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利用者:柳沢しげき/フランス語の日本語による表記

フランス語の日本語による表記

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一般に、自然言語における文法などの理論は、実際に使用されている用法を分析し、帰納的にまとめあげられたものです。これらの言語は、それぞれ閉じた系であり、一方の理論を他方の理論に当てはめようとしても無理があります。フランス語と日本語に関して、これら二つの系のインタフェースとも言えるフランス語の日本語による表記に関する指針を提案したいと思います。自然言語と同様、実際に普及し使用されている表記を分析し、帰納的に法則を導き出す手法をとります。唯一の表記を正しいとするのではなく、表記の許容範囲を定め、その範囲内であれば、どの表記も等しく正しいものとする考え方が必要でしょう。

長音表記

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Beaujolaisの日本語表記に関する議論(ノート:ボジョレー)では、フランス語には基本的に短音しか存在しないため、本来、長音「ー」の表記をすべきではないという意見がありました。しかしながら、現実にはフランス語の日本語による表記に長音が出てくることが少なくありません。 そこで、実際にフランスの地域圏フランスの地方行政区画に出てくる地名について調べました。これらの地名は、最も普及している表記、または、仏和辞典の表記が多くなっています。調査したところ、長音表記となる必要条件は、次の二つのいずれかであることが分かりました。

  1. フランス語における最終音節:フランス語では最終音節にアクセントがあり強く発音されるため、日本語話者には長音に聞こえる場合があります。
  2. フランス語における[o]または[u]を含む音節:フランス語の[o][u]は、日本語の「オ」「ウ」とは発音が異なります。これらの母音は、フランス語としてはアクセントがなくても、日本語の「オ」「ウ」に比べるとはっきりした音で、日本語話者にとっては長音に聞こえる場合があります。

いずれの場合も、フランス語と日本語で発音形態が異なるため、必ず短音または長音になるわけではありません。1対1の対応になると考えるのではなく、短音、長音のいずれにも対応し得る、と考えるべきでしょう。

そこで、長音表記に関して、次のような提案をします。

  1. 以下のいずれかの条件に当てはまる場合、日本語表記において長音を許容する。
    1. フランス語の単語における最終音節。
    2. フランス語の単語において、[o]または[u]の母音を含む音節。
  2. 長音の有無によって、優劣をつけることはせず、全て平等に正しい表記とする。
  3. 新規に記事を作成する場合の記事名は、許容される表記のうち、最も普及していると考えられる表記とする。
  4. 既に記事が存在する場合、その記事名が許容される表記であれば、記事名の変更は行わない。
  5. 許容される表記のうち、一般に普及していると考えられる表記は記事中に併記し、リダイレクトを作成する。

Beaujolaisの日本語表記を例にとると、最終音節と[o]を含む第一音節が長音になる可能性があり(第二音節の母音は[o]ではなく[ɔ])、「ボジョレ」「ボージョレ」「ボジョレー」「ボージョレー」の4通りが許容範囲となります。