利用者:民宿/「風の谷のナウシカ」変革案

風の谷のナウシカ』(かぜのたにの-英語Nausicaä of the Valley of the Wind)は、徳間書店アニメ情報誌アニメージュ』に連載された宮崎駿漫画作品、および1984年に劇場公開された宮崎駿監督のアニメ映画作品、及び同映画のイメージソングの曲名である。

概要[編集]

略。

あらすじ[編集]

どうまとめたらよいのか分からないので検討をあきらめました。

他の節は略しています[編集]

諸設定[編集]

(原)は原作に登場,(映)は映画版に登場 を意味する。

年代設定[編集]

極限まで科学技術の発展した人類社会が、「火の7日間」と呼ばれる最終戦争によって滅びてから千年余りが経過した未来の地球が舞台となる。人々の生活様式は、最終戦争以前(旧世界)の高度産業文明の産物を発掘し利用しつつも、基本的に中世から近世にかけての水準にまで退行している。

「火の7日間」の後に拡がった「腐海」が陸地の大部分を覆っており、人間は沿岸の腐海がぎりぎり及ばない地域を中心に暮らしている。風の谷は豊かな森や水源、田畑が残っているが、それ以外の土地は不毛な荒地が多い。また、海は「この星の汚染物質が最後にたどり着くところ」とされ、生物が生息できる環境ではなくなっているらしい。

技術[編集]

旧世界の高度な文明が滅んで久しい物語の時代では、多くの科学技術が失われている。現代のような電子機器はもちろん電気水道などは使われていない(火炎放射器が登場することから化石燃料ガスを作り出すことはできるらしい)。乗り物は旧世界の技術の名残りである高性能な船(飛行機)が盛んに利用されているが、陸上ではトリウマなどの動物を利用する程度の移動手段しか残っていない。ただし、映画版ではトルメキアが戦車を保有している。電話無線等の通信技術も同様に失われており、船上では信号旗モールス信号のようなもの、伝声管を使ってコミュニケーションをとっている。旧世界の名残でセラミックが一般的な素材として、金属のように刃物や機体に使われている(余談だが、『ナウシカ』製作当時はセラミックが最先端の素材として話題になっていたため、これが影響していると思われる)。

風の谷[編集]

主人公ナウシカの故郷である辺境の小国。人口は500人程度。

海から吹き付ける風を動力として活用しながら、中世レベルの農業と採取活動により成り立っている。また、潮風により腐海の胞子から守られているが、わずかに届く腐海の毒は人々を確実に蝕んでおり、死産四肢硬化を引き起こしている。

族長の住む城の大風車で地下500メルテ(作中における長さの単位)から水を汲み上げ、それを貯水池にいったん引いて寝かせてから沸かして飲料用・農業用に用いている。

付近の砂漠(映画版では山の向こうにある酸の海湖畔)には旧世界の廃船があり、風の谷の人々が篭城するために使っていた。クロトワが「月まで行っていた」と述べていたことから月との星間連絡用の宇宙船だったと思われる。漫画版では船の周りにセラミックを切り出すだめの鉱山町が造られた。

漫画版では、自治権の保証と引き替えに、族長が招集に応じてガンシップで参戦するという盟約をトルメキアと結んでいる。

ナウシカ(原,映)
風の谷の姫。大気の流れを読み腐海の毒から人々を守り導く「風使い」の少女。16歳[1]。漫画では、王蟲やさまざまな虫の心の声を聞くことになる。ギリシャ神話やオデュッセイアに登場する王女ナウシカアがモデルである。
ジル(原,映)
風の谷の族長でナウシカの父。身体を腐海の毒に侵されており、ナウシカに谷の行く末を託す。
ユパ・ミラルダ(原,映)
ジルの旧友でナウシカの師。腐海の謎を解くためにトリウマのカイ・クイとともに旅を続けている。剣豪で知られ、その腕は腐海辺境一と賞されている。
ミト(原,映)
腐海の毒による四肢硬化により農作業を離れ城の守りに就いた「城オジ」の一人。ナウシカの忠臣。
大ババ(原,映)
齢100歳を超える腐海辺境一の年寄り。「大海嘯」の伝承を語る。
ゴル(映)、ギックリ(映)、ムズ(原)、ニガ(原,映)
ナウシカに同行する「城オジ」たち。

辺境諸国[編集]

風の谷、砂の谷やペジテなど、腐海のほとりにある小国群。人口は少なく、ガンシップを所有している。

映画版では、このうち風の谷とペジテのみ登場し、巨神兵の捜索をしていたクシャナが辺境の国々を統合し国家を建設しようとした。

漫画版では、「火の七日間」を経てものこるエフタルと言う巨大王国を祖とする国々であるとされている。トルメキアの南下作戦に際してはクシャナらによって徴兵された。

腐海のほとりにあるため、毎年多くの都市が腐海に飲み込まれ、人が住める土地が減っていっている。

トルメキア[編集]

