利用者:メリース/試作/金山バイパス・美浜東バイパス
国道27号(略)
バイパス
[編集]金山バイパス・美浜東バイパス
[編集]金山バイバス(かなやまバイパス)および美浜東バイパス(みはまひがしバイパス)は、福井県敦賀市と同県三方郡美浜町を結ぶバイパス道路である。金山バイパスは敦賀市坂ノ下[注 1]から美浜町佐田に至り、延長は7.5 kmである。美浜東バイパスは美浜町佐田から同町佐柿に至り、延長は4.9 kmである。両バイパスは直結しており、現在福井県道225号敦賀美浜線などとなっている国道27号旧道区間の混雑緩和、舞鶴若狭自動車道若狭美浜インターチェンジへのアクセス強化、原子力災害時の避難支援を目的として一体的に整備された。1972年度に金山バイパスが、1991年度に美浜東バイパスが事業化された。2009年度に全線が2車線以上で開通し、2014年6月27日に4車線化が完了した。さらに同年7月20日には若狭美浜ICと接続した。
目的(金山・美浜東BP)
[編集]金山バイパス事業化当時の国道27号旧道(現在の福井県道敦賀美浜線)は交通量は容量を超過していた[注 2]。高速道路無料化社会実験の期間中、福井県・京都府境の断面交通量は増加し、舞鶴若狭道の未供用区間(当時)に並行する国道27号の交通量も増加していた[2]。金山バイパスが1993年度に暫定2車線で開通した後も依然として混雑し、美浜東バイパスとの接続地点が主な渋滞箇所となっていた[1][3]。美浜東バイパスの起点側が暫定2車線で開通した際には、国道27号の山上交差点で最長3,000 mの渋滞が発生し、通過に19分を要した[2]。
敦賀市や美浜町を訪れる観光入込客数は増加傾向にある。また、2009年における海水浴客は福井県全体の4割を占め、うち7割は県外からの来訪者である[1]。
両バイパスともに舞鶴若狭道若狭美浜ICへのアクセス道路となり、2010年10月12日に「鞠山南地区多目的国際ターミナル」が完成した敦賀港との相互アクセスが強化される[注 3]。2006年3月にはバイパス沿線に「敦賀市産業団地」が整備された[1][2]。
敦賀市と美浜町は関西電力美浜発電所の半径30 km圏内に位置し、福井県原子力防災計画に基づき、原子力災害時には県内外に避難することとされた。金山バイパスは住民の円滑な避難にも寄与すると期待される[3]。
整備(金山バイパス)
[編集]- 工区[1]
- 1工区:起点側0.7 km
- 2工区:中央1.4 km
- 3工区:終点側5.4 km
- 沿革[1]
- 1972年度:事業化
- 1974年7月:都市計画決定
- 1975年度:用地着手
- 1978年度:工事着手
- 1981年6月:2工区が暫定2車線で供用
- 1987年7月:1工区と2工区の一部(起点側1.2 km)が4車線化
- 1993年4月:暫定2車線で全線供用
- (2004年3月までに、起点側(敦賀市坂ノ下 - 金山)4.4 kmが4車線化)
- 2014年6月27日:終点側(敦賀市金山 - 美浜町佐田)の3.1 kmが4車線化され[4]、全線4車線完成
- 道路規格等[3]
- 起点:福井県敦賀市坂ノ下
- 終点:同県三方郡美浜町佐田
- 延長:7.5 km
- 道路区分:第3種第1級
- 設計速度:80 km/h
- 幅員:25.5 m(4車線)
- 計画交通量:22,500台/日
2013年度を基準とした事業の投資効果(検討期間50年)は、総費用898億円、総便益1,467億円であり、費用便益比は1.6と算出された[3]。
整備(美浜東バイパス)
[編集]- 工区[2]
- 佐田 - 若狭美浜IC(2.3 km)
- 若狭美浜IC - 美浜町道坂尻太田線(0.6 km)
- 町道坂尻太田線 - 佐柿(2.0 km)
- 沿革[2]
- 道路規格等[3]
- 起点:福井県三方郡美浜町佐田
- 終点:同町佐柿
- 延長:4.9 km
- 道路区分:佐田 - 若狭美浜ICは第3種第1級、若狭美浜IC - 佐柿は第3種第2級
