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統治機構や政治制度について研究しているウィキペディアン。主に政治関連の記事で活動。

研究している統治制度[編集]

大統領制[編集]

まず大統領制の主な特徴を筆者の視点で下記にまとめてみた。

大統領が国民からの直接選挙又は間接選挙によって選出される。
大統領が国家元首と行政府の長を兼ねる。
三権分立が厳格に制度化されている。

これらの点を含めてアメリカを例にしてみると、間接選挙という形式ながらも大統領が国民からの投票により選出されることによって、国民からの信任という大きな政治的正当性を得ることになり、大統領の権力行使にある程度の政治的効力を与えている。同時に上下院議員も民選によって選出されるため、民意の信任を受けた大統領と連邦議会の二つの機関が均衡を保つ二元代表制という形を採っている。行政権は大統領にのみ属し、行政府内における政治任用職は数千人規模に及ぶ。このように大統領は執行・人事の両面において行政府を指導する大きな裁量権を持っている。更に最高司令官として軍に対する指揮権を有しているため、軍事政策に関する権限も絶大である。一方で大統領が持つ議会に行使できる権限に関しては予算提出権や議会解散権はなく法案拒否権のみとなっている。逆に予算決議の主導権は議会に属し、大統領の弾劾及び罷免などの対抗手段を持つ。行政や軍事などの主導権は大統領にあるが、立法や予算などの主導権は議会にある。このようにアメリカの政治制度は行政府と立法府が相互に適性な権限を持ち三権間の均衡を保つ仕組みとなっている。このため大統領の所属政党と議会の多数派政党が異なる場合は分割政府と呼ばれる現象（政治停滞）が起きることもある。同じ大統領制を採用する国家によっても大統領の権限や議会との関係、三権分立の厳格度の差異はあるが、原則的に権力分立を基本とし、大統領と議会は対等な関係にあり、政治的均衡を安定させる制度といえる。

議院内閣制[編集]

まず議院内閣制の主な特徴を筆者の視点で下記にまとめてみた。

首相が議会の最大勢力から選出される。
内閣は議会の信任によって存立する。
内閣を構成する勢力と議会の最大勢力が一致し、行政府と立法府の相互依存関係の度合いが強い。
内閣に法案提出権や議会解散権が与えられている。
内閣の構成員たる閣僚（大臣）は主に議員によって兼任される。

議院内閣制は内閣と議会の多数派政党が一致しており、内閣が法案を提出すればほぼ可決する仕組みになっている。権力分立を基本とするアメリカ型の大統領制とは異なり、行政府と立法府が強力に結合し、権力集中を計るのが議院内閣制の特徴といえる。

半大統領制[編集]

まず半大統領制の主な特徴を筆者の視点で下記にまとめてみた。

国民からの直接選挙によって選出される大統領とは別に行政府の長である首相が並立している。
大統領に強力な権限が与えられている。

絶対君主制[編集]

まず絶対君主制の主な特徴を筆者の視点で下記にまとめてみた。

君主が絶大な権力を保持している。
三権分立は形骸化しており、君主に権力が集中している。

大阪都構想の考察[編集]

大阪府と大阪市が対立し、開発政策や産業政策などの広域行政が重複し、二重行政が発生する弊害が存在しているため、府と市を大阪都と5つの特別区に再編し二重行政を解消することを目的とした構想。これが大阪都構想である。何故二重行政が起きるかと言えばそれは所為大阪市が政令市であるためだが、政令市は全国の都道府県に存在する。では何故大阪において殊更二重行政が問題になるのか。それはひとえに大阪という都市における構造上の特徴にある。大阪府は日本で二番目に面積が狭い都道府県でもある(一番狭いのは香川県)。その上大阪府は面積に占める都市的地域の割合が非常に高い。つまり大阪府は面積の大部分が高度に都市化されている自治体である。北海道や岩手県などと決定的に違うのは面積以外にも都市化率の違いが最も大きいと言える。北海道は面積が広大なだけではなく、大部分が農場、牧場、田園地帯、山林地帯などで占められており、都市化率が非常に低い。北海道の中で都市化された地域というのは札幌市や函館市など一部地域に限定される。その中で札幌市は政令市であるが、北海道との間に大阪ほどの二重行政は発生していない。それは都市行政については都市化された地域を管轄する札幌市に任せ、それ以外の広大な地域を北海道が管轄するという役割分担ができているからである。更に産業構造の違いも二重行政が起きない要因として存在する。例えば北海道は農業従事者が多く、北海道における産業構造は第一次産業の比率が高い。逆に東京都や大阪府は産業構造に占める第三次産業の比率が高い。東京都や大阪府のような高度に都市化された自治体は農業や林業などの第一次産業が可能な土地が少なく、大都市として発展している地域であるが故に金融業や小売業などの第三次産業が活発な傾向にある。そのため大阪府においては府庁の主要業務が必然的に大都市行政主体になる。同様に大都市行政を主要業務とする大阪市と業務が重複してしまうが故に、二重行政が他の地域に比べて顕在化する。一方で第三次産業が多くを占める北海道では道庁の主要業務が必然的に農業政策や林業行政主体となる。しかし札幌市だけに限定すれば北海道全体と異なり農業可能地域が少なく都市化が進んでいるため第三次産業の比率が高く、札幌市役所の主要業務は大都市行政になる。このように都道府県と政令市との間に産業構造の隔たりがある程度存在すれば業務の重複はさほど深刻化しないが、大阪のように都道府県と政令市の産業構造が類似している地域では業務の重複が起こり二重行政が深刻化する。産業構造が類似していない北海道では都市行政を行う札幌市と都市以外の広域行政を行う北海道で業務の重複が発生しない仕組みがあり、大阪のような深刻な二重行政は存在していない。これが都道府県と政令市の共存が実現している例である。しかし大阪においてはこのような共存は実現していない。それは何故か。先程述べたように大阪府は面積が狭く大部分が都市化されている。それゆえに大阪府の仕事は必然的に都市行政が主要業務になるため、同様に都市行政を主要業務とする大阪市と役割が重複してしまうのである。大学、病院、水道などの広域行政が重複する事象が現実に起きていることを鑑みれば、これらを一元化しようという議論が起きるのは当然であると言える。まさしく大阪都構想というのは広域行政の権限を都に一元化し、大阪市域に設置される5つの特別区に住民サービスの権限を移譲することで行政効率を向上させる狙いがあると言える。政策官庁である大阪都庁が大阪全体の大都市戦略を指揮する広域行政の拡大化と、特別区及び市町村がそれぞれの地域の住民サービスを行う基礎行政の適正化。都構想はこの両方を実現させることを目的とする統治機構改革であると筆者は推察する。