コンテンツにスキップ

利用者:小石川人晃/sandboxJ

〓(〓がけ)とは、野菜などの作物をつくるの上にトンネル形にフレームをかけ、寒冷紗ビニールフィルムをかけた農業用の施設のことである。見た目はビニールハウスを小さくしたような形をしている。害虫が入るのを予防したり、保温効果があるものなどがあり、有機栽培では重要な資材となっている。また、作物に〓を行った栽培法を「トンネル栽培」とよんでいる。

〓の種類には、寒冷紗、不織布、ビニールフィルムなどがある。寒冷紗とは目が細かいネット状の布のことで、雨水は通すが、強い光や風を遮る効果がある。そのため夏場の強い直射日光をやわらげたり、冬の寒さや害を防ぐことができる。網目が細かいことから、害虫がトンネルの中に入るのを防ぎ、卵を産み付けて植物の葉が食害を受けることを予防できる。不織布は薄いフェルト状の布で、水は通すが光や風を防ぎ、寒冷紗と同様な効果を得ることができる。

ビニールフィルムは、寒冷紗などよりも保温力が高く、の寒さ対策などで用いられる。ビニールフィルムに穴が開いているものは、換気や水やりの手間がかからないという利便性がある。穴がないものは保温効果が高いメリットがある一方で、環境に応じて時々換気などが必要である。

〓する方法は、樹脂製のトンネル用フレームを、畝の片側に約1.5メートルおきに地面に差し込み、フレームをトンネル状に曲げて畝の反対側にも端部を地面に差し込む。フレームを組み上げたら、その上に寒冷紗などの長尺シートを掛けて伸ばし、トンネルの形にする。仕上げになどでシートの周囲に土をのせ、めくれ上がらないように隙間なく押さえてピンと張る。また、フレームをトンネル状に組まずに、そのまま寒冷紗などを畝や作物に掛けて周囲を石や土をのせて押さえることを「ベタ掛け」という。ベタ掛けも保温、保湿効果、害虫・鳥害対策になる。種まき後にベタ掛けをしたら、本葉が出るころに〓にして掛け直すか、はずすようにする。葉野菜などの防寒対策の場合は、ゆるく掛けておくと霜害対策になる。

苗1株ごとにフレームを掛けてシートで押さえたものは「キャップ」とよばれ、同様の透明プラスチック製でドーム状の育苗資材は、「ボトルキャップ」「苗ドーム」などとよばれ市販されている。ボトルキャップは、〓と同様に保温や強風対策、鳥害対策になり、栽培する作物の株が少ないときに手軽に利用できる。

参考文献[編集]

  • 金子美登『有機・無農薬でできる野菜づくり大事典』成美堂出版、2012年4月1日、257頁。ISBN 978-4-415-30998-9 </ref>