漫画版では風の谷東方に存在する王国として描かれている。国王はヴ王と称し、子は3人の皇子と1人の皇女クシャナ。辺境諸国を従えている。

映画版では、風の谷のはるか西方にある強大な軍事帝国である。風の谷との盟約は存在せず、突然辺境諸国を征服しに来た帝国として描かれる。

クシャナ(原,映)
漫画版では、トルメキアの第4皇女。容姿端麗かつ優れた軍人であり第3軍(ヴ王親衛隊)の最高指揮官、トルメキアの誰よりも兵から絶大な信頼と忠誠を得ている。戦乱の中、ナウシカやユパとの出会いを経て真の王道に目覚めていく。
映画版では辺境諸国に派遣された軍の司令官という設定で、過去に蟲に襲われ片腕を失っており、その腕は義手になっている。その境遇故か巨神兵をトルメキア本国に引き渡す事を良しとしておらず、その強大な力で腐海を焼き払い旧時代のような人間が支配する世界の再建を目論む。腐海と蟲を忌々しいものとして嫌悪し、それら全てを人類に対する害悪と全否定するクシャナは、腐海と蟲の存在意義を理解し受け入れようとするナウシカのアンチテーゼとして映画版における重要なキーパーソンといえる。
クロトワ(原,映)
軍参謀。平民上がりの野心家。

漫画版では、表向きは辺境作戦終了までクシャナの補佐の為に派遣されたが、ヴ王からクシャナの監視・謀殺の任務を命じられていた。

映画版ではヴ王の謀略の手先という設定は削除されているため、実質クシャナに次ぐトルメキア帝国辺境派遣軍のナンバー2となっている。
3皇子(原)
クシャナの異母兄である3人の皇子の総称。ヴ王の命で第2軍を率いて土鬼に侵攻する。3人とも父王に容貌がそっくりで、体型もまた良く似た肥満体である。
第3皇子
3人の皇子の末っ子。3人の中では一番目つきが悪く、嫌味な性格をしている。賢い女と生意気な女が嫌いらしい(クシャナとクシャナの母の事と思われる)。
第1、第2皇子
ヴ王の長男と次男。絶えず2人で行動している。
ヴ王(原)
トルメキア国王。先王の血を引くクシャナの謀殺を図っていた。首が胴体にめり込んだ、樽のような肥満体である。

土鬼諸侯連合[編集]

「土鬼」は「ドルク」と読む。映画版には登場しない。

トルメキアと拮抗する勢力である国家連合で、神聖皇帝とその下の官僚機構である僧会が諸国を統べている。宗教色が強く、各侯国の族長が僧侶であったり、国政を儀式化している部分もある。

マニ族僧正(原)
マニ族の長で、神聖皇帝より北上作戦の先遣隊として派遣されていた。
ケチャ(原)
マニ族の娘でエフタル語を解する。気性は激しい。アスベルやユパと行動を共にする。
ミラルパ(原)
神聖皇弟。超能力を持つために兄ナムリスを差し置いて帝国の実権を握っている。
ナムリス(原)
神聖皇帝(皇兄)。超能力がないため、帝位に着きながらも実権を弟に奪われていた。極めて狡猾かつ冷酷な性格。
初代神聖皇帝(原)
ナムリス、ミラルパの父。
チクク(原)
先の土鬼王朝であるクルバルカ家の末裔の少年。本名ルワ・チクク・クルバルカ。
上人(原)
ナウシカがマニの僧正の他に敬愛する人物で、チククと共にオアシスに隠れ住んでいた土着宗教の僧で唯一の生存者。
チヤルカ(原)
軍司令官。僧兵上がりで超能力は無い。
庭の主(原)
シュワから20リーグほど離れた廃墟に住むヒドラ。瞬時に人の心を探る能力を持つ。訪れた人の心に入り込み、悲しみや苦痛を忘れさせ下僕としてしまう。
墓所の主(原)
シュワの墓所の地下に存在する球体の肉塊。「火の七日間」以前の超技術や腐海の秘密を守り続けている。

ペジテ[編集]

漫画版では、トルメキアと同盟を結んでいる小さな都市国家。巨身兵の骨格を掘り出したため、クシャナ率いるトルメキア親衛隊に滅ぼされ、避難民船も蟲に襲われ墜落しアスベルを残し全滅してしまう。

映画版では、生き残りの避難民達は発掘した巨神兵を使い腐海を焼き人間の世界を取り戻すことを最終的な目的にし、ペジテに駐留するトルメキア軍を壊滅させるため王蟲を使ってみずからの国を滅ぼす。

