コンテンツにスキップ

英文维基 | 中文维基 | 日文维基 | 草榴社区

利用者:段ボーリャ/sandbox

リア充(リアじゅう)は、現実(リアル)の生活が充実している人々のことを表すインターネットスラング[1][2]

定義・用例

[編集]

「リア充」という言葉の定義ははっきりしていない[3]

2012年に筑波大学の黒田卓哉と望月聡が国立大学の大学生287名 (うち男性146名、女性141名) を対象に行った調査では、「リア充」という言葉の定義については、調査対象が自らを「リア充」と認識しているかそうでないかに関わらず「異性関係が良好であること」という回答が最も多く、そに次に「対人関係良好」という回答が多いという結果になった[3]

また、メインで利用しているSNSによって、リアルに対する価値観や日常生活の充実度が異なる傾向があるとする意見もある。例えば、Twitterを主に利用するものにはマンガやアニメなどを好む、いわゆる「オタク」が多く、逆にInstagramを主に利用するものには充実した日常生活を写真などで共有する、いわゆる「リア充」が多いとするものなどである[4]

普及の程度

[編集]

2012年に筑波大学の黒田卓哉と望月聡が国立大学の大学生287名 (うち男性146名、女性141名) を対象に行った調査によれば、調査対象のうちの98.6%がこの言葉を認知しており、また、この言葉を使用する場については「現実の対人場面」が91.8%となり、それにTwitterが51.9%、mixiが16.0%と続く結果となった。両名はこの結果から、大学生においては「リア充」という言葉は、日常生活に十分浸透していると考察している[3]

当俗語の歴史

[編集]

当初は、インターネット上のコミュニティに入り浸る者が、現実生活が充実していないことを自虐的に表現するための対語的造語だった[5]。当時は「友達が1人でもいればリア充」とされた。その後、このニュアンスは、従来のネット文化に(触れずにいた事から)染まっていない、フィーチャーホンを介したネットの利用者たちが流入するにつれ、彼らの恋愛仕事の充実ぶりに対する妬みへと変化していった[5]

概念自体は2005年頃に2ちゃんねる大学生活板で成立[5]リアル充実組と呼ばれていたが、2006年初頭に今のリア充の形として使われ始めた。その後、2007年夏頃からブログtwitterでも流行した[5]未来検索ブラジルの主催するユーザ(2ちゃんねらー)投票企画「ネット流行語大賞」では2007年に21位となった[6]。2011年には女子中高生ケータイ流行語大賞の金賞に選ばれるまでに成長し、ギャル語として確固たる地位を獲得するに至った。

分析・調査

[編集]

日経BPの2007年時点の記事[5]では、アンサイクロペディアの「リア充」の項目に列挙されているリア充の条件から、いずれも携帯電話(2020年代でいうスマートフォン)さえ持っていればパソコンを必要としていないことを指摘し、そこから、ネットとは別にリアルの充実に価値を見いだす、ネットとリアルの住み分けが進んでいるのではないか、と分析していた。

メール転送サービス「CLUB BBQ」を提供する株式会社アイシェアは、2009年3月に同サービス利用者を対象に、「リア充」を含むインターネットスラングに関する意識調査を実施・発表した[7]。「リア充」の意味を分かると答えたのは436人中115人の26.4%、また「趣味仕事・人間関係など、実生活が充実しているのを『リア充』だとすると」[注釈 1]という前提で、自分を「リア充」だと思うかとの質問には、「かなり」「どちらかというと」を含めて436人中233人、53.4%が「リア充」であると答えた。「リア充」であると答えた層の方が、そうでない層よりインターネットを使用する時間が短めで、また睡眠時間が長い傾向にある、とアイシェアは分析している。

脚注

[編集]

注釈

[編集]
  1. ^ かぎ括弧内はアイシェア「ネットスラングランキング」より引用。

出典

[編集]
  1. ^ 『知恵蔵』「リア充」[1]
  2. ^ 『デジタル大辞泉』「リア充」[2]
  3. ^ a b c 黒田卓哉; 望月聡 (2012年9月11日). ““リア充”の使用実態とそこに込められた感情” (pdf). doi:10.4992/pacjpa.76.0_3AMB20. 2024年2月20日閲覧。
  4. ^ 木村絵里子 (2023年1月31日). “大学生のソーシャルメディア利用の規定要因:Twitter,Instagram,TikTokに着目して” (pdf). doi:10.24460/jamsmedia.102.0_21. 2024年2月20日閲覧。
  5. ^ a b c d e 佐藤信正 (2007年9月3日). “ネットと現実、どっちが楽しい? 「リア充」の先にある新しい友達関係 - 日経トレンディネット”. 日経BP社. 2007年10月31日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年3月26日閲覧。
  6. ^ ネット流行語大賞2007最終投票”. 2007年12月15日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年5月21日閲覧。
  7. ^ 「ぐぐる」「DQN」いくつ知ってる?ネットスラングランキング”. 株式会社アイシェア (2009年3月26日). 2009年3月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年7月28日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]