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利用者:にょきにょき/sandbox

B&B日本東京都世田谷区北沢(下北沢)にある書店。「ビールが飲める書店」として紹介されることが多い[1][2][3]

オープンは2012年7月20日[3]博報堂ケトル嶋浩一郎とブックコーディネーターの内沼晋太郎によりオープンした[4][3]。B&Bという店名は「Book & Beer」の略であり、ビールが飲める書店である[5]。また、ビールだけでなくワインやソフトドリンクも提供している[3]。ドリンクの注文は必須というわけではなく、通常の新刊書店のように利用することも出来る[6]。年末年始および特別な場合を除き年中無休で営業しており[7]、毎日イベントを開催していることも特色である[8]。これらイベントやビール・家具の販売といったものは本を売るためのものであり、あくまで書店が本業である[9]。店内では書籍、ドリンク以外にも本棚やテーブルなどの家具[6]、文房具や雑貨なども販売している[3]。約30坪ほどの店舗で販売している書籍は約7千冊であり、B&Bという書店の特徴を分かりやすくするため点数を絞っているという[10]

Library of the Year2015において、町の小さな本屋さんのあり方、イベントを通じた地域コミュニティとの取り組みが評価され、優秀賞候補機関に選出されている[11]

B&Bオープンにあたって、内沼は減少しつつある、文化の中心地としての町の小さな書店に恩返ししたいと考えたとしている[12]

店舗の候補地として浅草も有力であったが、できる限り店舗に関わる時間を多くするため内沼や島の行動範囲内で不動産を探し、最終的に下北沢に決定した[13]

下北沢駅近くに所在するが、裏路地に面しており決して立地は良くない[2]

新刊書店というものは、良い棚を作れば売り上げは上がるが、棚作りに多くの時間を費やしても、それに見合った収入は得られない。また、本は他業種と違い再販制により定価が決まってしまうため、価格面での工夫をすることが出来ない。そのため利益を上げる方法として人件費の削減へとつながり、それが良い棚作りからは遠ざかってしまう[14]。B&Bでは書籍以外にもイベントなどで収入があるため、売れる本だけを選ぶことをせずに済み、選書に個性を出すことができるという。これがまた個性的な書店という評判を呼び、売り上げにつながっているという[15]。新刊書店はビジネスとして成立しづらく、B&Bのように30坪程度で新刊だけを扱う書店は経営が成り立たなくなってきている。これを書店経営と相乗効果のあるイベントなどを行うことで「これからの街の本屋」のあり方を示している[14]

B&Bでは店内の空間デザインをゆったりと整然としたものにしている。理由の一つとして挙げられるのが酒類を提供していることである。ジャズが流れるゆったりとした空間なら客も泥酔したり、吐いたりするまで飲まないだろうという考えからである[16]

B&Bではよく本屋や図書館で目にする手書きPOPを使用しておらず、代表の内沼は手書きPOPに否定的である。日々商品が変わる書店ではPOPなども現場に頼らざるを得ないのは認めつつも、デザインなどのディレクションや統一感といったものを重視すべきであり、「字がうまいから」といった理由で担当者が作るPOPは商売ではなく趣味的であると指摘する[17]

30坪と広くない敷地であるため、Amazonなど大手書店に品揃えでは勝てず、何かに特化した書店でもないため専門書店にも勝てない。そのため、売り場の棚を作る際に「世界の広がり」や「わくわく感」といったものを演出できるよう心がけているという[18]

  1. ^ 下北沢のビールの飲める本屋さん「B&B」”. 最前線. 星海社 (2012年8月8日). 2015年8月19日閲覧。
  2. ^ a b 山崎大祐 (2014年7月10日). “ビールが飲める本屋「B&B」大盛況の秘密”. 東洋経済オンライン. p. 1. 2015年8月19日閲覧。
  3. ^ a b c d e 生ビール片手に本が読める下北沢の本屋さん「B&B」”. Fashionsnap.com (2012年9月15日). 2015年8月19日閲覧。
  4. ^ 書店B&Bの経営は「毎日がマーケティング道場」である(ゲスト:嶋浩一郎さん)”. AdverTimes(アドタイ). p. 3 (2015年7月8日). 2015年8月19日閲覧。
  5. ^ 今、「まちの書店」が必要な理由 内沼晋太郎”. 朝日新聞デジタル (2014年9月29日). 2015年9月10日閲覧。
  6. ^ a b ABOUT”. 本屋 B&B. 2015年8月19日閲覧。
  7. ^ MAP”. 本屋 B&B. 2015年8月19日閲覧。
  8. ^ 青森でも、下北沢でも。話題の書店「B&B」内沼晋太郎さんに聞く、おもしろい場のつくり方、回し方”. greenz.jp (2015年4月18日). 2015年8月19日閲覧。
  9. ^ 内沼晋太郎 (2012年10月15日). “- 内沼晋太郎の本屋開業奮闘記”. WEB本の雑誌. 2015年8月19日閲覧。
  10. ^ 書店B&Bの経営は「毎日がマーケティング道場」である(ゲスト:嶋浩一郎さん)”. AdverTimes(アドタイ). p. 4 (2015年7月8日). 2015年8月19日閲覧。
  11. ^ Library of the Year 2015”. IRI:知的資源イニシアティブ. 2015年8月19日閲覧。
  12. ^ 内沼晋太郎 (2012年3月31日). “- 内沼晋太郎の本屋開業奮闘記”. WEB本の雑誌. 2015年8月19日閲覧。
  13. ^ 内沼晋太郎 (2012年5月5日). “- 内沼晋太郎の本屋開業奮闘記”. WEB本の雑誌. 2015年8月19日閲覧。
  14. ^ a b 『ライブラリー・リソース・ガイド』 第7号/2014年春号、アカデミック・リソース・ガイド、2014年、11頁。ISSN 2187-4115 
  15. ^ 山崎大祐 (2014年7月10日). “ビールが飲める本屋「B&B」大盛況の秘密”. 東洋経済オンライン. p. 3. 2015年8月19日閲覧。
  16. ^ 嶋田綾子 責任編集 編『ライブラリー・リソース・ガイド』 第5号/2013年秋号、アカデミック・リソース・ガイド、2013年、20頁。ISSN 2187-4115 
  17. ^ 嶋田綾子 責任編集 編『ライブラリー・リソース・ガイド』 第5号/2013年秋号、アカデミック・リソース・ガイド、2013年、24-25頁。ISSN 2187-4115 
  18. ^ 嶋田綾子 責任編集 編『ライブラリー・リソース・ガイド』 第5号/2013年秋号、アカデミック・リソース・ガイド、2013年、24頁。ISSN 2187-4115