利用者:芳根敬助/“森の中の子供たち”殺人事件(ワイルドパーク)
日付 | 1986年10月9日 |
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場所 | ワイルドパーク, ブリングトン, イギリス |
有罪判決を 受けた人 | ラッセル・ビショップ |
罪状 | 殺人 |
評決 | Guilty |
判決 | 終身刑 |
殺しの森の少女事件は1986年10月9日にイギリスで発生した誘拐殺人事件。被害者はニコラ・フェローズ、カレン・ヘイドウェイで、犯人は当時20歳の地元の屋根職人ラッセル・ビショップだった。[1]ビショップは1987年に逮捕され、裁判は二審で殺人罪が確定する2018年12月10まで続いた。[2][3]この事件は、サセックス警察の調査した事件の中でも、最大規模かつ最長期間のものであった。[4]
背景から事件発生まで
[編集]ニコラとカレンは東サセックス州ブライトンの北部の町モールセクームに住んでおり、学校は違えど互いに唯一無二の大親友だった。1986年10月9日午後3時3分ごろ、下校して帰宅した二人は約束通り家を出た。[5][6] 午後5時頃ニコラの母カレンは、ローラースケートで遊ぶ二人を見かけた。[7]これが在りし日の娘の最後であった。
二人をよく知る14歳の少女は、商店街を通った時彼女らに、「おうちに帰りなさい、お父さんとお母さんが心配するよ」と諭した[8] ニコラは、「おいで、あっちの公園行こう」とカレンに食い下がった。ニコラが指差していたのはワイルドパークと呼ばれ、立ち入ってはいけない場所であった。午後6時半を回る頃、二人は同じ通りの交番付近で目撃されている。[9]時を同じくして、付近では、ビショップが「ライトブルーに見える物」を被った姿で目撃されている。
同日、ビショップは、ニコラの家に下宿指定いた人間に話を聞くため、ニコラの家に向かった。ニコラはビショップに、あっち行ってといい、彼のガールフレンドを「アバズレ」と罵ったことがあった。 [10]
二人の両親は、娘が就寝時間になっても帰宅しないためパニックに陥っていた。カレンの母ミシェルは警察に通報した。[11] 200人に及ぶ警察と近隣住民により捜索隊が結成された。 [12]ヘリコプターをもちいて、ワイルドパークを上空から調べる捜査まで行われた。ビショップも捜索に加わり、彼の追跡犬はよく訓練されており、17000ユーロの価値があると主張した。[13]。二人の遺体は、捜索隊のメンバーにより翌日10日の昼過ぎに発見された。 [14] [15] [16]遺体はその場凌ぎで掘ったと思わしき穴に隠されており、検死の結果、窒息死であったことと、性的暴行を受けていた事が判明した。
ビショップは、捜査に深く関わろうとしたことから、容疑をかけられることとなった。遺体発見時、ビショップは警官とともにすぐさま現場に駆け寄った。しかし、その警官によれば、ビショップは二人がよく見える位置までは近づかなかった。ビショップの話は多くの偽証や矛盾で満ちていた。彼は探偵に、昨晩の動きに関する質問をされた時、サセックス大学の構内から車を盗もうをとしていたのだと語った。また、新聞屋から新聞を買おうとしたが無一文だったとも主張した。
ビショップによれば、昨晩はガールフレンドの家に行くつもりだったが、大麻を買い帰宅したので、行けなかったとのことである。また、彼は証拠に合わせて証言を仕立て上げ、発見時少女らの首はまだ脈打っていたとして、証拠のすり替えの可能性を指摘した。これらの一連の矛盾から、ビショップは殺人の疑いで10月31日に逮捕された。
影響
[編集]ニコラの父バリーは、2009年に実の娘への強姦の疑いで逮捕された。しかし、サセックス警察署は、これらの逮捕と調査中の事件との関連性はないとし、彼は釈放されることとなった。[17][18]
1987の裁判
[編集]ビショップは当初は、二人の少女に対する性的暴行及び殺人罪で、1987年に裁判にかけられた。[19] しかし、 司法解剖医や法医学調査班の不手際により遺体の温度の保持ができず、正確な死亡推定時刻を割り出すことができなかった。 検察側は、6時15分から6時30分ごろが死亡推定時刻であるとしたが、科学的な裏付けを取ることはできず、アリバイを崩すまでには至らなかった。
少女らの遺体は窒息死であるにもかかわらず、手形や指紋などが発見されなかった。また、法医学者はカレンの下着に付着していた血液の分析を行わなかった。そして、検察の狙いは、ビショップが来ていたとされるスウェットに定まった。上着は近くの駅の線路内で発見された。警察は、ビショップが二人を殺害した後、法医学鑑定において発見されるのがわかっていたため、遺棄したのだとした。しかし、警察側の保管状態が不適正だったこともあり、弁護側は証拠としての信憑性に疑問を投げかけた。
被告人質問の際、ビショップは、これは自分の服ではなく、ガールフレンドであるジェニーのものであると主張した。検察はこれにより、彼は明白な証拠から逃れようと嘘をついており、ビショップの証言には信憑性がないとした。しかし、ジェニーは法廷で証言を翻し、そんな服は見たことがないと発言した。[20] 裁判官の一人は、「彼女らは6時30分までに亡くなっている。無罪が妥当である」とした。検察側は、彼女らは5時15分から6時30分の間になくなったとした。しかし、6時30分に彼女らの目撃証言があるほか、ビショップがワイルドパークを後にしたのも6時30分なのである。
その後、ビショップは1990年12月にブリントンにおいて同様の事件を起こして逮捕されている。彼は7歳の少女に対する誘拐、性的暴行、及び殺人未遂[21]の罪で14年以上の懲役が下された。[22]
2018年の裁判
[編集]2005年、2003年に英国において一事不再理の原則が廃止されたことに基づき、ビショップの裁判が新証拠に基づいて行われることとなった。[20]この結果、捨てられていたスウェットのDNAは10億分の1レベルでビショップのものと一致することが判明した。さらに、カレンの手首に残されていたテープからのビショップのDNAが検出された。[23]
2016年5月16日ビショップは殺人罪で逮捕された。 2017年、裁判所は1987年の原判決を破棄し、新たな裁判をすることを命じた。2018年2月2日、検察はビショップに対する新たな殺人容疑を主張した。2016年5月、ビショップはフランクランド刑務所から、ニコラとカレンに対する殺人容疑で正式逮捕するため、地元の警察署まで護送された。[24]
検察側は、当時の技術では見つけられなかった新たな重要証拠が出てきたと主張している。[8][20]
2018年の裁判において、二人が6時30分にはまだ生きており、ビショップがワイルドパークに戻ってきた証拠が提示された。
2018年12月10日、9週間に及ぶ裁判と、2時間半の審理が行われた。[25]
その結果、ビショップには36年以上の禁固刑が下された。
ガールフレンドの逮捕
