利用者:虫明康人/sandbox
--虫明康人(会話) 2013年8月19日 (月) 01:10 (UTC)
自己補対アンテナ
1. 定義
無限に広い完全導体板の2分の1で構成された任意形状のアンテナであって、その構造の穴に相当する部分の形状が、板の部分の形状と完全に同形であるようなアンテナを、自己補対アンテナと呼び、2端子の場合が最も単純な構造となる。自己補対アンテナは、使用周波数およびその形状に無関係に入力インピーダンスが一定である。
自己補対形状の説明図
更に、多端子で、基準導体板の数も複数となった、複雑な構造の自己補対アンテナも創案されている。そのような場合には、それらの定インピーダンス値はその複雑さにより異なった値となるが、一般に、自己補対構造のアンテナは使用周波数およびその形状に無関係に定インピーダンス性を持っている。これを「自己補対の原理」と呼んでいる。最近、インターネット上では Mushiake Principle とも呼ばれている。
また、自己補対アンテナの定インピーダンス値を与える式はMushiake relationship と呼ばれている。基準導体板が1枚で、2端子の場合には、その式は次のようになる。
Z = Z0/2≒188.4 [Ω]
2. 重要メモ
所謂「対数周期アンテナ」(商品名)は一種の変形自己補対アンテナであって、変形される前の原形は典型的な自己補対形状のアンテナである。対数周期形状はアンテナに広帯域性を与えない。このことは、 IEEE による「対数周期アンテナ」の定義その他からも明らかである。
参考文献
1. 虫明康人, “細隙空中線系の饋電点インピ―ダンス," 電気学会雑誌, vol. 69. No.3, 725号, pp.87-88, 1949年3月. (同誌 p.87 の注 , 本稿は要旨でその全文刷 上り5頁). 2. S. Uda, and Y. Mushiake, “The input impedances of slit antennas," Tech. Rep. of Tohoku Univ., 14, 1, pp. 46-59, September 1949. 3. 虫明康人 ,“定インピ―ダンス・アンテナ,” 電気通信学会誌, vol. 48, No. 4, pp. 580-584, 1965年4月.