利用者:フェルナンド鍋島

ゲートイン![編集]

ゲートイン!
ジャンル 競馬漫画
漫画
作者 五渡木十辺
出版社 甘湯社
掲載誌 月刊漫画 頂
レーベル 頂点コミックス
発表期間 volume 1~
テンプレート - ノート

ゲートイン!』(Gate In!)は五渡木十辺による日本の漫画作品。甘湯社の『月刊漫画 頂』にて連載中。

概要[編集]

北海道にある小規模馬産農家の牧場を舞台とし、農家に育ち、やがて競走馬の生産に関わるようになった主人公と、周囲の人との人間模様や競馬との関係を描いた漫画である。

あらすじ[編集]

登場人物[編集]

須賀 匠(すが たくみ)
主人公。家は乳牛飼育を行う牧場を主にし、畑作も行っている。小学生の頃に母親を亡くす。幼い頃から家族や親戚の誰もが認めるほど、生来より動物に対して優れたコミュニケーション能力を持っていた。また、父と叔父が経営する須賀畜産の経営方針もあり、幼少期から経済動物以上の存在として家畜と慣れ親しんで育っている。このため、動物に対しては常人を凌駕する優れた観察眼を持っている一方で、感情的な思い入れがありすぎるが故に、しばしばその判断力を鈍らせることもある。久美の家の経営難が持ち上がった頃から、手伝いの形で馬産と関わるようになった。匠のことを先に意識するようになった久美とぶつかりながら絆を深めるうち、久美のことを女性として意識するようになった。女心に疎いながらも、周囲の支えもあり、やがて久美と相思相愛の関係となる。
姿 久美(すがた くみ)
主人公。家は競走馬生産を主に、畑作を兼業する農家をしている。運動神経にも優れ乗馬の腕は良い。幼少より競走馬に慣れ親しんでおり、人並み以上の相馬眼を持っている。自分よりも動物に対してコミュニケーションの上手な匠に対しては、馬産農家に育ったプライドもあって嫉妬する一方、その能力に関心させられることも多かった。実家の経営難に遭遇し、自身の成長と共に様々な経験を積むにつれ、匠の優しさや強さに触れ徐々に惹かれていく。
須賀 孝之助(すが こうのすけ) 
 匠の父。兄の信介と共に須賀畜産を営んでいる。次男坊という立場にいたため、高校卒業後は板前として東京や大阪などで修行をしていた。家畜に手を掛けて育てることを信条とする畜産家。経済効率重視の業界では変わり者とする向きもあるが、出荷する品物の質は業界屈指と言われるほどに高いことでその名を知られている。同業者からの指導依頼も多く、流通業界からは、いわゆる「須賀」ブランドを取り扱いたいという希望が引きも切らない。
須賀 信介(すが しんすけ)
 匠の伯父。孝之助より8歳上の兄。もともと須賀畜産は信介が継いでいたが、一時体調を崩し、同時期に北海道に戻ってきた孝之助に手伝って貰いつつ牧場を運営していた。その過程で孝之助の才覚を認めるようになり、現在は畜産における方針決定は弟の意志を尊重して共同運営を行っている。孝之助のサポート役に回ることが多いものの、考えがストイックな弟と周囲の人間のクッション役として無くてはならない存在である。 

ゲートイン!外伝・砂上の勝負師たち[編集]

ゲートイン!外伝・砂上の勝負師たち
ジャンル 競馬漫画
漫画
作者 五渡木十辺
出版社 甘湯社
掲載誌 月刊漫画 霊峰
レーベル 頂点コミックス
発表期間 volume 1~
テンプレート - ノート

概要[編集]

ゲートイン!のサブストーリーとして地方交流重賞を主な題材として扱った作品。女性ジョッキーである沖田砂羽を中心に据えつつ、本編よりも競馬シーンに重さを置いたストーリーが主に展開されている。サブストーリーながら、本編以上に登場人物や馬のキャラクター付けがなされているのも特徴である。

 登場人物 [編集]

白浜厩舎
沖田 砂羽(おきた さわ)
白浜厩舎所属3年目。競馬誌にグラビア特集を組まれる程の端正な顔とスタイルの良さで人気のある女性騎手。競馬サークル内のアイドル的立ち位置にあり、男性社会である競馬サークルの中では足を引っ張られると同時に厚遇を受けることも多い。これまで騎乗馬に恵まれているとは言い難く、本人は実力による評価を望み、人気先行と陰口を叩かれる現状に不満を抱いている。一方でアイドル的な扱いによる騎乗機会の獲得やメディアへの露出などの現実的なメリットも考えに入っており、親しい人以外に不満を漏らすことはない。厩舎所属時から調教を手がけ、主戦となったシオカゼノシラベで重賞初制覇を挙げ、その後、半妹トリプルスマイルでG1制覇をしている。歳の近い久美とは話が合い、匠とのことで悩む久美の相談相手もするなど、競馬サークルの中で数少ない友達の一人である。
白浜 比佐志(しらはま ひさし)
実績的には中堅どころの調教師。牝馬の育成に長けており、馬に当たりの少ない騎乗をする砂羽を買っている。人の輪を重視する温厚な人物で、馬主や騎手など人間関係の調整に走り回ることもしばしば。家族は妻、娘が二人に犬のポーロ。
諏訪 文雄(すわ ふみお)
厩務員。
東光厩舎
東光 昌平(とうこう しょうへい)
調教師。
大和田 裕太(おおわだ ゆうた)
厩務員
三芝厩舎
三芝 源蔵(みつしば げんぞう)
調教師
柏原厩舎
柏原 進(かしわばら すすむ)
調教師

