信はなかった[1]。彼は他の村人の大戦で騎兵にいた経験のあるキャプテン・バジェットや、3人目の村人で馬を買いに村に軍隊がきたことを覚えているアルバート・ウィークスにも会った[2]。モーパーゴはこれら3人の男性らの本への献身に感謝をしている[3][4]

妻とともに、モーパーゴは市の子供たちが田舎の農園で一週間住み、働くFarms for City Childrenという慈善施設を立ち上げた[5]。2010年12月4日のBBC Radio 4Saturday LiveでのFi Gloverによるインタビューで、モーパーゴは本を書くことができると信じききっているということを物語った。モーパーゴによると、バーミンガムから来た吃音症の少年が馬に話しかけるところを見たのが執筆の大きなきっかけになったという[6]

馬のへーべとともに兵役軍人に会い、吃音症のビリーに会った後の本についてのもうひとつのひらめきは、モーパーゴの妻のクレアが残した古い油絵でした。「とてもぞっとさせ、不安にさせる絵で、壁にかけたいと思うものではなかった。その絵は馬が第一次世界大戦中に有刺鉄線に突撃しているのを表していた。それは私を苦しめた[7][8]。」その絵はF. W. Reedによるもので、1917年と日付けられ、英国騎士団が有刺鉄線をもつれさせている馬とともにドイツ前線に突撃しているのを表していた[9]。モーパーゴは本の始まりの「著者のノート」にこの絵の小説版を書いた。彼の絵では、額に白の十字がある鹿毛の馬が描かれ、その絵は伝説を生み出した。「ジョーイ。ジェームズ・ニコラス大尉画 1914年秋」:[3])

プロット[編集]

ある日、テッド・ナラコットという名の男が若い馬を買う。テッドの息子のアルバートは彼をジョーイと名付け、彼を大好きになり、テッドが酔っているときに彼を守り、ジョーイの世話をする。ナラコットたちといる間、ジョーイはゾーイという名の馬にも出会う。ゾーイはジョーイの名前のもとになったところもある馬であり、彼はジョーイの癒しの源となる。

すぐに、テッドはアルバートが止める前に金と引き換えにジョーイを軍隊へ売ってしまう。アルバートは軍隊に加わろうとしたが、彼はそれには若すぎる。アルバートは、ジョーイのために年齢が十分になったら軍に入るという約束をする。ジョーイはパーキンス伍長によって軍隊のために訓練され、ジェームズ・ニコラス大尉が彼の乗り手となり、歩兵部隊を率いる。ジェームズ・スチュワートに乗られていた馬のトップソーンとジョーイはすぐ友達になる。しかしながら、ドイツ軍に対する突撃の間、ニコラスは殺される。スチュワートはジョーイの乗り手に、より重いがとても優しい神経質な男であるウォレン騎兵を割り当てる。

他の突撃中、敵の前線までトップソーンとジョーイがウォレンとスチュワートを運んでいると、多くのうちの二匹だけ、ドイツ人によって捕まえられてしまう。彼らはジョーイとトップソーンを病院まで救急の馬車を引くのに使い、そこでは二匹の馬は多くの命を救い、有名になり尊敬される。ドイツ人たちは前線近くの農園で暮らすエミリーと彼女の祖父に、ジョーイとトップソーンを世話することを許す。エミリーはアルバートがジョーイを愛したようにジョーイとトップソーンが大好きになり、彼らのあらゆる傷を癒し、毎晩エサを与える。 その後、戦闘があったので、ドイツ軍は彼らの病院をどこかへ移した。そしてエミリーと彼女の祖父はジョーイとトップソーンを飼い続けることを許され、農場のために使う。トップソーンは耕すために育てられていなかったが、ナラコットの農場で経験のあるジョーイから素早く学んだ。

しかしながら、ドイツ軍砲兵が彼らの農場のすぐ近くを通り、彼らはジョーイとトップソーンを大砲引きをさせるために持ち去る。二頭の馬は、フリードリヒに出会い、彼は彼らと友達になり、出来る限りの世話をしようとする。彼はトップソーンのことが大好きになり、軍人になりたくないという話をしたりする。ジョーイとトップソーンは大砲引きのわずかな生き残りのうちの二頭である。ある日、ジョーイと水を飲んだ後、トップソーンは心不全により亡くなる。ドイツ軍につづいて連合軍が砲撃を開始し、フリードリヒは殺された。連合軍の戦車を初めて見た後、ジョーイは恐怖の中で走り、有刺鉄線で傷ついたが、なんとか逃げる。連合軍たちと中央同盟軍たちは無人緩衝地帯で、傷ついたジョーイを見てコインをはじき、連合軍が所有権を勝ち取る。しかし、彼らが離れる前の友好的で平和な数分間は両者の間に絆を生み、もし戦争がなかったら何が出来たのかと思いをめぐらせる。

