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利用者:漱石の猫/sandbox16

丹波生活衣館
Fukuchiyama-city Tanba Seikatsui-kan
丹波生活衣館
2024年11月28日撮影 丹波生活衣館正面
施設情報
専門分野 衣類
事業主体 福知山市
管理運営 福知山市
開館 2002年(平成14年)3月
所在地 620-0035
京都府福知山市字内記10
プロジェクト:GLAM
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丹波生活衣館は(たんばせいかついかん)は京都府福知山市字記にある、丹波生活衣および関連資料の展示保管と来訪者による創作活動の発表の場である市民ギャラリーを併設している施設である。正式名称は「福知山市丹波生活衣館」。

開館の経緯

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「生活衣」という名称は、日常生活の中で用いた衣類をはじめとする、染織製品を総称することばである。丹波生活衣及び関連品は失われゆく着物を中心とした伝統的な染色品を、福知山市苫巻在住の故河口三千子が昭和30年代後半から収集)頃からは、趣旨に賛同した有志の協力により資料の収集整理作業が行われている。 平成7年(1995)5月には、整理の終了した2.076点が福知山市重要資料有形民俗資料の指定を受け、翌平成8年(1996)に、河口三千子から指定資料を本市に寄贈された。平成14年(2002)7月には丹波生活衣振興会より1,573点が寄贈された、その後も収集は続けられ、現在では約10,000点が収集されている。 丹波生活及び関連品の特徴は、一般的な生活衣(普段着)を中心とするコレクションである。 こうした生活衣はライフスタイルの大きな変化もあって日常的に廃棄されることが多く、栄華絢爛な衣裳に比べて現在ではほとんど見ることのできない、他に例のないものである。 近世から近代にかけての文化・生活様式の変遷を実感することのできる貴重な近代化資料の 一つとして多方面から注目を集めている。 [1] [2]

収蔵・展示

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丹波地方の生活衣及び関連品を展示する。 その種類は、子供の衣服から大人の仕事着、普段着、よそいき、式服などの着物をはじめ、蒲団や風呂敷、袋物、糸などに及ぶ丹波の「衣文化」を集大成したもので、明治(江戸末期のものを含む)から大正.昭和の戦争終了後までのものである。地域の生活に密着し、ある程度まとまったこのような資料は例が少なく、なかには過去の所有(使用)者や使用年代が特定できるものもある。 明治から昭和初期の福知山地方の衣生活の歴史を如実に物語るものであり、広く庶民生活史の全体を考える上でも貴重な資料である。

企画展

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裏勝り(うらまさり) 羽裏の美(はうらのび)
令和6年10月5日~令和6年12月15日 『裏勝り』とは、表地よりも裏地のお洒落に凝ることである。江戸時代に幕府が出した「贅沢な服を着てはいけない」という奢侈禁止令に対し考えられた工夫で、黒や茶の地味な色の羽織の裏地に、絢爛豪華な絵が描かれた。本展では、普段は表に出ない、羽裏(はうら/羽織の裏地)や襦袢を展示している[3]
布を縫う 針しごとと昔のくらし
令和6年7月20日~令和6年9月29日 縫うことに着目し、裁縫箱や張板などの道具や着物を展示。
繭と綿 衣類の素材と変遷
令和5年10月26日~令和6年3月20日 明治・大正・昭和の絹や木綿の衣類(福知山市重要有形民俗資料)を展示するとともに、繭と綿が糸や布になる工程と、京都府内でも有数の養蚕地であった福知山の養蚕の歴史を紹介。
節供 子どもたちの健やかな成長を願って
令和5年4月28日~令和5年6月5日 端午の節供の時期に合わせて、丹波生活衣展示室では子どもの着物を、市民ギャラリーでは節供幟を展示。
開館20周年展「丹波木綿」
令和4年4月20日~令和4年7月18日 明治期から昭和期にかけて丹波地方の家庭で、綿を栽培し糸を紡いで染めて織った自家用の手織木綿(福知山市民俗文化財重要資料)約100点を展示。
丹波木綿
令和3年11月1日~令和4年4月17日 染織作家河口三千子の収集の原点となった、丹波木綿を展示。
きもの‐植物文様‐
令和3年3月31日~令和3年10月27日 長い歴史の中で培われた多種多様な文様の中から、四季の草花の文様を紹介。
包む ふろしきと袱
令和2年11月30日~令和3年3月25日 レジ袋有料化で、あらためて見直されている風呂敷と、同じ方形の包みものである袱紗を展示。
紋 あれこれ
令和2年3月6日~令和2年11月25日※新型コロナウィルス感染予防による休館が長期になったため、会期を延長。 家紋の付いた式服や油単、布団、袱紗、幔幕(まんまく)、紋型紙100点のほか、明智光秀ゆかりの地、福知山市ならではの桔梗紋がデザインされた学校の校章や踊り浴衣などを展示。
暖をとる-くらしの中の衣と道具-
令和元年10月5日~令和2年2月29日 電気こたつや石油ストーブが発売される昭和30年頃までの防寒着約50点と暖房器具約15点を展示。
絵絣-藍と白の世界-
平成30年9月15日~平成30年11月4日 丹波で親しまれた木綿絣の着物や野良着の他、明治~昭和にかけて織られた絵絣の布団地100点を展示。
糸縞と地絹-くず繭でできた布-
平成30年4月1日~平成30年9月10日 くず繭を糸にして織った、養蚕地ならではの着物45点と布団10点を展示。
継ぎはぎの布
平成29年9月30日~平成30年3月26日 何度も継ぎをして着破るまで愛用された仕事着や寝具など、明治時代から昭和戦前までの継ぎはぎの布76点を展示。
ミニ企画展「あたりまえの水 ―水道ができるまでのくらし―」
令和6年9月1日~令和6年9月29日 水道の蛇口をひねると、あたりまえのように出てくる水が「あたりまえ」になるまでの、先人の苦労と努力を道具と写真で振り返る。
冬期企画展「養蚕道具とおカイコさん」
令和6年1月1日~令和6年3月20日福知山の養蚕の歴史を次世代へ伝えることを目的に、昔の養蚕道具(福知山市所蔵)や手順を、昭和初期に編さんされた「養蚕御大典奉祝献上写真」とともに紹介[4]
夏季企画展「涼を楽しむ」
令和5年7月23日~令和5年8月31日「よしず」や蚊帳などの夏のしつらえと、浴衣を始めとした清涼感あふれる単衣の着物や手拭などを展示。
暖をとる ー昔の道具と衣類ー
令和4年12月17日~令和5年2月27日 家電製品などの普及とともに姿を消した昔の道具や着物を展示。電気・ガス・水道のない時代の冬の暮らしを紹介した。
夏季企画展「いがいと!知らない 福知山音頭」
令和4年7月23日~令和4年8月31日 福知山音頭の歌詞や踊りを丹波生活衣館所蔵の浴衣や昔の写真とともに紹介。
開館20周年特別展「河口三千子 丹波太物」
令和4年4月20日~令和4年5月29日 開館20周年にあたり、当館設立に大きく貢献した河口三千子の作品を展示。

