利用者:加藤勝憲/カルロス・モレノ (都市計画家)
カルロス・モレノ Carlos Moreno | |
---|---|
生誕 |
16 April 1959 コロンビア | (age 65)
国籍 | フランス系コロンビア人 |
主な業績 | 15分都市 |
主な受賞歴 |
Knight of The Order of the Legion of Honour (2010) Prospective Medal |French Academy of Architecture (2019) |
プロジェクト:人物伝 |
カルロス・モレノ(Carlos Moreno、1959年4月16日 - )はコロンビア系フランス人の都市計画家、研究者、科学者、ソルボンヌ大学教授[1][2][3]。
ETI講座「起業家精神-地域-イノベーション」を共同設立し、スマートシティや持続可能な都市に関する研究を行っている[4]。「15分都市」という概念の都市計画理論で知られている[5][6]。
コロンビア大学の都市外交研究所は、モレノを科学委員会のメンバーに任命[7][8]。
彼の業績は、フランス国内外の地方自治体や都市変革プログラムから高く評価されている。2010年にはフランス共和国からレジオン・ドヌール勲章シュヴァリエ章を[9][10]、2019年にはフランス建築アカデミーからフォーサイト・メダルを授与された[11]。
生い立ち
[編集]1959年、コロンビアのボヤカ県トゥンハの農村で農民の子として生まれた[12]。父親は読み書きができなかったが、モレノと7人の兄弟に教育を受けさせた[12]。その後、モレノと家族はカリ市に移り住み、モレノは公立学校に通い、最終的には奨学金を得てカリ市の大学に入学した[13]。
1975年、コロンビアでの学生時代、モレノは左翼運動M-19に参加した[14]。コロンビア軍がM-19と戦う中、モレノは1979年に20歳でフランスに亡命し、政治難民の資格を得た[15][16]。 モレノはパリで学び、1983年にパリ第11大学を卒業した[15]。
経歴
[編集]モレノは、1982年にパリ第11大学の教員研究員としてキャリアをスタートさせ、主にコンピュータとロボット工学の研究室に所属していた[17]。1990年、エヴリー・ヴァル・デソンヌ大学学に入学し、その後、ロボット工学を専門とする数学とコンピュータサイエンスのHDR(Habilitation à Directeur de Recherches)を取得した[18]。
1990年代、モレノは自動車組立産業向けのマルチコンピタンス生産システムの適応型ロボット化に取り組んだ[18]。1998年、モレノはLaMIのLaboratoire des Méthodes Informatiquesにシノビア社を設立した。同社はフランス政府系ファンドANVARから初期資金を受け、その後もビジネス・エンジェルや投資ファンドから投資を受けた[17][18]。
2000年までに、モレノは複合材料でできた航空機部品、特に主翼の焼成に適した自己適応型炉制御を設計した。2001年、モレノは「オープン・コンポーネント」の創設につながる、複数技術・複数サービスの都市資源共有プラットフォームを開発した。また同年、蒸気発生器の監視を中心とした原子炉の制御システムを設計した。これらのシステムは後にフランスの全原子力発電所に導入され、彼の「プラグ&ネット・オープン・コンポーネント」手法を使って国際的に統合された。その1年後、モレノは「プラグ&ネット設計」に基づくインテリジェントな街灯システムを発表した[17][18][19]。
2003年、エブリとジェノポールのバイオインフォマティクス研究所と共同で、モレノは遺伝子解析用ロボットの開発に携わった。その1年後、セベソ指令に基づき、マレノは「プラグ&ビュー」システムを発表した。その後、彼はまた「Alertbox」を開発した。Alertboxは、一般市民に危機警報を提供するために住宅用に設計された装置である[18][19]。
2010年から2015年にかけて、モレノはGDF SUEZのギー・ラクロワ副社長に「未来都市」プログラムに関する助言を行った。2006年にはカルノ研究所の設立に携わり、国立研究機関(ANR)、技術研究機関(IRT)および後にエネルギー転換研究所(ITÉ)となる卓越エネルギー研究所(IEED)の設立と監視に協力した[17][18]。
2010年、モレノはフランス政府のプログラム「Investissements d'Avenir」の戦略的オリエンテーション諮問委員会に加わった。また、複雑系としての都市を研究し、都市インフラに関連するデジタル・プラットフォームにも携わったた[17][18]。
2015年、モレノはパリ国連気候変動会議(COP21)で15分都市「Ville du quart d'heure」という言葉を生み出した[12]。モレノはパリ市長アンヌ・イダルゴの科学顧問となり、アンヌ・イダルゴはVille du quart d'heureのコンセプトを受け入れ、選挙キャンペーンと市長政策の重要な一部とした[1][2][3][13][16]。
2017年、モレノはパリ第1パンテオン=ソルボンヌ大学経営大学院に入学した[20]。都市と地域の変異に関する研究に重点を置く「起業家精神と地域イノベーション」講座(ETI)の共同創設者である。
2022年、モレノは「持続可能な近接性のグローバル・オブザーバトリー」を立ち上げた[4]。同年の国連ハビタットの『世界都市報告書』では、「15分都市」が注目すべき提言として取り上げられている[21]。
そのキャリアを通じて、モレノは数多くの政府委員会や公益活動に携わってきた。15分都市」に関するTEDxプレゼンテーションは150万ビューを超え、18ヶ国語に翻訳されている[22]。
受賞・受章・栄典
[編集]- 2010: Knight of the Order of the Legion of Honour[23][24]
- The Spanish private sector for sustainable mobility, grouped in the "Plataforma de Empresas Para La Movilidad Sostenible"[25] to Carlos Moreno for the 15-Minute City project.