連合軍の獣医による手当の間、ジョーイはアルバートに世話をしてもらうこととなる。アルバートは病院で働き、デイヴィッドという名の友人がいる。アルバートは外見や、アルバートの口笛に対する反応でジョーイが自分の昔の馬であることに気付く。アルバートはかつてのように再びジョーイの世話を始める。戦争の終わりごろ、デイヴィッドと獣医病院の二頭の馬が迷い弾によって殺され、デイヴィッドは父のようにアルバートの面倒を見ていたのでアルバートは憂鬱になってしまう。終戦のとき、サンダー軍曹と残りの軍人たちの抗議にも関わらずマーティン少佐はすべての馬を競りにに出すつもりだと発表する。競りの間、サンダー軍曹が肉屋に負けそうになったとき、年老いた男が肉屋よりもより高い値をつけ、その男というのはジョーイを探していたエミリーの祖父だと明らかになる。エミリーの祖父はアルバートにジョーイとトップソーンがどのように農場に来たのかということやエミリーがジョーイとトップソーンが農場から連れて行かれた後、生きる意志を失いたった15歳で亡くなったことを話す。エミリーの祖父は、「彼女が誰も読まない墓石の名前だけになる」ことのないよう、彼女について人々に話す代わりにジョーイを安い値でアルバートに売る。アルバートとジョーイはイギリスに戻る。そこで彼らは平和に暮らし、ジョーイはアルバートの彼女のメイジーに会う。

受賞歴[編集]

この本は1982年のウィットブレッド賞の二位に入選した[10]

派生作品[編集]

ニック・スタフォードによって舞台化された。戦火の馬という名の演劇はロンドンにあるロイヤル・ナショナル・シアター内のオリヴィエ・シアターで上演された。2007年10月17日に開演し批判家の賞賛を受けた。ハンドスプリング・パペット・カンパニーの実物大の馬の人形を使い、オリヴィエ賞Evening Standard Theatre AwardLondon Critics' Circle Theatre Awardでデザイン賞を受賞した[11]。2010年2月にニューヨークのブロードウェイでの上演が発表され、ドイツ語中国語に訳されたようにカナダオーストラリア南アフリカオランダそして日本でも見られた。この舞台は世界中で成功し続けた[12]

2010年5月に、スティーブン・スピルバーグリチャード・カーティスやリー・ホールの脚本とともに映画化することが発表された[13]ジェレミー・アーヴァインが主演となった。[14]。2010年6月17日に全ての出演者が発表された[15]。2011年12月25日に公開された[16]

2008年11月8日にBBCラジオ2でラジオ版が放送された[17]ティモシー・スポールがアルバート、ブレンダ・ブレッシンが母親ボブ・ホスキンスが雷軍曹の声優を担当した。BBCラジオ4エクストラで再び放送された。

その他[編集]

『戦火の馬』は戦争を扱う5つの児童文学のうちのひとつとして、2011年2月11日から10月30日まで続いていたロンドンの帝国戦争博物館の"Once Upon a Wartime – Classic War Stories for Children"というタイトルの特別展示で取り上げられた[18]。その展示は物語の歴史的背景を詳しく述べていて、モーパーゴの小説の下書きを含めて展示した[19]

1982年の初版では少数の言語にしか翻訳されなかった。スティーブン・スピルバーグによる映画化の思わぬ結果として、本の出版社に2011年後半の映画公開と同時に本の翻訳権の要求が殺到した[20]

本の序文にあるニコラス大尉によって描かれたジョーイの肖像画が今は村のホール(無名の村の)に飾られているというのはモーパーゴの作り話であった。しかし本の舞台版の大いなる成功以来たくさんの観光客がモーパーゴの住むイッデスリーを訪れ、村のホールで絵を見たいと頼んだ。2011年にモーパーゴはそこに飾るための油絵を描くよう画家に命じた。彼は馬の画家のアリ・バニスターを起用した。彼はスティーブン・スピルバーグの映画で馬のたてがみやメイクのチーフとして役目を果たし、また映画で見られるジョーイのスケッチを描いた[21]


National Army Museumで2011年10月に「War Horse: Fact & Fiction」があり、戦争に巻き込まれた馬たちや彼らに頼った男たちの実態に沿った小説の調査や小説の映画版や舞台について展示した[22]