 登場馬 [編集]

シオカゼノシラベ
中央・白浜厩舎所属。鹿毛、牝馬。生産は姿牧場で、久美は幼少時に「サブレ」と名前を付けていた。主な勝ち鞍はTCK女王杯、スパーキングレディーカップの重賞2勝。牝馬ながら帝王賞3着の実績もある。姿牧場の生産馬の中では抜けた能力を持つ片鱗を見せ、期待を集めていた。体質的な問題から、入厩後はベテラン厩務員の諏訪が担当となった。調教が進まず、出走と休養を繰り返していたこともあり、諏訪の提案と白浜の指示で、砂羽の育成も兼ねて調教も砂羽が付けている。年齢と共に体質が改善され、砂羽のお手馬として交流重賞を制するまでに成長する。
トリプルスマイル
中央・白浜厩舎所属。鹿毛、牝馬。シオカゼノシラベの半妹にあたる。生産は姿牧場だが、重賞馬の妹ということもあり、素質を買われ初期の育成段階から既に姿牧場を後にしていた。主な勝ち鞍は秋華賞、中山記念など。やや揉まれ弱いところがあるが、末脚の切れ味は世代トップクラスと評されている。デビュー時よりクラシック路線を期待され、陣営は一流ジョッキーを主戦に据えようとしたが、この方針が裏目となり新馬戦出走時から乗り替わりが続く状態となってしまった。桜花賞トライアル出走時に、業を煮やした白浜がオーナーと談判し、戦績次第という条件ではあるものの砂羽が騎乗することとなった。桜花賞は出走できなかったが、馬に当たりの少ない砂羽の騎乗スタイルと追い込み脚質への転換が功を奏し、オークスはトライアルで権利を得て出走が叶った。秋華賞にはトライアルのオープン競争を制して出走。重賞未勝利の実績や、前走をフロック視され二桁人気での出走であったが、京都内回りコースにもかかわらず最後方待機を迷い無く選択した砂羽の作戦や、4角で馬群が団子になるレース展開にも恵まれ、直線最後方から殿一気で全頭を差しきりG1を制覇した。
フィオルディリージ
中央・多賀谷厩舎所属。鹿毛、牝馬。無敗での牝馬三冠達成を懸けて秋華賞に出走した。道中で他馬の執拗なマークに遭う展開と、4角までばらけない馬群を捌くのに手間取り、直線で抜け出すも砂羽の騎乗したトリプルスマイルの大駆けに鼻差で敗れた。
ゼロワンギア
大井・東光厩舎所属。鹿毛、牡馬。中央競馬からの移籍組。主な勝ち鞍は日本テレビ盃など、重賞2勝。足元が丈夫で調教駆けもするため、晩成血統ながら早期の活躍を期待されていた。しかしデビューしてから結果は出ず、中央では実績を残せないまま地方へ転厩。移籍した後に本格化し、輸送を苦にせず距離の融通が利くため交流重賞の常連として活躍している。乾いた深いダートを得意とし、重馬場、不良馬場は苦手である。先行脚質で融通は利きにくいが、折り合いは付けやすくレースぶりは比較的安定している。追い出してみないと脚が持つか判然としない所もあり、体調や仕上がりが成績に直結せず、パドックでの出来はあまり当てにならない。中央所属時には砂羽も騎乗経験がある。
ウォーカーブー
川崎・三芝厩舎所属。芦毛、牡馬。中央競馬からの移籍組。主な勝ち鞍は全日本二歳優駿、ファルコンステークスなど重賞4勝。3歳春までにG1を含め重賞を2勝し将来を嘱望されたが、陣営の無理使いが祟り、調子を崩して馬が走る気を失い調教もまま成らなくなっていった。早熟馬と評され4歳夏には引退の話が持ち上がるも、話を聞きつけた名伯楽・三芝が馬主と交渉し、地方競馬へ転厩させた。移籍後は三芝の調教やレース選択が実を結び、交流重賞を2勝している。一瞬の加速を活かした短い直線での大外一気を得意とし、緩めのマイペースで折り合うと位置取り不問で差し脚を使う。一方で息の入らない展開や速いペースに巻き込まれると脆く、地元川崎では格下馬にあっさり敗れるなど、ムラが大きい。渋った馬場が得意で、芝、ダート問わず不良馬場には滅法強い。
ブレイクワークス
船橋・柏原厩舎所属。青鹿毛、牡馬。主な勝ち鞍はエルムステークス。中央入厩が決まりかけていたが、諸事情によりデビューは船橋からとなった。その後、中央に転厩し、再び船橋競馬に戻ってきた出戻り組。スピードのある快速馬だが臆病なところがあり、砂かぶりや叩き合いが苦手で乗り難しく、騎手を選ぶタイプの馬。スピードを生かして四角先頭から粘るとしぶとい。中央所属時には砂羽も騎乗経験があるが、馬群でもまれる展開となり大敗している。
