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利用者:ナイフ

ピタゴラス数とはピタゴラスの定理(三平方の定理)を満たす直角三角形の3辺の長さが総て自然数となる組を指す。

3辺の長さの比が同じであれば相似である為、a, b, cの最大公約数が1の場合、既約ピタゴラス数、原子的ピタゴラス数、ピタゴラス数の原始解などと呼ぶ。 ここでのピタゴラス数は、明示していない限り、既約では無いピタゴラス数とします。

無限性[編集]

数々の数学者は、既約ピタゴラス数の無限性を示しています。

ピタゴラスの方法[編集]

ピタゴラスは、古代ギリシア数学者哲学者

奇数 において、
  • 既約ピタゴラス数のみを排出する。
  • 既約ピタゴラス数の総てを網羅してはいない。

プラトンの方法[編集]

プラトンは、古代ギリシア哲学者

自然数 において、
  • 既約ではないピタゴラス数も排出する。
  • 偶数 とすることで既約ピタゴラス数のみとなる。
  • 既約ピタゴラス数の総てを網羅してはいない。

ユークリッドの方法[編集]

ユークリッド古代ギリシア数学者天文学者とされているが、実在を疑う説もある。

自然数 において、
  • の偶奇が異なる。
  • は互いに素。
の条件を満たすとき、既約ピタゴラス数のみとなる。

一次結合による方法[編集]

を満たすピタゴラス数 において、

とし、行列の積を

とすると、

証明[編集]

の形にし、展開するだけです。

ピタゴラスの木[編集]

前述の一次結合による方法における

を親ピタゴラス数(Parents)、
を子ピタゴラス数(Children)、

と呼ぶことにする。

先の方法は親ピタゴラス数から3個の子ピタゴラス数を生み出す事で無限性を示したが、既約ピタゴラス数の総てを網羅しているかは証明はされていない。

証明[編集]

行列 逆行列に対し、右から子ピタゴラス数 を掛ける事で親ピタゴラス数を導き出せる。

便宜上、 は既約ピタゴラス数で、 は奇数、 は偶数と固定する。

なので、

とし、 が親ピタゴラス数、 の符号の付き方で第何列から生まれたかが判明する。

かつ なら、第一列
かつ なら、第二列
かつ なら、第三列

行列の積を展開すると、

斜辺である に着目すると、

両辺から を引く

は直角三角形である事から明白。

つまり、子ピタゴラス数の斜辺の長さは、親ピタゴラス数のそれより長い。 また5未満の斜辺を持つ既約ピタゴラス数は存在しない事から、 を除く任意の既約ピタゴラス数から親ピタゴラス数を導き出す操作を有限回繰り返す事で、 に帰着するのである。

つまり、いかなる既約ピタゴラス数も を根(root)とする三分木(Ternary Tree)上に存在する。

これをピタゴラスの木(Pythagorean Ternary Tree)と呼ぶ事にする。

また、 の親ピタゴラス数を計算すると、 となり、絶対値をつけない ピタゴラスの種(Pythagorean Seed)と呼ぶ事にする。

特徴[編集]

親ピタゴラス数 最大公約数 とすると、 となる。
つまり、親ピタゴラス数が既約ピタゴラス数であれば、その親から派生される子孫は総て既約ピタゴラス数である。
当然逆も真で、子ピタゴラス数が既約ピタゴラス数であれば、その子の親や先祖は総て既約ピタゴラス数である。
  • 位置の継承
既約ピタゴラス数を例にすると解りやすいが、親ピタゴラス数の斜辺以外の辺 を奇数、 を偶数と固定すると、子ピタゴラス数のも奇数、も偶数と固定される。
偶数、奇数は入れ換えても成り立ち、既約ではないピタゴラス数においても位置の継承はされている。
  • 対応した辺の長さは、親ピタゴラス数より子ピタゴラス数の方が長い。

ユークリッドの木[編集]

ユークリッドの方法も既約ピタゴラス数の総てを網羅している事から、ピタゴラスのをユークリッドの方法に当てはめる事が出来る。(全単射)

ユークリッドの(Euclidean Ternary Tree)もピタゴラスの同様にを根(root)とする三分木(Ternary Tree)であり、こののノードにあたる は偶奇が異なり、互いに素となる。

とし、行列の積

個数[編集]

斜辺の長さに上限 を定め、その上限以下の斜辺の長さを持つ既約ピタゴラス数の個数を と定義する。 座標平面上に、直角三角形の頂点 を原点 軸上に頂点 をあわせると、頂点 は、斜辺 を半径とする円周上に存在する。

なるピタゴラス数 と考えると、半径円内(ただし円周上は含む)に存在する既約ピタゴラス数の個数を考える。 但しピタゴラス数 は同じものとすると、

を別のものとすると、右辺を2倍するだけである。

予想[編集]

互いに素[編集]

ある自然数 以下の正の既約分数の個数を とすると、

ある一つの自然数が素数 を約数とする確率は、 の倍数であればよい。

同様に、ある二つの自然数が素数 を約数とする確率は、

逆に約数としない確率は全事象から引けば良いので、

つまり、ある二つの自然数が互いに素になる確率は、

これを示せればよく、ゼータ関数として知られており、

となる。 さて、ユークリッドの方法で既約ピタゴラス数だけを導く為には二つの条件がありました。

  • が互いに素。
互いに素が と解ったので、偶奇が異なるを付加する為、初項の を取り消す。
  • の偶奇が異なる。
二つの自然数は、(奇数,奇数)、(奇数,偶数)、(偶数,奇数)、(偶数,偶数)なので、偶奇が異なる確率は、 である。

さらに、斜辺の長さで制限したので、

  • 平面における、円の方程式 の第一象限 のみを考え、一辺の長さが の正方形の面積と、半径 、内角90度の扇形の面積の比率は、 であり、ピタゴラス数 を同値としたので、半分の である。

よって、

[1]