利用者:或野 吟山/Nepheshel
Nepheshel(ネフェシエル)は、同人ゲーム製作サークル・Studio Til(スタジオ テイアイエル)により開発されたフリーゲーム。ジャンルはダンジョン探索型RPG。2002年6月3日配布開始。
概要
[編集]ゲーム内の世界の探索を主軸に据え、フリーシナリオどころかシナリオらしいイベントデモなどを極力排除したことで好評を得たRPG作品である。RPGツクール2000製。
ゲームの最終目標はあるものの、その達成手段が具体的には示されず、とりあえず入ることの出来るダンジョン内を隈無く巡り行動範囲を広げながら目標が何であるかを探るというゲームの流れになっている。このダンジョンが大変広い上、隠し部屋が多く、これらを一つずつチェックしながらアイテムを集めるのがこのゲームの魅力となっている。
なお、このとき入手できるアイテムの中には、このゲームの世界観を窺い知ることが出来る書物などもあり、イベントの少ないこのゲームでは貴重な情報となる。このゲームでは情報源が少ない上、それらの情報間に物語が進まないと気がつかないような意外な関係が多く仕込まれている。そのため、こうして少しずつ情報を集め、自分なりにこの世界の物語を構成して真実に肉薄していく楽しみもある。
あらすじ
[編集]「閉ざされた島」と呼ばれる小島に、過去の記憶の一切を失った状態で流れついた、リトと名乗る一人の少年。彼は、なぜか自分が持っていた書物より「漆黒の迷宮」の存在を知り、単身島内の探索を始めたのであった。
冒険の途中で出会う、3体の謎めいた女の魔神。そして、彼女たちと共に島の探索を進めるうちに、リトは自分の過去と運命に直面することになるのである・・・。
ゲームシステム
[編集]このゲームの進め方はまったく自由で、イベントなどによる縛り(いわゆる『お使いイベント』の類)は全くない(ゲームにイベントデモが少なく、その上このデモのほとんどがプレイヤーの行き先を指定・示唆するものではない)。そのため、プレイヤーは自発的に目標を決めながら、ゲーム内の世界を少しずつ探索していかねばならない。
バトルに関しては、RPGツクール2000のデフォルト戦闘のシステムをそのまま利用している。ただ、主人公のリトは一切の魔法や技を習得しないという点には注意せねばならない。このゲームに於いて、魔法や技を使えるプレイヤーキャラクターは主人公以外の3人のみなのである(魔法はファルとティララ、技はディーヴァのみが使用可能)。しかも、あるアイテムを入手するまではこの3人のうち1人しか同時に仲間に出来ないため、臨機応変に仲間を変更していく必要がある。
主要登場人物
[編集]プレイヤーキャラクター
[編集]- リト
- 主人公。名前はゲーム開始時に変更可能。
- 一切の記憶を失った状態で「閉ざされた島」に流れ着くことになる。
- ファル
- 龍の力を持つ水の女神。まだ幼く見える少女の姿をしており、よく「みゅう」と動物が鳴くように喋る。
- ティララ
- 回復魔法に長けた光の女神。
- ディーヴァ
- 闘神として剣術を究める闇の女神。
非プレイヤーキャラクター
[編集]- イリス
- 島に流れ着いたリトを介抱した、島の薬屋の娘。
- カーミラ
- 町から離れたところに家を構える女性。彼女の家では、アイテムと引き換えに強力な武器・防具などを手に入れることができる。
人物関係考察
[編集]注意:以降の記述には物語・作品・登場人物に関するネタバレが含まれます。免責事項もお読みください。
このゲームには、書物(図書館に元からあったり、ダンジョン等で入手し図書館に寄贈したりする)が全部で28冊ある。それらの内19冊には、仲間になる3人の魔神の過去や、主人公・リトの運命などが記されている。そこからは、リトと魔神たちが、過去に浅からぬ因縁をもっていたことを窺い知ることが出来る。
- リトとファルとの因縁
- この2人は、リトにとっては前世の、ファルにとっては遠い過去の話になるが、父娘の関係にあった。ファルの父親であった当時のリト(以下、単にリト)は、妻に先立たれ自身も病床についていた。孝行娘だったファルは、あるとき魔神の力を得る機会に恵まれ、万病の薬となる血を持つ龍の力を手に入れたのであった。
- しかし、娘の龍の血の力で病を完治したリトは、その娘の力を利用して巨万の富を築き、最早娘のことを金儲けの道具としか見なさなくなってしまったのである。それがいたたまれなくなったファルは、父の元から逃走しようとするが、父の率いる軍勢や多くのファルの力を欲する者たちによって追い詰められ、最終的に断崖から身を投げ自決してしまう。
- この自決は失敗した。龍の力により、ファルは不死身の体を得ていたからである。さらに、海に沈むファルの体内で龍の真の力が覚醒してしまい、その体は水を操る龍へと変貌を遂げた。その龍の力により発生した津波が、父を含めファルを追う者達全てを飲み込んでしまった。
- 最早行き場を失ったファルは、かつて自分に力を授けてくれた魔神に再度頼み込み、自らを壷の中に封じてもらう。そして、病気が治る前の父のような優しさを欲しながら、再び自分を愛してくれる者を待ち続けることになったのだった。
- リトとティララとの因縁
- リトとディーヴァとの因縁
以上で物語・作品・登場人物に関する核心部分の記述は終わりです。