[編集]2020年3月、ビショップの当時にガールフレンドであったジェニーが逮捕された。これは、1987年の法廷において嘘の証言をしたことに対する罪である。[26]
脚注と参考文献
[編集][[Category:イギリスの事件]]
- ^ “Russell Bishop: Paedophile guilty of 1986 Babes in the Wood murders”. BBC News. (10 December 2018) 3 January 2019閲覧。
- ^ “March over 'Babes in Wood' deaths”. BBC News. (10 October 2006) 24 June 2011閲覧。
- ^ “Police quiz Babes in Wood father”. BBC News. (7 April 2009) 24 June 2011閲覧。
- ^ Quinn, Ben (2018年12月10日). “Man found guilty of 1986 Brighton 'babes in the wood' murders” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077 2018年12月10日閲覧。
- ^ The Guardian
- ^ The Telegraph
- ^ Lee, Helena (2018年12月10日). “Justice after 32 years for 'babes in the wood' killer” (英語). BBC News 2018年12月10日閲覧。
- ^ a b “Predatory paedophile killed two girls then cynically joined search for 'missing' nine-year-olds, court hears” (英語). The Independent. (2018年10月16日) 2018年12月10日閲覧。
- ^ “Did blunder allow Babes in the Wood killer Russell Bishop to escape justice and strike again?” (英語). The Independent (2018年12月10日). 2018年12月10日閲覧。
- ^ “PressReader.com - Connecting People Through News”. www.pressreader.com. 2018年12月10日閲覧。
- ^ “We never forgot Babes in the Wood or gave up on catching their killer, say police” (英語). Brighton and Hove News (2018年12月10日). 2018年12月10日閲覧。
- ^ “'The Babes in The Wood Murder.'” (英語). Old Police Cells Museum. 2018年12月10日閲覧。
- ^ “Paedophile guilty of Babes in Wood murders” (英語). BBC News. (2018年12月10日) 2018年12月10日閲覧。
- ^ “SO WHO KILLED MY GIRL THEN?” (英語). The Argus. 2018年12月10日閲覧。
- ^ “Jury hears how girls' bodies were found” (英語). BBC News. (2018年10月31日) 2018年12月10日閲覧。
- ^ “Babes In The Wood murder: 23 years on, father's first interview” (英語). The Independent. (29 June 2009) 25 October 2016閲覧。
- ^ “Father of 'Babes in the Wood' murder victim arrested”. Telegraph.co.uk 25 October 2016閲覧。
- ^ Cheshire Live. “Ellesmere Port Babes in the Wood dad Barrie Fellows will face no action following sexual abuse arrest - Cheshire Live”. Chesterchronicle.co.uk. 2018年12月10日閲覧。
- ^ “Babes in wood families 'find evidence'”. BBC News. (15 September 2003) 24 June 2011閲覧。
- ^ a b c Evans, Martin; Sawer, Patrick (2018年12月10日). “Babes in the Wood murders: after the police blunders and killer's deceit, how justice caught up with Russell Bishop, 32 years on” (英語). The Telegraph. ISSN 0307-1235 2018年12月10日閲覧。
- ^ Quinn, Ben (2018年12月10日). “Man found guilty of 1986 Brighton 'babes in the wood' murders” (英語). The Guardian. ISSN 0261-3077 2018年12月10日閲覧。
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- ^ Evans, Martin; Sawer, Patrick (2018年12月10日). “Babes in the Wood murders: after the police blunders and killer's deceit, how justice caught up with Russell Bishop, 32 years on” (英語). The Telegraph. ISSN 0307-1235 2018年12月10日閲覧。
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- ^ “Russell Bishop: Paedophile guilty of 1986 Babes in the Wood murders”. BBC News. (10 December 2018) 3 January 2019閲覧。
- ^ “Ex-girlfriend of Brighton schoolgirls' killer to be charged”. BBC News. (24 March 2020)