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利用者:Alice 010/下書き中

リップマン=シュウィンガー方程式 (りっぷまん・しゅうぃんがーほうていしき、Lippmann-Schwinger equation) とは、量子力学散乱理論における重要な方程式の一つで以下の形である。

導出[編集]

ハミルトニアンが以下のようにかけるとする

ここでは自由理論のハミルトニアンであり、 と同じ固有値を持つとする。 例えば、非相対論的量子力学においては は以下のようになる

直感的には相互作用エネルギーであるがこの類推では誤解を招く恐れがある: 相互作用は一般に系の安定状態のエネルギー準位 を変えるが、 のエネルギースペクトラム が同じである。これは、相互作用ハミルトニアンの束縛状態(固有状態)が自由ハミルトニアンの固有状態であるということを意味する。これは において が束縛状態を持たなくなることと対照的である。 このように、相互作用により決定される有効パラメータとして を自由ハミルトニアンとみなすことができる。

固有状態を考えよう

今もし、を入れると

を解く必要がある。エネルギー固有値の連続性から、 に対し となることを考え合わせると は形式的に以下のように解ける

しかしながら の固有状態なので、特異点を含んでいる。
以下に記述するように、分母を少し虚数方向にずらすことでこの特異点を回避できる。

S行列の理論的枠組み[編集]

S行列形式の素粒子物理では


遠距離において相互作用していない多粒子状態を考える。(”相互作用をしていない”とは を意味しているのではない。には に現れた束縛状態も含まれる。)この初期状態の事を In state と呼ぶ。直感的に、相互作用が無視できる程十分遠くにはなれたときに相当する。調べようとしているどのような物理的過程も十分離れた束縛状態の重ね合わせで表現ができる。