利用者:サトル・ニシナ/sandbox
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あらすじ
[編集]本作品は、HP・MP・レベル・魔法を含むスキルなどが、数値化されて確認できる異世界での物語である。
第一巻
[編集]魔法の存在する異世界。スランタニア王国は今、苦難の時代に置かれていた。国内で瘴気が濃くなり、魔物が大発生していたのである。
過去、このような時代には、魔を祓う力を持つ「聖女」が、国を救ってきた。数百年前の、聖女が現れなかったケースでは、儀式により聖女を召喚した。
今回、2度目の「聖女が現れない」という状況に、追い詰められた王と重臣たちは、やむなく伝説の儀式「聖女召喚の儀」を行う。
聖女召喚の儀は成功し、呼び出されたのが、日本の20代OL・小鳥遊聖と、女子高生・御園愛良であった。ところが、儀式を取り仕切っていた第一王子は愛良しか目に入らず、彼女だけを聖女として扱った。
勝手に召喚された上のこの扱いに聖は怒り、王宮を出てセイと名乗り、薬用植物研究所で働き始めた。ところが彼女は、(ステータスによれば)本物の聖女であり、その後間もなく「聖女の力」が(本人の意志に反して)発現し始めてしまう。
第二巻
[編集]セイは宮廷魔道師団長の「鑑定」を受けるが、鑑定魔法は失敗に終わる。彼女の方が師団長より「基礎レベル」が高かったためである。しかし師団長は、セイの魔力が常人とは質が違うことを確認し、彼女が聖女だと確信していた。
報告を受けた国王は、異世界召喚と王子の非礼をセイに詫び、恩賞として望まれた禁書の閲覧と、魔法・マナー・ダンス等の講習を認める。
召喚から九ヶ月あまり。西の森で、大規模な魔物討伐が行われる。セイはそれに、回復要員として参加するが、予想外のものに遭遇する。森の最深部に黒い沼のような瘴気の塊があり、そこから次々と魔物が生まれていたのだ。
相手の数の多さに、一旦引こうとする討伐部隊だが、魔物たちに気付かれてしまう。しかし、ホーク騎士団長が危機に陥った時、セイの中から金色の魔力が溢れ出す。それは魔物や瘴気の沼を呑み込むと、一瞬ですべてを消し去った。聖女だけが使えるという、伝説の広域浄化魔法であった。
ところが討伐での活躍が伝わっても、王国の第一王子はセイを聖女だと認めず、暴言を吐いて謹慎させられることになる。
登場人物
[編集]- セイ
- 主人公。「聖女召喚の儀」により、何の前触れもなくスランタニア王国に召喚された、日本のOL。本名は小鳥遊 聖(タカナシ セイ)。物語中ではただ「セイ」とのみ呼ばれる[注 1]。細身で、腰まで届くストレートロングの髪[1]。
- ステータスによれば本物の聖女[2]で、本人も早い段階でそのことは自覚している。しかし当人は、そのような面倒な役目を押し付けられるのは御免で、趣味のハーブ栽培を生かして王国の薬用植物研究所で働いている。
- ところが本物の聖女ゆえに、召喚時から強大すぎる魔力と「レベル無限大の」聖属性魔法を持ち、その力で、常人には不可能な出来事をいくつも起こすことになった。
- 一方で、過去男性と付き合った経験が無く、20歳を過ぎて恋愛にはまったくウブである[3]。日本にいた頃はワーカホリックの傾向があり、召喚時点では過労からひどくやつれていた。
- 召喚された際放置されたことで、第一王子に腹を立てており、そのことで未だにわだかまっている。
- アルベルト・ホーク
- スランタニア王国・第三騎士団団長。28歳。顔は美形だが186cm・87kgの大男で、その体格に見合う怪力の持ち主でもある。金髪にブルーグレーの瞳[4]。
- 生真面目な性格で[5]、騎士としての実力も超一流。冷たい印象を与える容姿と、氷属性の魔法[注 2]を得意とすることから、異名は「氷の騎士」。
- 大貴族・ホーク辺境伯家の三男だが、家柄と美貌に群がる女性ばかり見てきたため、女性不信の傾向があった[4]。しかし、魔物討伐時に負った瀕死の重傷をセイに救われて以来、彼の知るいかなる女性とも違う、セイに惹かれてゆく。
- ヨハン・ヴァルデック
