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利用者:モフミ/sandbox2

保存活動

1990年代より注目され始めたグリーンツーリズムは新たな中山間地域対策、また環境保全型農業の一つとして積極的に推進され始めた[1]。 毛原地区では1996年、桜井一好が「ふるさと水と土保全モデル事業」を導入した。住民の土地への愛着を生かし、圃場整備が難しかった環境を逆手に取るような新たな試みであり、住民たちの田畑の基本的なところを残し、一定の機械化に繋がる整備を期待しての出発だった。 1997年春より「みんなで守ろう心のふるさと毛原の棚田」を合言葉に棚田を利用した交流事業「棚田農業体験ツアー」が始まり、翌年には「棚田オーナー制度」がスタート、事業は「ツアー」と「オーナー」の二本柱で定着した[2]

棚田農業体験ツアー 1997年、棚田で行われている稲作を他地域の人に知ってもらおうと、田植えと稲刈りの年2回開催される体験事業として住民を中心とした実行委員会を設立して開始。 最初の参加負担金は一口3万円、1.1ヘクタールの棚田にコシヒカリと酒米「五百万石」を栽培、秋には一口あたりコシヒカリ30kgと、日本酒「大鬼」を受け取った。また、参加者は地区の運動会にも招待された。参加者は京都市内を中心に大阪府、滋賀県などから集まった[3]。 2000年には、ツアー以外にも地元タウン誌が募集したグループや学生有志が田植えに参加するなど新たな展開を見せている。また、 参加者との交流の中で、地区住民の活気も生み出された。ツアーの様子は各種メディアでも取り上げられ、地区外で暮らす毛原出身者への現状を知ってもらうきっかけになってもいる[4]

棚田オーナー制度 1998年、棚田農業体験ツアーの盛り上がりに後押しされ始まった。「就農・交流型」オーナー制度に分類される[5]。年間を通じて水田の管理を行う[6]。 毎回10組ほど、1組5万円の会費で地元農家が指導し参加者自ら耕作する。地区の人々と様々なことを話し合い、懇親会も行っている。都市からの移住者獲得、関係人口の増加を目指し、すでに都市からの定住者も誕生している[7]

  1. ^ 古川彰、松田素二『観光と環境の社会学』堀江 洪、2003年8月25日、36頁。 
  2. ^ 古川彰、松田素二『観光と環境の社会学』堀江 洪、2003年8月25日、39頁。 
  3. ^ 古川彰、松田素二『観光と環境の社会学』堀江 洪、2003年8月25日、39頁。 
  4. ^ 古川彰、松田素二『観光と環境の社会学』堀江 洪、2003年8月25日、40頁。 
  5. ^ NPO法人棚田ネットワーク『全国棚田ガイド』高杉昇、2017年10月1日、148頁。 
  6. ^ 古川彰、松田素二『観光と環境の社会学』堀江 洪、2003年8月25日、39頁。 
  7. ^ 京都大学文学部地理学教室『福知山市2021年度実習旅行報告書』京都大学文学部地理学教室、2022年1月、98頁。