続編[編集]

モーパーゴは1997年10月に発表されたFarm Boyという続編を書いた[23]

出典[編集]

  1. ^ “Once upon a life: Michael Morpurgo”. The Observer (London). (2010年7月11日). http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2010/jul/11/once-upon-life-michael-morpurgo-farms-city-children 2011年2月4日閲覧。 
  2. ^ Morpurgo, Michael. “How my War Horse won its spurs with Steven Spielberg”. Daily Mail (London). http://www.dailymail.co.uk/femail/article-1358428/How-War-Horse-won-spurs-Steven-Spielberg.html 2011年2月20日閲覧。 
  3. ^ a b WarHorse”. 2012年3月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。 Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  4. ^ Morpurgo, Michael (1 Jan 2014). First world war centenary is a year to honour the dead but not to glorify. The Guardian. http://www.theguardian.com/world/2014/jan/01/first-world-war-centenary-michael-morpurgo. 
  5. ^ "Undaunted Author of ‘War Horse’ Reflects on Unlikely Hit," New York Times (US). April 12, 2011, retrieved 2011-04-17.
  6. ^ Lyall (2011年4月12日). “Undaunted Author”. New York Times. http://www.nytimes.com/2011/04/12/books/michael-morpurgo-author-of-war-horse-an-unlikely-hit.html 
  7. ^ Brooke, Simon (2010年1月29日). “My perfect weekend: Michael Morpurgo”. The Daily Telegraph (London). http://www.telegraph.co.uk/news/celebritynews/my-perfect-weekend/7101863/My-perfect-weekend-Michael-Morpurgo.html 
  8. ^ Morpurgo, Michael (2007年10月13日). “War Horse: When Horses were heroes”. The Daily Telegraph (London). http://www.telegraph.co.uk/culture/theatre/drama/3668516/War-Horse-When-Horses-were-heroes.html 
  9. ^ http://www.thisislondon.co.uk/showbiz/article-23669235-morpurgo-war-horse-is-a-story-i-had-to-write.do
  10. ^ Lachno, James (2011年10月18日). “A history of War Horse”. Telegraph. http://www.telegraph.co.uk/culture/film/8834852/A-history-of-War-Horse.html 2016年7月10日閲覧。 
  11. ^ Handspring Puppet Company”. Handspring Puppet Company. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  12. ^ Malone, Toby; Jackman, Christopher J. (2016). Adapting War Horse: Cognition, the Spectator, and a Sense of Play. London: Palgrave Macmillan. pp. 79–97. ISBN 978-1-137-59474-7 
  13. ^ Spielberg to Direct WWI Movie 'War Horse'”. archive.is. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  14. ^ “Exclusive: War Horse Cast Announced”. Empire (magazine). (2010年6月17日). http://www.empireonline.com/news/story.asp?NID=28148 2010年6月17日閲覧. "taking the lead (or the reins) is young actor Jeremy Irvine, who has earned his stripes with both the National Youth Theatre and the RSC." 
  15. ^ Cast Revealed For Spielberg’s War Horse, Lead Role Goes Elsewhere”. The Film Stage (2010年6月17日). 2010年6月17日閲覧。
  16. ^ McClintock, Pamela (2010年10月13日). “DreamWorks' holiday 'War Horse'”. Variety (Los Angeles). http://www.variety.com/article/VR1118025632?refCatId=13 2011年2月27日閲覧。 
  17. ^ BBC Radio 2 - WarHorse”. BBC. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  18. ^ Imperial War Museum. “Once Upon a Wartime - Classic War Stories for Children”. 2010年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2013年4月17日閲覧。
  19. ^ Zoe. “How to explore war with children? Part 1”. playingbythebook.net. Template:Cite webの呼び出しエラー:引数 accessdate は必須です。
  20. ^ Taylor, Jerome (2010年6月19日). “Europe's finest join up for 'War Horse'”. The Independent (London). http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/films/news/europes-finest-join-up-for-war-horse-2004779.html 2011年2月27日閲覧。 
  21. ^ Butcher, Emily (2011年10月31日). “Morpurgo’s myth revealed”. National Army Museum. http://www.nam.ac.uk/microsites/war-horse/1192/blog/morpurgos-myth-revealed/ 2011年11月8日閲覧。 
  22. ^ War Horse: fact and fiction”. National Army Museum website. 2011年12月2日閲覧。
  23. ^ Farm Boy at Fantastic Fiction

外部リンク[編集]