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利用者:シャーロット金/sandbox2

     
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平射砲

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平射砲(へいしゃほう)とは、弾丸砲弾)が低伸弾道を描いて飛翔し目標を攻撃するの事である。曲射砲に対する種類。直射砲(直射砲)とも称す。 [1][2]

概要

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曲射砲に代表される、弾丸砲弾)が放物線軌道を描いて飛翔し目標を攻撃する、とは違い、平射砲は、弾丸砲弾)が低伸弾道を描いて飛翔し直接目標を攻撃する事が特徴である。第二次世界大戦頃までは、45度以下のを平射砲、それ以上のを曲射砲と称し、平射砲は 平射歩兵砲戦車砲対戦車砲などがこれに該当した。が、現在は、小型のロケット砲無反動砲ミサイルに代替されている。(戦車砲を除く)[3][4][5]


利点と欠点

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  • すべて文頭に曲射砲に比べが付く。[6]
利点 欠点
着弾までの時間が短い。 
動く目標も比較的狙いやすい。 
運用の手間や人員がか少ない。砲撃を行う人員さえいれば、弾道計算や観測員が必要ない。 
低伸弾道のため飛距離が短い。 
着弾時の威力が小さい。 
障害物の向こうにいる目標に攻撃不可能。

平射砲に分類される火砲

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日本における平射砲

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十一年式平射歩兵砲の参考になったプトー37mm歩兵砲
十一年式平射歩兵砲
十一年式曲射歩兵砲

第一次世界大戦は、機関銃、機関銃陣地が登場し、戦闘は塹壕戦へと変化した。陣地は後方の野砲重砲による砲撃で制圧したこともあったが、最終的に無力化するには陣地に砲弾を直撃させる必要があったため有効なものではなかった。そのため、歩兵が装備、運用するが必要となり、最前線から陣地を直接砲撃する軽火砲が生まれた。これが後の歩兵砲である。[7][8]

ヨーロッパにおける歩兵砲の登場、歩兵戦闘の変化を知った日本陸軍は、大正5年(1916年)6月28日付の陸秘第178号によって陸軍技術本部に「機関銃破壊砲」として、歩兵砲審査を進め、1917年には狙撃砲と名付けられ、シベリア出兵の際には第十二師団へ配備され、実戦に参加した。 [9]

その後、狙撃砲はフランスのプトー37mm歩兵砲を参考に改良が進められ、1920年11月に試作砲、大正11年(1922年)に十一年式平射歩兵砲及び十一年式曲射歩兵砲制式化された。 十一年式平射歩兵砲狙撃砲と同様に口径37ミリの小型砲で、車両や機関銃座に対する直接照準射撃を目的としており、高い命中精度と速射する能力が求められ、速射性向上のため、半自動式垂直鎖栓が採用された。半自動式垂直鎖栓は、砲弾装填後自動的に砲尾を閉鎖し、発射が行われると自動的に開放して排莢を行うもので、そのため装填手が砲弾を装填するだけで、砲手は次々と発射することが出来たのである。[10][11]

また、当初は、十一年式平射歩兵砲十二年式榴弾を使用していたが、後に九四式徹甲弾九四式榴弾、そして一三式榴弾を使用することになった。弾頭は、九四式三十七粍砲九四式三十七粍戦車砲九八式三十七粍戦車砲で使用された同徹甲弾、及び榴弾と同一で、戦車砲としても運用できた。しかし、十一年式平射歩兵砲は軽量化を優先したため全体的に耐久力が不足していた為、発射薬の量に制限があった。そのため、砲弾の初速が低下してしまい、装甲貫徹力も不十分であった。[12] 十一年式平射歩兵砲十一年式曲射歩兵砲の両歩兵砲は1931年に日本軍が中国東北部へ武力侵攻した際に使用され、上海では武力衝突の際、日本海軍陸戦隊が使用。その他、限定的とはいえ対戦車能力を有していたことから、八九式中戦車ルノーNC主砲として採用された事もある。

1932年の上海戦では、十一年式曲射歩兵砲とコンビを組み、歩兵支援をしているが、上海一帯はクリークとレンガ造りの民家が集中しており、陣地戦となったが、前進した平射歩兵砲が敵火点を地道につぶし、ようやく歩兵が前進できるという有り様だった。その後の日中戦争においても中国軍の戦車を海軍陸戦隊が撃破するなど、対陣地対戦車両用の万能砲として頼りにされた。これは、日本初の本格的対戦車砲である九四式三十七粍砲が制式採用されたのは1936年であり、当時、対戦車砲が存在していなかったためである。[13]

がしかし、戦車装甲が強化される様になると存在価値は無くなり、軽量化を優先した耐久力の不足によって、改良、強化の余地もほとんど無い状態だったが、十一年式平射歩兵砲は大量に生産され、九二式歩兵砲が現われた後も更新までに時間がかかり、1939年になっても装備している部隊が存在していた。また、十一年式平射歩兵砲を装備したまま太平洋戦争に突入した部隊存在し、約20年にわたり使用され続けたのである。[14]

その後の自衛隊においては上記のように、小型のロケット砲無反動砲ミサイルに代替されている。[15][16]

脚注

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出典

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  1. ^ 【軍事のツボ】北朝鮮の耳慣れぬ「曲射砲」
  2. ^ 三省堂 大辞【平射砲】
  3. ^ goo-平射砲
  4. ^ goo-平射
  5. ^ ① 直射射撃(POINT BLANK)
  6. ^ 『ミリタリー大百科‐大砲‐』ディスカバリーチャンネル
  7. ^ マクニール, ウィリアム 著、高橋均 訳『戦争の世界史』(初版)刀水書房。ISBN 978-4887082717 
  8. ^ 大砲と装甲の研究
  9. ^ 九四式37mm速射砲
  10. ^ 11年式平射歩兵砲
  11. ^ Weblio辞書十一年式平射歩兵砲
  12. ^ 徳田八郎衛 著 『間に合わなかった兵器』 光人社NF文庫 2001年発行
  13. ^ 『笑える世界の軍隊 (DIA COLLECTION)』ダイアプレス、2009年11月。ISBN 978-4-86214-365-5 
  14. ^ 【幻の兵器】この連載では例外!約20年にわたり使用され続けた「十一年式平射歩兵砲」
  15. ^ 防衛省
  16. ^ 荒木雅也他『陸上自衛隊の車両と装備』PANZER1月号臨時増刊/525号、アルゴノート社、2012年12月27日。 

関連項目

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外部リンク

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