利用者:やまのそら/sandbox
製作
[編集]背景と執筆
[編集]サム・ライミとブルース・キャンベルは幼いころからの友達であった[1]。2人は協力して低費用でいくつかの8ミリ映画を製作した[2]。 その中には「クロック・ワーク」(Clockwork)や「イッツ・マーダー」(It's Murder!)といったいくつかのコメディ映画もあった[3][4]。「イッツ・マーダー」のサスペンスシーンの撮影によってライミはホラージャンルの映像制作意欲が沸き、ドライブインシアターでのホラー映画調査を行った後に、ライミはホラー映画を手掛けることとなった。初めに製作者の関心を引くであろう短編映画を製作し、そしてそこで集まった資金を使って長編映画を制作することを考えた[4][5]。ライミが作った短編映画は「ウィズイン・ザ・ウッズ」(Within the Woods)と呼ばれた[6]。その作品は1,600ドルで製作されたが、長編映画である『死霊のはらわた』の製作には100,000ドル以上が必要であった[7]。
ライミは映画の製作費を作り出すため、友人の一人の弁護士を務めていたフィル・ギリーズに話を持ちかけた[7][8]。ライミはギリーズに「ウィズイン・ザ・ウッズ」を見せた。ギリーズはその短編映画に特別感銘を受けたわけではなかったが、ライミに『死霊のはらわた』を制作する上での法律的助言を与えた。ライミはギリーズからの助言を念頭に置きながら、様々な人から強く援助資金を請うた[7]。キャンベルは家族一人一人に頼みこみ、ライミは興味をもったと思った人に頼んだ[7]。最終的に、当初期待していたほどではなかったが、長編映画の制作に必要になる十分な資金を集めることができた[7]。
二人は映画製作に必要な資金を手に、ハワード・フィリップス・ラヴクラフトの小説の中でライミが面白いと思ったものから「死者の書」という仮のタイトルをつけ、制作を始めた[4][9]。その映画は高い制作費用を使い、短編映画である「ウィズイン・ザ・ウッズ」を長編映画に再映画化したものになると考えられていた。ライミは撮影の直前に20歳になり、彼はこの撮影計画を「通過儀礼」として考えた[10]。
制作準備と配役
[編集]映画『死霊のはらわた』の制作のためにライミはかつて共同で制作していた仲間や友人に援助を依頼した[10]。ライミはキャンベルを主人公であるアッシュ・ウィリアムズに配役した[11]。多くの役者を集めるため、ライミは「ザ・デトロイト・ニュース」に広告をつけた。それに応えた女優の一人であるベッツィー・ベイカーや、「ウィズイン・ザ・ウッズ」に出演していたエレン・サンドワイズも同様に配役した[10]。スタッフのほとんどがライミとキャンベルの友人や家族で成り立っていた。「ウィズイン・ザ・ウッズ」のメイクアップアドバイサーであるトム・サリバンは以前にライミと働くことに対しての前向きな反応をしていたため、特殊効果を制作するために連れてこられた。
キャストはロケーションスカウトの正式な協力なしに、自分自身でロケ地を探さなければならなかった。制作チームは初めにライミの故郷であるミシガン州ロイヤルオーク で撮影を進めようとしたが、テネシー州モーリスタウンでの撮影を選んだ。なぜなら、テネシー州は唯一ライミの映像制作に対する意気込みを示していたからであった。制作チームはすぐに他の建物から遠く離れた場所に位置する小屋を見つけた。 制作準備の時点で13人のメンバーがそこにとどまらなければならず、 同じ部屋で眠らなければいけなかった。メンバーの中で意見がぶつかってしまうこともあり、生活状況は厳しかった[12]。
スティーブ・フランケルは唯一の大工であったため、美術監督の単独貢献者になった[13]。 外観撮影のために電動丸のこを使っていくつかの精密な小道具を作らなければならなかったが、小屋のほとんどは制作中に発見された状態のまま使用された。小屋に配管設備はなく、電話の配線だけがつながっていた[12][14]。
編集
[編集]大規模な映画製作の過程の後、ライミには編集しなければならない「多量のフィルム映像」があった[15][16]。ライミはデトロイト編集協会を編集場所に選び、そこでエドナ・ポールに会った。ポールのアシスタントをしていたのはコーエン兄弟のジョエル・コーエンであり、彼は映像編集を手伝った[16][17]。 ポールは映画の大半を編集し、ジョエルは特に小屋での場面を編集した。ライミが制作した「ウィズイン・ザ・ウッズ」に触発されたジョエルは、投資者の関心を集めるための試作映画を制作する考えを気に入った[17][18]。ジョエルは弟のイーサンと協力して『ブラッド・シンプル』の制作を促進するためにこのコンセプトを利用した。そしてこの編集過程を通じてライミとジョエルは友人となった[9][18]。
最初の編集で117分に達するほどになったが、キャンベルはシナリオでは65分しかなかったことを考えると素晴らしい仕上がりだと思った。その後、より市場向きの85分に至るまで編集を進めた[16]。 ライミはブライアン・デ・パルマが映画『ミッドナイトクロス』の編集をジョン・トラボルタと共同で同じ音響施設で行っていることに触発された[16]。編集期間の中で最も複雑だった状況のひとつに、「死体が溶けていく」場面のストップモーションがあった。その編集には何時間もかかった[16]。映画にはスタッフによる広範囲にわたる録音を必要とする独特な音があった[16][19]。いくつかの音は制作期間中に正確に記録されず、編集室で再び録音しなければならなかった。死んだ鳥の肉を突き刺して切断された肉の音を再現し、またキャンベルは録音のためにマイクに向かって何時間も叫び続けた[16]。
「ウィズイン・ザ・ウッズ」と同様に『死霊のはらわた』は、映画館で上映されるために当時基準であった35mmまで引き延ばす必要があった[16]。しかし「ウィズイン・ザ・ウッズ」に比べて大きな費用があったため、その作業は比較的簡単なものだった[16]。
脚注
[編集]- ^ Winston Dixon (2010), p. 161
- ^ Campbell (2002), p. 65
- ^ Egan (2011), p. 16
- ^ a b c Campbell (2002), p. 66
- ^ Becker (2002), p. 64
- ^ Lamberson (2008), p. 84
- ^ a b c d e Campbell (2002), pp. 85–88
- ^ Konow (2012), pp. 412–413
- ^ a b AMC staff (2008年10月28日). “Ten Things You Might Not Know About the Evil Dead Trilogy”. Filmcritic.com. 2011年12月27日時点のオリジナルよりアーカイブ。2012年7月12日閲覧。
- ^ a b c Campbell (2002), p. 95
- ^ Kenneth Muir (2004), pp. 23–24
- ^ a b Campbell (2002), pp. 96–98
- ^ Campbell (2002), pp. 93–94
- ^ Egan (2011), p. 14
- ^ Konow (2012), pp. 419–422
- ^ a b c d e f g h i Campbell (2002), pp. 129–132
- ^ a b Eddie (2010), p. 15
- ^ a b Pooley (1987), p. 44
- ^ Egan (2011), p. 17