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利用者:斉藤光悦/sandbox

さいとう こうえつ

斉藤 光悦
生誕 齊藤 光悦
1962年(昭和37年)5月29日
岩手県北上市和賀町
国籍 日本
職業 編集者、著述業、団体役員
活動期間 1988年~
著名な実績 埼玉文学賞(短歌)、埼玉県歌人会新人賞、埼玉文芸賞(短歌)佳作一席、長塚節文学賞・小説部門最終候補
代表作 歌集『群青の宙』(1992年、雁書館)、歌集『時のパースペクティブ』(2022年、六花書林)、アンソロジー『現代短歌の新しい風』(1995年、ながらみ書房)
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斉藤 光悦 (さいとう こうえつ、1962年5月29日ー)は、日本の歌人。歌誌「熾」編集長。本名は齊藤 光悦。

略歴

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斉藤 光悦 (さいとう こうえつ) 昭和37年(1962年)岩手県北上市和賀町生まれ、黒沢尻北高、明治大法学部卒。
昭和63年(1988年)加藤克巳主宰の短歌誌「個性」入会 、加藤克巳、佐藤信弘に師事 (1992年から終刊まで編集委員)。
平成4年(1992年) 第一歌集『群青の宙』(雁書館)出版、平成5年(1993年) 個性新人賞、平成7年(1995年) アンソロジー『現代短歌の新しい風』(ながらみ書房)参加、平成8年(1996年) 『足長象のスキップ』20首で埼玉文学賞(短歌部門)、平成10年(1998年) 鬼の川柳コンテスト第1席、同年 小説『DINKs』埼玉文学賞次席、平成11年(1999年) 小説「DINKsの夢」東北北海道文学賞最終候補、平成12年(2000年) 『DNAと記憶と死』50首で埼玉文芸賞佳作、平成16年(2004年) 
「個性」解散にともない沖ななも代表の「熾」に参加、平成22(2010年)年 小説『思い出に旅立つ私のために』(長塚節文学賞最終候補、『君に読まれるその日のために』に改題、2022年 第二歌集『時のパースペクティブ』(六花書林)出版、2023年 『時のパースペクティブ』にて埼玉文芸賞・佳作一席、同年 埼玉県歌人会新人賞を『時のパースペクティブ』にて受賞。

経歴

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・現代歌人協会 会員(2014年より)
・「熾」編集長(2018年より)
・草加市歌人会 代表(2019年より)
・埼玉県歌人会 理事(2023年より)
・現代歌人協会

著作

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『群青の宙』(平成4年(1992年)、第一歌集、雁書館)
『現代短歌の新しい風』アンソロジー(平成7年(1995年)ながらみ書房)
『時のパースペクティブ』(令和4年(2022年) 第二歌集、六花書林)
『うたびとたちの言の葉』(令和5年(2023年)歌人インタビュー集共著・編 熾の会 風心社)

代表歌

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『群青の宙』
俺の歌はいつか君の目にふれることを夢み顫(ふる)える感傷なのさ 
タクシーを右腕で呼び左手でYES・NOをさぐる君の指から
高層ビルのレッドランプの点滅とともにつぶやく さよなら、さよなら
シャボン玉のなか少年の僕がいる デカダンしようよ 夕明かりだ、ほら
真っ白な積乱雲に突き刺され天球は青い血を滴らす
君の中に生きていた俺も死んだのだ晩春の名古屋港の夕凪
あれからの生活はずっと平坦で時おり横向く車窓の自画像
サビシサが抽象から物質になり体外へ飛び出すような秋の風だ
冬の朝きらめく光にめまいして立ちつくしたり 存在って な に
銀杏木の 裸の枝の 切っ先に 貫かれた月。 うすっぺらな、丸
さみしさの球体となり夕空をふわふわと飛ぶ私であるか
太陽の周りをおよそ八十回まわって最後に君とさよなら

『時のパースペクティブ』
水晶体いま燃ゆるかと思うまで残照美《は》しきコロナ下の首都
照柿色《てりがき》に染みわたりゆく空の奥処《おくど》「アイーン」してるか喜劇王しむら
俺たちの会社と思いきたれどもいつしか俺を遠ざけにけり
嫉妬侮蔑こんな思いをするために棄ててきたのか和賀川《わがかわ》の野を
辛酸を知らぬ男の六十年あっちこっちと逃げ回り来ぬ
時間ってやつは非情だ 少年をひきずる俺を爺いにしやがる
わたくしは分子と言葉でできてます 食べて糞して泣いて笑って
モネの海〈印象・日の出〉あの舟の人影になり消え去りゆかな
目瞑ればセピアの街に茫々と『されどわれらが日々』の古書店
雪を見ず雪にさわれぬ冬にいれば おれがおれではないかのようだ
聖橋をかつぐ渓谷にホームは浮き檸檬《れもん》 橙《だいだい》の電車しきりなる
デカダンのおれの文学の根っこにある梶井基次郎『檸檬』爆弾
せめて一夜 六畳一間黒電話付きのアパート 貸してください
夕暮れのぼろアパートの外階段盗人《ぬすびと》のごと昇り降りこし
かたえに聞くみどりごの寝息想い出づ その君に食ってかかられおれば
過去の像幾重《いくえ》もかさね娘を見やる二十二年の像かぎりなし
発光する深夜の電話ボックスに入りたり過去へ連れ去られたく
考える葦であったか振り返れば 否 ふるえ哭くアジサイだろう
黄に染まるいちょう並木道妻と歩む 四十年って あっという間だ
このベンチのそこに差し込む木漏れ日のあの日のままに揺れれば泣かる
わが赤子はじめて抱きし日の蒼穹《そら》を今もさがしている朝《あした》あり
iPhone《アイフォン》より般若心経聴きてゆく 草加 北千住 人形町と
いっぽんの道が描かれた絵に向かう 時のパースペクティブ見ゆる思いに
手のひらにキミの雫を受けてみる樹木よ時はなぜ狂おしい
太陽の周りをおよそ八十回まわって最後に君とさよなら
やがて子を誕生せしむわが妻の漆黒の瞳《め》の強き光よ
六十センチほどの発熱体を抱けば とまどう、とまどう 「父」初心者は
父という生き物に吾を変わらしむ娘《こ》にかけられし魔法消ゆるな