利用者:雪と梅/sandbox/3
スパム (英語: spam)は、インターネット上で無作為に送信されるメッセージの総称である[1]。電子メール、SMS、電話、ダイレクトメッセージなど、さまざまな形態が存在する[2]。スパムを作成、送信する人物のことをスパマー (英語: spammer)という[3]。また、スパムの対義語としてハム (英語: ham[注釈 1])がある[5][6]。
概要
[編集]スパムの目的は多岐にわたり、商業広告、布教、フィッシング詐欺やワンクリック詐欺などの詐欺、ウイルス拡散、デマやチェーンメールの拡散、あるいは単純な高圧縮ファイル爆弾などのいたずらに用いられる[1][2][7]。
効果
[編集]語源と歴史
[編集]スパムという単語は元々ホーメルが販売するランチョンミートの缶詰だった[8]。そこからどのように現在の意味合いになったのは定かではないが、その由来をモンティ・パイソンのスケッチ・コメディーのひとつ『スパム』が由来とすることが多い[1][3][9]。
精選版日本国語大辞典や新明解国語辞典など、未だ記載していない日本の国語辞典もあり[10][11][注釈 2]、また広辞苑や明鏡国語辞典など記載していてもスパムメールを参照させられたり語義を電子メールに絞っていたりすることもある[12][13]。
形態
[編集]スパムには複数の形態が存在する。
メール
[編集]スパムメールあるいは迷惑メール (めいわくメール)と呼称され[8][14]、商品宣伝やフィッシング詐欺を目的とする偽サイトに誘導するために用いられる。オンライン・コミュニケーションにおける大きな問題とされ[14]、スパムメールが2023年に送信された電子メールのうち全世界で45.6%を[15]、日本国内で40.0%を占めている[16]。
オンラインショッピングから送信されるセール情報のように、メールアドレスを登録した人に向けたサイトから一斉送信されるものはジャンクメール (英語: junk[注釈 3])[7]、バルクメール (英語: bulk[注釈 4])[17]、グレーメール (英語: gray[注釈 5])[17][19]などと言い、スパムとは区別される。なお、ジャンクメールやバルクメールをスパムメールと同義とすることもある[20]。
スパムメールは電子メールフィルタリングを設定することによって格段に減少する[17]。
種類
[編集]スパムメールには複数の種類がある。
- 広告・宣伝メール
- スパムメールの中で最も多く流通している[21]。
- 企業を騙るスパムメール
- 著名なショッピングサイト、運輸業者、金融機関、求人情報サイト、また業種を問わずアカウント認証や料金の支払いが必要な企業を騙るフィッシングサイトに誘導し、パスワードやクレジットカード情報などの個人情報を入力させたり、その情報から金銭を盗み取ったりする。また、誘導されるウェブサイト自体にウイルスが仕込まれていることもある。[22]
- サイトを騙るスパムメール
- マッチングサイトや占い系サイトへ誘導し個人情報を入力させたり、架空請求詐欺などの詐欺行為で個人情報を入力させたりする。また、誘導されるウェブサイト自体にウイルスが仕込まれていることもある。
- 個人を騙るスパムメール
- 「メールアドレスってこれで合ってたよね?連絡ください。」「みんな待ってるけど、無視はもう来ないってことですか?」「めっちゃ面白いサイト見つけた!」など、間違いメールや友人を騙るスパムメールに返信させることでメールアドレスの収集を行ったり、ロマンス詐欺に持ち込まれたり、有料のチャットアプリに誘導されたり、リンクを踏ませたりする[23]。
- 架空請求
- アダルトコンテンツなどの見覚えのないコンテンツを利用したという理由で架空の料金を請求したり、マッチングサイトに登録したとして登録解除料を請求したりする[23]。
- チェーンメール
原因
[編集]スパムメールが送られる原因はメールアドレスを何らかの方法で収集されたことである[23]。その原因は主に2つに分けられる。
- 大量送信型
ショートメッセージ
[編集]ボイスメッセージ
[編集]SNS
[編集]SNS上でのスパムはソーシャルスパムと呼ばれる。ソーシャルスパムは自身の誘導させたいサイトのURLやQRコード及び別サイトのアカウントのユーザー名やQRコードを送信することが多いが、その手法にはURLをコメント欄やダイレクトメッセージに惹き付けられるような文言とともに送信する手法と、プロフィールなどにURLを貼付した上で大量のフォローやタグ付け投稿、トレンドを含む投稿を行う手法の2種類ある。また、X (SNS)のようなインプレッション数によって収益を得れるSNSでは連投などが行われることがある。