シャマーウォーター
中央・赤羽→田中厩舎所属。鹿毛、牡馬。主な勝ち鞍は南部杯など重賞3勝。3歳春まではクラシック路線で走り、皐月賞とダービー出走歴もある。切れのある末脚を武器とするが、直線で左右によれる癖がある。4歳時に出走した南部杯ではその癖が引き金で、数頭を巻き込んだ落馬事故が起こり、レースでは一着入線も審議となった。審議では直接の加害馬とは認定されず着順は一着で確定したが周囲の不満は大きく、この時に他陣営との間に生まれた軋轢が、陣営の事後対応のまずさから更にエスカレートしてしまった。以後、地方勢の目の敵にされ、交流重賞で意趣返しを受けるようになる。結局、騒動を重く見て仲裁に入った大馬主にトレードされ、厩舎も転厩、事態は収束へと向かった。転厩後は交流重賞には出走せず、中央で芝、ダート両方のレースに出走した。騒動の代償として、他馬の走行を妨害しないよう後方待機や大外を中心にレースを運ぶ競馬を強いられ、南部杯以降は勝ち星を挙げられなかった。引退後は種牡馬登録されたが行き先が決まらず、個人経営の牧場に引き取られて種牡馬入りした。しかし牝馬がほとんど集まらないまま、牧場の倒産で所有者が変更となり、3年ほどで種牡馬登録を抹消。以後は消息不明となっている。
テイキサイサイオー
浦和・金子厩舎所属。栗毛、牡馬。主な勝ち鞍は鎌倉記念、ニューイヤーカップ(浦和)の他、全日本二歳優駿2着、京浜盃3着の実績がある。出生後、左耳の聴力が低いことが判明し処分寸前になるも、母馬のオーナーの計らいで育成に回され、競走馬としてデビューできた経緯がある。聴力の関係で左に寄って走りたがるため、右回りを苦手とし、左によれる癖がある。浦和1300、1400の2歳レコードホルダーとなるなど、早熟タイプで、浦和の2歳戦では無敵を誇り、その後は南関東クラシックにも出走している。4歳秋以降は勝ち鞍が無く4歳いっぱいで引退。気性が穏やかで、引退後は乗馬として有志の牧場に引き取られ余生を過ごしている。
センコーエンジン
船橋・宇津井厩舎所属。栗毛、牡馬。馬主の意向で中央競馬の小倉開催や北海道開催に遠征することも多い。デビューしてから怪我らしい怪我をしたことはなく、遠征や出走の繰り返しにあっても飼い食いの落ちないタフな馬で、同馬主の馬が海外遠征をする際には帯同馬にもなった。
ミツグスィニン
大井・池上厩舎所属。黒鹿毛、牡馬。かかり癖があり、テンの速さを活かして逃げる一本調子のレースが多い。パドックで馬っ気を出すことがあり、牡牝混合戦では他陣営から敬遠されている。
ワナビーマリベル
浦和・後藤厩舎所属。鹿毛、牝馬。主な勝ち鞍は浦和桜花賞。牝馬ながら優れた勝負根性としぶとい逃げ脚が特徴。牝馬限定交流重賞の常連で、砂羽もシオカゼノシラベに騎乗して対戦し、厳しいレースを強いられている。
オクピコマンド
大井・所沢厩舎所属。鹿毛、牡馬。主な勝ち鞍はブリーダーズゴールドカップなど重賞2勝。2歳時から500キロ強の体重があった巨漢馬で、仕上がりにやや時間がかかる。シャマーウォーターが出走した南部杯では、落馬事故のため進路を大幅に変更する不利を受けたが、2着に入線した。陣営は不利を受けたことを訴えたが着順は2着で確定となり、シャマーウォーター陣営からは謝罪どころか、逆に心ない非難を受け関係者は激怒した。その後、東京大賞典で再びシャマーウォーターと対戦。徹底マークを行い、シャマーウォーターが強引に外へ進路を確保して抜け出そうとした所を更にその外からかぶせ、馬体をぶつけて内に押し込めるレースをした。このレースでは3着入着を果たし、シャマーウォーターは6着入線するも、押し込められた時の進路取りが後続の進路妨害とされて降着処分を受け、16頭立て14着となった。
トニーザヤング
大井・葛川厩舎所属。鹿毛、牡馬。コーナー捌きが苦手で徐々に馬群から遅れるため、ゆったり走れるよう後方待機からの追い込みをスタイルとしている。差し脚は上のクラスでも通用するものがあるが、格上のレースになると、脚質的に追い込んでも前に届かないため勝ちきれず、成績は頭打ちとなっている。