なお「ペジテ」という地名は、以前に宮崎の漫画『砂漠の民』で主人公の属する民族・ソクートの王都として登場している。

アスベル(原,映)
ペジテの王子。トルメキアへの復讐心に捕われていたが、ナウシカとの出会いにより世界を救うために行動する。
ラステル(原,映)
アスベルの双子の妹。ペジテの王女。

蟲使いと「森の人」[編集]

いずれも映画版には登場しない(ただし、映画版のコマンド兵が蟲使の姿と酷似している)。

蟲使いは、蟲を操り遺跡や墓所を探索して宝物を探し当てるのを生業にしている者達である。強烈な悪臭と死体を好んでまさぐり金品を盗る事、探索用の蟲を連れている事から、一般の人びとには忌み嫌われている。腐海内で換気装置を備えた岩穴に住んでいる。

かれらの発祥は、かつての王国、エフタルの武器商人の末裔であると言われている。

その蟲使いたちが恐れ敬うのが「森の人」である。作中では蟲使いが「森の人」に対して「住んでいる森に勝手に入って申し訳ありません。すぐに出て行きます」という旨の謝罪をし、いつもはなりふり構わず持っていく墜落した船のエンジンすら置いて帰った。

セルム(原)
「森の人」の長の息子。腐海の異変を調べるために派遣された。腐海に墜落したユパたちを救い、ナウシカを導く。
セライネ(原)
セルムの妹。

腐海[編集]

毒素を持つ巨大な植物群からなる森である。蟲と呼ばれる、巨大な節足動物のような生物が生息している。

腐海植物は、猛毒の瘴気を出すため、腐海内では蟲以外の動物は防毒マスクなしには生きられない。胞子の生命力は強く、僅かでも胞子を持ち込めばその地は腐海に覆われる。腐海周辺の人びとは、都市に胞子を持ち込まないように注意を払っている。胞子は発見され次第、迅速に焼却される。

原作に登場する、腐海を貫くタリア河の石は、その美しさから装飾品として珍重されており、ユパも現金代わりに用いている。

腐海の植物[編集]

ヒソクサリ
猛毒の腐海の植物。
ムシゴヤシ
王蟲が好んで食べることからこう呼ばれる。新しい腐海が出来るときはムシゴヤシが先駆的に成長し、そのあと小型で多様な植物群がゆっくりと成長し、多様な腐海の生態系を形成していく。成木は光合成を行い、最大50メルテまで成長する。

蟲(むし)[編集]

腐海に生息する動物の総称。王蟲のように巨大なものから微小なものまで、多種多様な大きさや形態のものが存在する。

王蟲(原,映)
「オーム」読む。と腐海最大の蟲。表皮は非常に堅牢かつ弾性に富み、抜け殻はガンシップの装甲板や刃物に加工し利用される。透明な眼の部分はガラスの代用品としてゴーグルのレンズや船のキャノピーに用いられる。
ムシゴヤシを好んで食べ、食べ進んだ跡は森の中のトンネル状の空間となって残り「王蟲の道」と呼ばれる。巣は水中につくるらしい。
映画版では王蟲の巨大さと重量感を表現するためにハーモニー技法が用いられ、さらに体節の動きを再現する為に、パーツを貼り付けたゴム板を伸縮させて撮影している。
大王ヤンマ(原,映)
人の身長と同程度の体長の羽蟲で、青緑色の細身の体に同形同大の2対の翅を持つ。
「森の見張り役」と呼ばれ、腐海に何らかの異常が起こったときに、ほかの蟲を呼び集める働きを持つ。
ウシアブ(原)
文字通り大型のウシほどの大きさを持つ羽蟲。赤ないし紫色の丸い体に2対の翅を持つ。
ヘビケラ(原,映)
細長く平たい体に通常4対の翅を持つ大型の羽蟲で、全長は数十m。
ミノネズミ(原,映)
地蟲の一種で、ヘビケラの幼生。

動物[編集]

キツネリス(原,映)
長い尾と耳を持つ、小型の獣。雑食性。黄色の体毛に茶色の大きなトラ柄がある。眼は緑色。『天空の城ラピュタ』にも同様の動物が登場しロボット兵の上で戯れる姿が描写されている。
テト(原,映)
ナウシカと行動を共にするキツネリス。本来、人には懐かないがナウシカは例外であった。
トリウマ(原,映)
巨大な嘴と頭部、強大な脚を持つ走鳥類。
クイ、カイ(原,映)
ユパの連れている2匹のトリウマ。
毛長牛(原)
土鬼での主な移動手段であり、トルメキアやエフタル諸国でも荷を運ぶ重要な家畜のようである。モデルはヤク

