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利用者:小石川人晃/sandbox2

美ヶ原スカイライン(うつくしがはらスカイライン)は、長野県松本市美鈴湖から武石峠に至る林道美ヶ原線の一部区間[注釈 1]の愛称名である。広義には、林道美ヶ原線とその延長部分にあたる美ヶ原高原道路長野県道62号美ヶ原公園沖線)の総称としてもよばれている。

美ヶ原スカイライン(美ヶ原高原道路)

概要[編集]

長野県の美ヶ原高原の西側に位置する道路で、起点となる松本市街地の東郊外にある美鈴湖畔から林道美ヶ原線を登り、武石峠付近で長野県道62号美ヶ原公園沖線との合流点を終点とする延長約12キロメートル (km)の舗装林道の通称が「美ヶ原スカイライン」である[2]。さらに武石峠付近で長野県道62号と合流してから、美ヶ原の最高峰である王ヶ頭付近の美ヶ原自然公園保護センターまで道なりに続く長野県道62号の延長約5 km区間の道路を、通称「美ヶ原高原道路」とよんでいる[3][4]。広義の「美ヶ原スカイライン」は、林道美ヶ原線と長野県道62号(美ヶ原高原道路)の双方を合わせた約16 km区間を指す場合もある[5]。松本市街地から美ヶ原高原へのアクセスルートであり[6]、長野県を代表する山岳観光道路である「ビーナスライン」とならび、自然景観に優れた絶景の道路としても知られている[3][5]

本来、美ヶ原スカイライン・美ヶ原高原道路は、美ヶ原・王ヶ頭の山頂を挟んで東の反対側に位置するビーナスラインと接続される予定で、当初計画された観光有料道路「中信高原スカイライン」の一部として開通するはずであったが、美ヶ原の自然環境保護のため、美ヶ原台上・王ヶ頭間は工事途中で中止された経緯から、美ヶ原の頂上周辺付近で道路が行き止まりとなっている[7]。林道美ヶ原線はかつて有料道路として供用されていたが、ビーナスラインの無料開放に合わせて2002年4月20日より無料化されている。

道路の路線名[編集]

歴史[編集]

1960年(昭和35年)に中信高原スカイライン構想が含まれた「長野県観光開発5カ年計画」が長野県観光開発審議会で決定され、1962年(昭和37年)の「長野県長期経済計画」では、京浜地域から軽井沢を経て、蓼科、霧ヶ峰、美ヶ原、松本、上高地そして高山、中京地域へと繋がる幹線道路の一部として位置づけられていた[8]。この計画されたルートが有料道路ビーナスラインで、1964年(昭和39年)の八ヶ岳中信高原国定公園公園計画に「中信高原線」という路線名で位置づけられており、起点は松本市本郷三才山、終点は南佐久八千穂村八郡、主要経過地は美鈴湖、武石峠、美ヶ原、扉峠、霧ヶ峰、白樺湖、蓼科高原、池の平牧場とされた[8]。この経由地の美鈴湖 - 武石峠 - 美ヶ原の区間が、美ヶ原スカイライン(林道美ヶ原線・美ヶ原高原道路)にあたる。

路線状況[編集]

全線を通しておおむね2車線で、場所により幅員が狭くなったり、センターラインのないところもある[3][9]交通量は少なく、美ヶ原の絶景を楽しむことができる穴場的なドライブツーリングルートとしても知られている[2]。山頂の美ヶ原高原道路の区間は、急カーブや急勾配は少なく、見通しが良い区間が多いため走りやすい[3][9]。冬季閉鎖があり、11月下旬から翌年4月下旬までの期間は通行することができない[2]

地理[編集]

美ヶ原高原道路は、放送アンテナが樹立する王ヶ頭に向かって道路が伸びてゆく。

標高2000メートル級の溶岩台地である美ヶ原高原は、200種以上の高山植物が植生する大草原の地である[10]美鈴湖から稜線上までの林道美ヶ原線区間は、森の中の曲がりくねった道で、武石峠の手前で長野県道62号美ヶ原公園沖線と合流する。県道62号でもある稜線上を走る美ヶ原高原道路区間は、ゆったりとしたカーブとアップダウンがあるワインディングロードであり、森林限界を超えて開放的な視界のなか、美ヶ原の山頂のひとつで、多くの放送アンテナが建つ王ヶ頭に向かって道路が延びてゆく[5]。松本市街地と安曇野のパノラマや、北西側に初夏まで残雪が残る北アルプスの高峰群が眺望できるほか、さらに奥には御嶽山乗鞍岳も遠望できる[3][5][2]。春から夏にかけては、あたり一帯が緑の絨毯のような風景となり[2]、秋の早朝には雲海が見られる[10]。終点の行き止まりに、美ヶ原自然保護センターがあり、そこから標高2034メートルの王ヶ頭の山頂まで遊歩道で行くことができる[3][9]

通過する自治体[編集]

  • 長野県
    • 松本市 - 上田市(稜線上では、松本市と上田市の間を3回ほど行き来する。)

交差する道路[編集]

沿線[編集]

脚注[編集]

注釈[編集]

  1. ^ 林道美ヶ原線の全線は、浅間温泉 - 美鈴湖 - 武石峠の区間である[1]

出典[編集]

  1. ^ 林道規制情報”. 松本市ホームページ. 松本市. 2019年6月30日閲覧。
  2. ^ a b c d e 中村淳一編 2018, pp. 68–69.
  3. ^ a b c d e f 小川、栗栖、田宮 2016, p. 49.
  4. ^ 中村純一編 2018, pp. 68–69.
  5. ^ a b c d 佐々木、石野、伊藤 2015, p. 76.
  6. ^ 美ヶ原高原アクセス詳細”. 美ヶ原観光連盟公式サイト. 美ヶ原観光連盟. 2019年6月30日閲覧。
  7. ^ 佐々木、石野、伊藤 2015, pp. 21, 76.
  8. ^ a b 美ヶ原の歴史”. 美ヶ原観光連盟公式サイト. 美ヶ原観光連盟. 2019年6月30日閲覧。
  9. ^ a b c 中村純一編 2017, p. 49.
  10. ^ a b 須藤英一 2013, pp. 94–95.

参考文献[編集]

  • 小川秀夫、栗栖国安、田宮徹 著「美ヶ原スカイライン」、中村純一編 編『ニッポン絶景ロード100』枻出版社〈エイムック〉、2016年4月10日、48 - 49頁。ISBN 978-4-7779-3980-0 
  • 佐々木節、石野哲也、伊藤もずく 著「美ヶ原高原道路」、松井謙介編 編『絶景ドライブ100選[新装版]』学研パブリッシング〈GAKKEN MOOK〉、2015年9月30日、76頁。ISBN 978-4-05-610907-8 
  • 須藤英一「美ヶ原高原道路」『新・日本百名道』大泉書店、2013年4月24日、94 - 95頁。ISBN 978-4-278-04113-2 
  • 中村純一編 編「美ヶ原高原道路」『日本の絶景道100選』枻出版社〈エイムック〉、2017年4月10日、48 - 49頁。ISBN 978-4-7779-4572-6 
  • 中村淳一編 編「美ヶ原高原道路」『日本の絶景ロード100』枻出版社、2018年4月20日、68 - 69頁。ISBN 978-4-7779-5088-1 

関連項目[編集]

外部リンク[編集]