- スランタニア王国・薬用植物研究所所長。28歳。180cm・73kg 茶色の髪に榛色の瞳。土属性魔法の使い手。
- セイの現在の上司。有力な伯爵家の次男で、顔も良いため貴族の令嬢や夫人に人気がある。しかし本人は貴族のドロドロした人間関係に辟易しており、結婚もせず貴族社会から遠ざかっている[6]。
- アルベルト・ホークとは少年時代からの親友で、会うたびに生真面目な彼をからかっている。
- ジュード
- 薬用植物研究所の研究員。20歳。178cm・70kg 深緑の髪と瞳[7]。平民出身では珍しく、水属性の魔法が使える。
- セイにとって、スランタニア王国で初めてできた友人。国内有数の大商人の五男で、端正な顔立ちに人好きのする性格と相まって、平民のみならず貴族の女性からも人気が高い。
- エアハルト・ホーク
- スランタニア王国・宮廷魔道師団・副師団長。アルベルト・ホークの次兄。クールで無表情。その風貌から、セイは内心「インテリ眼鏡様」と呼ぶ。
- 作中で、セイの能力には何度も驚愕させられる。王国の貴族の間では、女嫌いで有名。(弟と同じ理由)[4]
- アイラ
- 聖女召喚の儀でセイと一緒に召喚された、日本の女子高生。16歳。本名は御園 愛良(ミソノ アイラ)。ゆるくウェーブのかかった、肩にかかる程度の茶髪[8]。可憐な容姿の、いわゆる「ゆるふわ系女子」[9]。
- 異世界に召喚された心細さと、他に頼れる相手がいないことから、第2巻ラスト近くまで、第一王子カイルとその取り巻きたちに依存しきっていた[10]。セイについては、その頃まで、存在すら知らなかった。
- 裕福かつ過保護な家庭で育ったためか、自己主張が少ない[11]。魔法にかけては超一級の資質を持つが、それでもセイには遙かに及ばない。
- カイル・スランタニア
- スランタニア王国第一王子。15歳。赤金色の髪の美形。真面目で情に厚い反面、思い込みが激しく直情径行[12]。自分より優秀な弟の存在が大きなプレッシャーになっており、聖女召喚の儀を自ら取り仕切ったのもそのためである[13]。
- しかしその際、セイを放置した失態が、さらに大きなプレッシャーとなり[13]、アイラを聖女にしようと躍起になっている。
- ジークフリート・スランタニア
- スランタニア王国現国王。年齢不詳。カイルの容姿はこの父親譲りである。
- 親子の情よりも、多くの民を守るための政治的判断を優先させる。一方で息子の失態を気に病んでおり、セイに対し負い目を感じている。
- レイン・スランタニア
- スランタニア王国第二王子。14歳。容姿は父や兄によく似ている。兄より優秀と言われるが、本人は王座につく気は無い[13]。
- エリザベス・アシュレイ
- 通称「リズ」。スランタニア王国の侯爵令嬢。14歳。金髪・つり目がちの碧い目の美少女。王宮の図書室でセイと知り合い、友人となる。悩みをセイに相談することも多い。
- 実はカイルの婚約者(セイがそれを知るのは第2巻の半ば)で、「聖女に関するカイルの行動」を、快く思っていない[14]。
- ユーリ・ドレヴェス
- スランタニア王国・宮廷魔道師団・師団長。年齢不詳だが外見は20代。王国最高の魔道師で、国内で唯一「人物に対する鑑定」が可能[15]。聖女召喚の儀で無理をし過ぎた反動で、それから半年以上も意識不明であった。
用語
[編集]- スランタニア王国
- 物語の舞台となる、異世界の王国。中世ヨーロッパ風の国で、魔法が存在する。人口や立ち位置など、詳細は未だ語られていない。
- なお、この国の料理はレベルが低く、日本人の口には合わない。現在はセイの提供したレシピで改善されつつあるが、当初はあまりの不味さに、セイもアイラも意図せずダイエットできたほど[16]。
- 瘴気[17]
- いわゆる「悪しき陰の気」。スランタニア王国では、どこででも発生する。森や洞窟など、人の住まない暗い場所に溜まり易く、一定の濃度を超えると魔物を生み出し、害をなす。
- 瘴気が濃いほど発生する魔物も強くなるが、魔物を倒せば周辺の瘴気は薄くなるため、魔物を倒し続ければ害は防げる。