- 2019: Foresight Medal by the French Academy of Architecture[26]
- 2021: Obel Award[27] for his contribution to 15 Minute City.
- 2021: Leadership Award Smart City Expo World Congress in Barcelona[28]
- 2022: European Congress of Local Governments Award, Poland[28]
- 2023: The 100 Most Influential Urbanists by Planetizen[28]
著作
[編集]書籍
[編集]- The 15-Minute City: The Urban Planning Concept to Building Sustainable Cities
- From the Global City to the 15 Minute City
出版物
[編集]- "Urban life and proximity at the time of Covid-19”, Editions de l’Observatoire (2020)
- "Droit de cité, de la ville-monde à la ville du quart d’heure”, Editions de l’Observatoire (2020)
脚注・参考文献
[編集]- ^ a b “Carlos Moreno : comment cette figure internationale de l’urbanisme est devenue la cible des complotistes”. L'Obs (April 14, 2023). 2024年4月17日閲覧。
- ^ a b https://www.latribune.fr/economie/carlos-moreno-la-ville-du-quart-d-heure-construit-la-proximite-heureuse-874376.html
- ^ a b “Carlos Moreno : "Nous n'allons pas tous vivre à la campagne"”. L'Express (November 10, 2021). 2024年4月17日閲覧。
- ^ a b “Carlos Moreno - City Diplomacy Lab” (July 11, 2023). 2024年4月17日閲覧。
- ^ Moreno, Carlos; Allam, Zaheer; Chabaud, Didier; Gall, Catherine; Pratlong, Florent (March 2021). “Introducing the "15-Minute City": Sustainability, Resilience and Place Identity in Future Post-Pandemic Cities” (英語). Smart Cities 4 (1): 93–111. doi:10.3390/smartcities4010006.
- ^ Willsher, Kim, "Paris mayor unveils '15-minute city' plan in re-election campaign", The Guardian, February 7, 2020
- ^ “Scientific Committee” (英語). Citydiplomacylab.net. 2022年3月14日閲覧。
- ^ “Carlos Moreno - City Diplomacy Lab” (July 11, 2023). 2024年4月17日閲覧。
- ^ “Section II – Risques et atouts sociétaux et sociaux: cohésion et pérennité | csfrs” (フランス語). Csfrs.fr. 2015年8月16日閲覧。
- ^ “Carlos Moreno — one man, many worlds” (fr,es,en). 2016年3月6日閲覧。
- ^ “Carlos Moreno”. Oslo Architecture Triennale. 2024年4月17日閲覧。
- ^ a b c Kucharek, Jan-Carlos (2021年12月16日). “Carlos Moreno: 15 minutes to save the world” (英語). www.ribaj.com. 2023年7月30日閲覧。
- ^ a b Kucharek, Jan-Carlos (2021年12月16日). “Carlos Moreno: 15 minutes to save the world” (英語). ribaj.com. 2023年7月30日閲覧。
- ^ Reid, Carlton. “15-Minute-City Conspiracy Theories Insane Says 15-Minute-City Creator” (英語). Forbes. 2023年4月13日閲覧。
- ^ a b Reid, Carlton. “15-Minute-City Conspiracy Theories Insane Says 15-Minute-City Creator” (英語). Forbes. 2023年4月13日閲覧。
- ^ a b “Global movement of 15-minute city by Prof. Carlos Moreno is the winner of OBEL Award 2021”. designcitylab. 2023年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e “Carlos Moreno” (英語). UIA World Congress of Architects. 2023年7月30日閲覧。
- ^ a b c d e f g Kucharek, Jan-Carlos (December 16, 2021). “Carlos Moreno: 15 minutes to save the world”. www.ribaj.com. 2024年4月18日閲覧。
- ^ a b Brain, Social. “Portrait || Carlos Moreno conseiller scientifique du Président de COFELY INEO”. 2024年4月18日閲覧。
- ^ “He Wanted to Unclog Cities. Now He’s ‘Public Enemy No. 1.’” (英語). (2023年3月28日) 2023年7月30日閲覧。
- ^ “World Cities Report 2022”. unhabitat.org. 2024年4月17日閲覧。
- ^ Moreno, Carlos (October 10, 2020). “The 15-minute city”. 2024年4月17日閲覧。
- ^ “Section II – Risques et atouts sociétaux et sociaux: cohésion et pérennité | csfrs” (フランス語). Csfrs.fr. 2015年8月16日閲覧。
- ^ “Carlos Moreno — one man, many worlds” (fr,es,en). 2016年3月6日閲覧。
- ^ “MEET THE PROJECT 'THE CITY OF 15 MINUTES' OF THE PARIS CITY COUNCIL, AWARDED IN THE II EDITION OF THE INTERNATIONAL MOBILITY AWARDS”. Movilidadsosteenible.com.esZaccess-date=2022-08-10 (19 July 2022). 2024年4月17日閲覧。
- ^ 引用エラー: 無効な
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」という名前の注釈に対するテキストが指定されていません - ^ “Winner 2021 – OBEL AWARD” (英語). Obelaward.org. 2021年10月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2021年10月7日閲覧。
- ^ a b c 引用エラー: 無効な
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