[5]

戦時下の暮らしと衣服-漫画『この世界の片隅に』の一場面より-
平成30年8月11日~平成30年9月10日 昭和大戦中に使用された台所の道具や衣類を展示。

こうの史代の漫画を見ながら、物資が窮乏する中、知恵と工夫を凝らした人々の暮らしを展示した。

土田直敏(つちだなおとし)人物画展
平成30年4月28日~平成30年5月19日 福知山市出身の漫画家・土田直敏によって描かれた、芦田均元首相を初め歴代総理大臣や、芸能人の似顔絵を約40点展示。
新春企画「袱紗」展
平成30年1月1日~平成30年1月31日 明治末期から昭和中期のめでたい文様の袱紗を展示。袱紗は、結納や長寿の祝いなどのおくりものに掛けて使用する覆いもの。

他機関との連携企画

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福知山市佐藤太清記念美術館・京都工芸繊維大学連携企画 京都工芸繊維大学美術工芸資料館名品展「うつる染-機械捺染の技術と図案-」
令和2年1月1日~令和2年年1月31日
京都文化力プロジェクト「Kyoto・アート6芸術めぐり」
平成30年 9月22日~平成30年9月30日 京都文化力プロジェクト

ワークショップ

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丹波生活衣館にある織機
丹波生活衣館の割織体験で作成したコースター
裂織体験
機織り機(高機)を使った裂織体験で、コースター(約10センチメートル角)などがいつでも制作できる。
  • 対象 - 小学5年生以上
  • 予約 - 基本は不要※4名以上または幅・長さ20cm以上の場合は、事前予約が必要
組みひも体験
組ひも台を使って、絹糸や綿糸のミサンガが制作できる。
  • 対象 - 小学1年生以上
  • 内容 - 絹糸ミサンガ、綿糸ミサンガ
  • 予約 - 前日までに予約が必要

講習会

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令和6年度 夏休み藍染講習会
輪ゴムやヒモを使った簡単な絞りや板締めで模様を製作。
真綿づくりワークショップ
繭から真綿をつくり、その活用法を学ぶ。真綿から太糸をつくり、コースターを織る。
手作り雛人形講習会
着物のはぎれを使って巾約20cmの雛人形(男雛・女雛)を製作。
令和5年度「綿から布をつくる」講習会
綿から糸を紡ぎ、染めて布を織る講習会。ストールやカバンなど日常に使える布を製作。
手作り鯉のぼり講習会
着物のはぎれを使って、鯉のぼりのつるし飾りを製作。
「ふろしき包みワークショップ」
ふろしきをレジ袋のかわりに利用する方法など、現代のライフスタイルにあわせた使い方を楽しく学ぶ講習会。

施設

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  • 市民ギャラリー
  • 研修室

所定の書式による事前申請により、市民ギャラリーと研修室は、外部の者も利用することができる。

利用案内

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  • 開館時間 - 午前9時~午後5時(入館は4時30分まで)
  • 休館日 - 毎週火曜日(祝日の場合は翌日) 12月28日~12月31日、1月4日~1月6日
  • 入館料 - 無料(施設利用は一部有料)
  • 駐車場 - 20台

アクセス

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脚注

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  1. ^ あやべ市民新聞 ちょっとドライブ 福知山市丹波生活衣館 2006/1/13
  2. ^ 奥村萬亀(1995-11)「「丹波生活衣コレクション」にみる糸縞と絹絹」『京都府立大学学術報告. 理学・生活科学 / 京都府立大学学術報告委員会編』(第46号) ,p.19-28
  3. ^ 京都新聞 表から見えない部分にこそ美意識発揮京都府福知山市で「裏勝り 羽裏の美」展 2024/11/17
  4. ^ 京都新聞 京都府福知山市や綾部市の養蚕業の歴史紹介福知山で企画展 2024/3/10
  5. ^ 両丹日日新聞 農村の生活に根ざした織物「丹波太物」 丹波生活衣館で故・河口さんの収集品展示 2022/5/4

参考文献

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外部リンク

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