- しかし数世代に一度の割合で、魔物を倒す速度をはるかに超える勢いで、瘴気が濃くなることがある。そのような時代には、聖女となる乙女が現れて、国を救ってきた。
- 聖女[18]
- 過去、スランタニア王国で魔物が大量発生するたびに、魔を祓い、国を救ってきた乙女たちのこと。彼女たちはそれゆえ崇められ、「聖女」と呼ばれた。
- 彼女ら特有の、極めて強力な魔法を使うことができ、あっという間に魔物が消滅するとされる。ただそこにいるだけでも、周辺の瘴気を浄化するとされる。
- 王国に伝わる記録によれば、これまで一度に一人しか現れたことがない。しかし今回の「聖女召喚の儀」では、なぜか二人召喚されることになった。
- 聖女召喚の儀[19]
- はるか彼方から、聖女となる乙女を召喚する儀式。スランタニア王国で過去一度だけ有った、「どれだけ瘴気が濃くなろうとも聖女が現れなかった」時代に、当時の賢者たちが総力を結集して編み出したもの。
- 魔法としての難易度も非常に高く、必要な魔道師やアイテムも多く、通常なら行うこと自体困難で、かつ割に合わない。
- 薬用植物研究所
- スランタニア王国の、王宮の庭、その一角にある国立研究所。薬草栽培の研究と、薬草から製造されるポーションの研究開発を、主に行っている。セイの現在の職場。
- ステータス
- その人間の、能力や適性を表す数値。 職業らしきものも表示される。通常は、本人以外の者には見ることが出来ない。
- 聖属性魔法
- 「回復」や「浄化」、戦闘時の支援などを行う魔法[20]。歴代の聖女たちは皆、この魔法に長けていたとされる。セイは当初から、この魔法のスキルを「無限大」のレベルで保持していた[2]。
- 魔法付与[21]
- 宝石や鉱石などを素材に、様々な魔法の効果を付与すること。属性魔法のスキルがなければ行えず、付与できる効果も、行う者の能力次第。攻撃力や防御力を上げる、いわゆる支援系の効果を付与するには、聖属性魔法のスキルが必要。
- 魔法を付与した「核」は、武器や防具、装身具などに埋め込んで用いられる。核にいかなる効果が付与されているのかは、鑑定魔法を使わねば判明しない。
- 鑑定魔法[22]
- マジックアイテムなどのステータスを「見る」魔法。使える者が極端に少なく、宮廷魔道師団にも数人しかいない。
- その中でもさらにごく希であるが、「他人のステータス」を見られる者も存在する。ただしそれが可能なのは、鑑定する側の基礎レベルが、鑑定を受ける側に比べ、互角かより高い場合のみ[23]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ 単行本第1巻、口絵。および31ページの挿絵。
- ^ a b 単行本第1巻、45ページの図。
- ^ 単行本第1巻、154~163ページ。
- ^ a b c 小説家になろう:聖女の魔力は万能です:小話03 団長
- ^ 単行本第1巻、96ページ、10行目。
- ^ 小説家になろう:聖女の魔力は万能です:小話02 所長
- ^ 小説家になろう:聖女の魔力は万能です:小話01 ジュード
- ^ 単行本第2巻、135ページ挿絵右側。コミック版1-①話、5ページ目。
- ^ 単行本第1巻、12ページ。
- ^ 単行本第2巻、140~152ページ。
- ^ 単行本第2巻、133~140ページ。
- ^ 単行本第1巻、105ページ。第2巻、149ページ。
- ^ a b c 単行本第1巻、104ページ。
- ^ 単行本第2巻、144~150ページ。
- ^ 単行本第2巻、6ページ。
- ^ 単行本第1巻、61ページ、103ページ。
- ^ 単行本第1巻、9~10ページ、88~89ページ。
- ^ 単行本第1巻、9~10ページ、90~91ページ。
- ^ 単行本第1巻、9~14ページ、91~93ページ。
- ^ 単行本第1巻、181ページ。
- ^ 単行本第1巻、175~190ページ。
- ^ 単行本第1巻、175~176ページ。
- ^ 単行本第2巻、13~16ページ、42~43ページ。