火の七日間[編集]

1000年前に産業文明を滅ぼし、世界をわずか7日間で焼き尽くしたとされる最終戦争。これによって都市は有毒物質を撒き散らして崩壊し、高度機械文明も失われ、世界の殆どを不毛の地と化した。半ば伝説と化しており、生物兵器・巨神兵を使い世界を焼き尽くした戦争と伝えられているが、原作にて実際は国家間で収拾のつかなくなった紛争の調停の為に裁定者、すなわち神として巨神兵を創造り対処させた結果、人間又は文明を害悪と裁定した巨神兵によって下された裁きの炎であったことが明かされた。

映画版では前述通り、ただの最終戦争である。

青き衣の者[編集]

この世界各地で伝えられている伝承・予言。「その者青き衣をまといて金色の野におりたつべし。失われた大地との絆を結ばん」と伝えられている。原作では主に土鬼側で盛んに語られており、土着宗教の経典だと思われるが僧会によって異端視・邪教とされている。森の人の間にも伝えられており、彼らは「青き衣の者に率いられて腐海へと入った」と語った。ただし、両者で若干意味合いが違い土鬼側では「世界を救う救世主」とされているが、森の人側では「道を指し示す者」となっている。ユパは土鬼の土着宗教が事実を聞いて語り継いだ願望、もしくは破滅の危機に人類が時空を隔てて生み出す人々と推測している。

原作、映画版ともに王蟲の血で染まった真っ青な衣をまとったナウシカがそれだと指し示されている。

白き翼の使徒[編集]

青き衣の者と同じく土鬼の土着宗教が語り継いでいる経典。汚れた世界に終わりが来たときに現れ、永い浄化の時の始まりを告げると伝えられている。こちらも僧会に異端視されており邪教としている。しかし、青き衣とともに土鬼の住民の間には密かに伝えられていた。時には大海嘯から生き延びる為の希望となり、ある時は彼岸への憧れとなる。

こちらもメーヴェに乗るナウシカがそれとされている(更にガンシップが親鳥としている)。

巨神兵[編集]

前文明の科学技術の象徴的存在であり、「火の七日間」で世界を焼き払った巨大な人工生命体。この世界ではその全てが化石となり腐海にその骸をさらしていると考えられている。

漫画版の巨神兵には歯の部分に「東亜工廠」と読める文字がある。また、「プロトンビーム」と呼ばれる攻撃を行い、宙に浮き飛行する事もできる。

粘菌[編集]

漫画版のみに登場する腐海に自然に存在する生物。変形菌がモデル。土鬼に改造され生物兵器として利用される。

大海嘯[編集]

物語の中では腐海に住む蟲たち(特に王蟲)の大群が、津波のように押し寄せることを大海嘯と呼ぶ。名称は漫画版のみの登場。

本来「海嘯」とは、ポロロッカのように河川が猛烈な勢いで逆流する現象をさす。

船(飛行機)[編集]

原作において、エンジンを造る技術が失われて久しく、現存するエンジンのみを回収・再利用して船を建造していることが説明されている。

メーヴェ(原,映)
辺境の風使いが用いる凧。詳しくはメーヴェを参照。
ガンシップ(原,映)
小型の戦闘機。映画版では風の谷及びペジテの物2機が描写されている。詳しくは、「ガンシップ (風の谷のナウシカ)」を参照。
バージ(原,映)
艀船(はしけぶね)。滑空力しかないため推進能力のある船が牽引して用いる。
ブリッグ(原,映)
貨物船。映画版ではペジテの生き残りが使用。漫画版では対土鬼戦争に参戦した辺境諸国の機体や、蟲使いの所有する機体などが登場する。
バカガラス(原)
トルメキアの大型輸送船。バカガラスは通称(?)で、トルメキア兵からは戦列艦と呼ばれている。詳しくは「バカガラス」を参照。
コルベット(原,映)
トルメキアの戦闘艦。詳しくはコルベット (風の谷のナウシカ)を参照。
バムケッチ(原)
トルメキアの戦闘艦。
浮砲台(原)
土鬼の各侯国が所有する戦闘兼輸送艦。巨大な艦体にいくつもの砲を装備する。
飛行ガメ(原,映)
原作版では飛行ガメと呼ばれる土鬼の小型偵察機。高さ2m、直径1mほどのカメの形状をし、浮遊しながら移動する。
映画版では飛行ポットと呼ばれ、ペジテが王蟲の幼虫をおとりにした作戦を実行した際使っていた。

脚注[編集]

以下略。

  1. ^ 『ロマンアルバム・エクストラ(61) 風の谷のナウシカ』徳間書店、1984年、p.166頁。