YouTube
[編集]X
[編集]ブログ
[編集]Webフォーム
[編集]電話
[編集]レビュー
[編集]ポップアップ
[編集]ネットニュース
[編集]スパムのうち、複数のニュースグループに送信されるものはベルビータ (英語: velveeta)というがまれな用法である[24]。
対策
[編集]金銭を要求するスパムでは脅し文句としてIPアドレスや利用しているインターネットサービスプロバイダが表示されることがあるが、それだけで業者は特定することができない[23]。
脚注
[編集]注釈
[編集]出典
[編集]- ^ a b c “スパムとは?意味・危険性・見分け方から対策までわかりやすく解説”. 東日本電信電話 (2022年11月16日). 2024年8月4日閲覧。
- ^ a b “スパムメール・迷惑メール”. ESET. 2024年8月9日閲覧。
- ^ a b “いまさら聞けないセキュリティ用語 その1 スパムって何?”. NTTドコモ (2019年1月9日). 2024年8月2日閲覧。
- ^ “「ham e-mail」”. ウィクショナリー. 2024年8月4日閲覧。
- ^ “「ham」”. ウィクショナリー. 2024年8月12日閲覧。
- ^ “SpamTitan for VMwareバージョン 4.09 アンチスパム技術レポート” (PDF). ジュピターテクノロジー (2007年11月). 2024年12月1日閲覧。
- ^ a b “迷惑メール・ジャンクメールとは?メール受信時の注意点と基本概念をわかりやすく解説”. THE SIMPLE (2023年5月15日). 2024年8月3日閲覧。
- ^ a b 見坊豪紀ほか 編『三省堂国語辞典』(第八版)三省堂、2022年1月10日、774頁。ISBN 978-4-385-13928-9。
- ^ 『ニフティsuper internet 13(9)(150)』ニフティ、1999年9月、35頁。doi:10.11501/3201415。
- ^ 『精選版日本国語大辞典』小学館。ISBN 4-09-521022-2。
- ^ 『新明解国語辞典』(第七版)三省堂。ISBN 978-4-385-13107-8。
- ^ 新村出 編『広辞苑』(第七版第三刷)岩波書店、2020年2月25日、1578頁。ISBN 978-4-00-080131-7。
- ^ 北原保雄 編『明鏡国語辞典』(第二版)大修館書店。ISBN 978-4-469-02117-2。
- ^ a b “迷惑メールとは?迷惑メールが届く原因、受信拒否や対処法をわかりやすく解説”. サイバーソリューションズ (2023年12月27日). 2024年11月23日閲覧。
- ^ “Global spam volume as percentage of total e-mail traffic from 2011 to 2023”. Statista (2024年3月). 2024年12月8日閲覧。
- ^ “電気通信事業者10社の全受信メール数と迷惑メール数の割合 (2024年3月時点)” (PDF). 総務省 (2024年3月). 2024年12月7日閲覧。
- ^ a b c “EOP の迷惑メールと一括メールの違いは何ですか?”. Microsoft (2024年7月26日). 2024年8月4日閲覧。
- ^ Rob, Hoeijmakers (2021年11月26日). “Graymail, what is it?”. 2024年8月5日閲覧。
- ^ “用語集 - 「グレーメール」”. トレンドマイクロ. 2024年8月5日閲覧。
- ^ “迷惑メール”. IT用語辞典 e-Words. インセプト. 2024年12月9日閲覧。
- ^ “広告宣伝メール”. 一般財団法人日本データ通信協会 - 迷惑メール相談センター. 2024年12月9日閲覧。
- ^ “スパムメール・迷惑メールとは?意味や種類、基準を解説”. トレンドマイクロ (2024年10月23日). 2024年11月20日閲覧。
- ^ a b c d “迷惑メール(ワンクリック詐欺)にご注意ください”. ケーブルステーション福岡. 2024年8月19日閲覧。
- ^ “「velveeta」”. ウィクショナリー. 2024年11月30日閲覧。
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