- 設計速度:佐田 - 若狭美浜ICは80 km/h、若狭美浜IC - 佐柿は60 km/h
- 幅員:佐田 - 若狭美浜ICは24.5 m(4車線)、若狭美浜IC - 佐柿は14.5 m(2車線)
- 計画交通量:17,200台/日
2013年度を基準とした事業の投資効果(検討期間50年)は、総費用395億円、総便益490億円であり、費用便益比は1.2と算出された[3]。
コスト削減(金山・美浜東BP)
[編集]金山バイパスの終点側3.1 kmの4車線化整備に際し、トンネルにおける歩道幅員を2.0 mから1.5 mへ狭めた他、トンネルの水路に新工法である薄型円形水路を採用するなど、コスト削減を図った[1]。
美浜東バイパスは、軟弱地盤や破砕帯への対策のため23.2億円の増額が生じることとなった。これに対し、佐田トンネル上り線の断面縮小や長尺照明柱の採用、盛土工法の新技術採用などにより、コスト増額を最小限に抑えた[2]。
沈下対策
[編集]金山バイパスの通る敦賀市莇生野地区は軟弱な粘性土や砂質土が分布し、当地区の建設中のボックスカルバート[注 5]に沈下が見られた。復元対象の3箇所は最大1.2 mも沈下し、道路は通行できない状態となり、水路は機能を果たせなかった。沈下したボックスカルバートは、「パーマロック・JOG工法[注 6]」で復元された。同様のケースで従来採用されていた油圧ジャッキによる復元と比較して、工期と工費を削減でき、安全性も高いとされる[9]。
西舞鶴道路
[編集](略)
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ 「坂下」という表記も見られる。
- ^ 敦賀市野神における交通容量は10,500台/日、1972年の交通量は17,009台/日[1]。
- ^ 2012年3月における敦賀港到着貨物のうち、西日本方面へ運ばれるものは全体の約65%である[3]。
- ^ いずれも当時の仮称であり、近畿自動車道敦賀線は舞鶴若狭道、大飯ICは大飯高浜IC、美浜ICは若狭美浜ICに相当する。
- ^ 地中に埋設される箱型の暗渠のこと。道路、水路、通信線等の収容などの用途に使用される[7]。
- ^ パーマロック・ジャッキング・オブ・グラウト。グラウトとは地盤改良のための注入材のことであり、パーマロックは特殊シリカ系(恒久グラウト)のうち活性シリカをベースとしたものである[8]。
出典
[編集]- ^ a b c d e f g “資料No.6 国道27号 金山バイパス” (PDF). 国土交通省 近畿地方整備局 (2010年7月29日). 2019年6月3日閲覧。
- ^ a b c d e f “資料No.9 国道27号 美浜東バイパス” (PDF). 国土交通省 近畿地方整備局 (2010年11月1日). 2019年6月6日閲覧。
- ^ a b c d e f g “資料No.4 一般国道27号金山バイパス、一般国道27号美浜東バイパス” (PDF). 国土交通省 近畿地方整備局 (2013年10月3日). 2019年6月3日閲覧。
- ^ a b “国道27号金山・美浜東バイパス、4車線化きょう開通 福井”. 産経ニュース (2014年6月27日). 2019年6月3日閲覧。
- ^ “観光と通勤を支援する美浜東バイパス――備中戦乱の国吉城跡を仰ぐ国吉城トンネル貫通(建設グラフ2007年6月号)”. 自治タイムス社 (2007年6月). 2019年6月6日閲覧。
- ^ “舞鶴若狭自動車道 小浜IC~敦賀JCT間 開通1ヶ月後の整備効果についてお知らせします”. 国土交通省 近畿地方整備局 (2014年8月29日). 2019年6月6日閲覧。
- ^ “ボックス・カルバート”. Weblio 石油/天然ガス用語辞典. 2019年6月4日閲覧。
- ^ “恒久グラウト - 技術・工法詳細”. 日特建設. 2019年6月4日閲覧。
- ^ “恒久性グラウト注入による沈下構造物の復元” (PDF). 平成テクノス (2018年6月10日). 2019年6月3日閲覧。
関連項目
[編集](略)