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利用者:Alt winmaerik/E217

昨夜、E217系の前面非貫通化の記述について、一部手直ししましたが、コメント部分が気になったのでこちらに議題として出すことにしました。確認したいのは、「1990年代末の旧運輸省令・普通鉄道構造規則改正による変更点」と、「省令改正と、E217系の1999年落成車における前頭部の設計変更(非貫通化)の関連」です。時系列をまとめると次の通りです。

  1.  開業時 - 両国~東京間(のちに品川まで延長)の地下区間は、通過車両に運輸省通達A基準を要求していた。
  2.  ただし当時新製車両はつとめてA-A基準に準拠することが求められたため、113系1000番台や183系はA-A基準で設計・製造された。
  3.  A-A基準には例外規定があり、ずい道内に左右各400mmの避難用空間が確保できる場合は、貫通口は省略することができた。(詳細はノート:国鉄183系電車#クハ183 0番台車の貫通扉設置理由についてを参照)
  4.  このため、国鉄時代からA-A基準の前面非貫通車両(クハ183-1500等)が同区間に乗り入れていた。
  5.  1987年4月1日 - A-A基準、A基準は廃止されこれに代わる運輸省令普通鉄道構造規則が施行。貫通口については、地下鉄等旅客車の場合は、①列車最前部・最後部となる車両、②機関車接続車両、③告示で定められた基準に適合する車両を除き、2箇所設ける、と制定された。なお③については99年の改正で追加されたもの。
  6.  1990年3月10日 - 京葉線東京~新木場間開業。A-A基準に準拠して製造された103系や205系が地下区間を走行開始。京葉線の路線条件から地下鉄等旅客車に該当するが、前面は非貫通。
  7.  1993年 - 前面貫通口を備える215系が東京~品川の地下区間を走行開始。
  8.  1994年 - 前面貫通口を備えるE217系製造開始。
  9.  199?年 - 普通鉄道構造規則の改正? ←E217系の記事にコメントとして書かれていた部分(?は出典無の意)
  10.  1999年 - E217系製造終了。1999年に登場したものは前面が非貫通化されている。
  11.  2002年3月31日 - 普通鉄道構造規則の廃止と新鉄道技術省令施行。


  • 1と2については、113系1000番台の登場記事を掲載した『鉄道ピクトリアル』1969年9月号、183系1000番台の登場記事を掲載した『鉄道ピクトリアル』1975年2月号、183系特集の組まれた『鉄道ピクトリアル』1992年10月号等複数文献に記載があるので間違いない。
  • 3は条文上明白。
  • 4と6~8、10は多くの方に周知の事実。
  • 5については何か「地下鉄等旅客車」に該当するのかが問題になるが、第百八十九条第七項2では「主として地下式構造の鉄道に使用する旅客車及び長大なトンネルを有する鉄道に使用する旅客車」となっている。これを改正前の通達に読み替えれば、「A-A基準車及びA基準車」が地下鉄等旅客車であることになる。この省令で注目すべき点は、「ずい道内に左右各400mmの避難用空間が確保できる場合に前面貫通口を省略できる」というA-A基準にあった例外規定が存在しないことである。トンネル内径が広くても列車の最前部・最後部以外に充当される可能性のある車両には貫通口の設置は必須となっている、この点は見逃せない。
  • 11に関して現在では、新鉄道技術省令の解釈基準(局長通知)で、ずい道内左右各400mmの基準が復活している。


上記の疑問に関してネット上では、「普通鉄道構造規則では、地下区間で非常時に編成すべてが貫通できるようになっている必要があった。そのためには中間に封じ込められた先頭車が貫通構造でなければならない。だから非貫通にできなかった。183系は非貫通の先頭車が中間に封じ込められる運用が無いので、非貫通でも問題なかった」といった回答を見かけました。これは5を厳格に解釈したものと思われますが、そうなると6の事実をうまく説明できません。10両貫通の205系は問題ありませんが、103系10連のうち(4+6)分割編成は、非貫通のクハ103同士が向かい合わせに連結されて運行されていましたので。Alt_Winmaerik 2008年9月18日 (木) 01:53 (UTC)

普通鉄道構造規則の附則で「既存のものについては適用しない」規定がありました。103系は、全車輛が同規則制定時点(1987年4月1日)ですでに登場していたので、既存のものに該当します。よって非貫通構造の先頭車が編成中間に組み込まれても法令違反にはなりませんね。E217系についても、15両編成を組んだ際に中間に入る可能性のある先頭車(11連の久里浜寄りと4連の成田空港・君津寄り)はすべて貫通構造の車両で統一されています(JRR電車編成表より)。非貫通構造の先頭車は15連の両端に来る可能性のある車両だけ。JRにしてみれば、編成中間に入れる必要両数の貫通先頭車が出揃えば、後の増備は構造を簡略化した非貫通構造の先頭車に切り替えてコストダウンを図る、という方針転換も十分ありかと思います。法令改正とは直接関係ない可能性が高いと思われます。--Alt winmaerik 2009年6月3日 (水) 06:54 (UTC)