利用者:Antilovsky/page/アンティロップ式

アンティロップ式(-しき、英語:Antilope Pinyin)または略称の APY とは、中国語をラテン文字によって表記する提案。

一式は主に学習や入力を目的として使う。

二式は主に転写などを目的として使う。

中国語[編集]

中国語一式[編集]

子音[編集]

セル内の上側に国際音声字母を、下側に拼音を示した。無気音有気音の対立があるものはセルを左右に分けて示した。ただし、srr で表記される子音は無声音有声音の対立である。

  両唇 唇歯 歯茎 反り舌 歯茎硬口蓋 軟口蓋
破裂音 p
b

p
  t
d

t
    k
g

k
鼻音 m
m
  n
n
     
摩擦音   f
f
s
s
ʂ
sr
ʐ
r
ɕ
sh
x
h
破擦音     ts
z
tsʰ
c
ʈʂ
zr
ʈʂʰ
cr

zh
tɕʰ
ch
 
側面接近音     l
l
     
声母の順序は、  b p m f   d t n l   g k h   zh ch sh   zr cr sr r   z c s  である。

母音[編集]

セル内の1段目には国際音声字母を、2段目には声母がなく韻母だけで構成される形の拼音を、3段目には声母と組み合わされる形の拼音を示した。

介音 主母音 尾音
ない /i/ /u/ /y/
a

-a

ja

-ia

wa

-ua

/a/ ない
ai

-ai

wai

-uai

/i/
au

-au

jau

-iau

/u/
an

-an

wan

-uan

yan

-yan

/n/
ang

-ang

jang

-iang

wang

-uang

/ŋ/
je

-ie

ye

-ye

/e/ ない
ei

-ei

wei

-uei

/i/
jen

-ien

yen

-yen

/n/
eo

-eo

/ə/ ない
eon

-eon

weon

-ueon

/n/
eong

-eong

jeong

-ieong

weong

-ueong

/ŋ/
o

-o

wo

-uo

/o/ ない
ou

-ou

jou

-iou

/u/
ong

-ong

jong

-iong

wong

-uong

/ŋ/
-w
/ɨ//ɯ/ ない
ji

-i

wu

-u

y

-y

ない ない
jin

-in

yn

-yn

/n/
jing

-ing

/ŋ/
両方同じだけど、  yan 
 -yan 
は主に  yen 
 -yen 
と読む。他の色が付いている枠も同様。

 -r[編集]

「而」や「二」などの音 [ɚ] は eor と表記する。

児化した音節については、尾音を表記せず、介音・主母音の後ろに -r をつける。

m, n, ng[編集]

また、m, n, ng が音節をなすことがある。m n ng hm hng など。

声調[編集]

陰平 「¯マクロン)」 (ā, ē, ō, ī, w̄, ū, ȳ)
陽平 「ˊアキュート)」 (á, é, ó, í, ẃ, ú, ý)
上聲 「ˇハーチェク)」 (ǎ, ě, ǒ, ǐ, w̌, ǔ, y̌)
去聲 「ˋグレイヴ)」 (à, è, ò, ì, ẁ, ù, ỳ)

軽声には声調符号を付けない。

m, n の上にも声調符号がつき得る:

m (ḿ, )
n (ń, ň ǹ)
ng (ńg, ňg, ǹg)

第二声を表す記号は正確には左下から右上に向かう記号であり、欧米言語で用いられるアキュートアクセント記号とは向きが違うが、Unicode および UCS の文字コードでは区別されていない。中国語字体ではアキュートを左下から右上に向かう形で表示するようになっている。

声調符号の位置[編集]

声調符号は主母音の上につける。つまり、複数の母音字があった場合は a に、a がなければ e、e がなければ o の上につける。主母音がなければ介音のほうにつける。

声調が変化する場合[編集]

第三声、第四声が連続する場合に、最後の一つ以外は第二声に変化する。

変声の陽平 「˜チルダ)」 (ã, ẽ, ĩ, w̃, õ, ũ, ỹ)

例:你好nǐ hǎunĩ hǎu 不要bù jàubũ jàu

数詞の「」 ()、「」 () の後に音節が続く場合、それぞれ「 または , 」と発音する場合があるから、その場合も変化した発音を示す。

 区切り符号[編集]

u, i の文字で始まる音節は、その u, i が区切り符号としての仮子音 w, j に変化する。

a, o, e の文字で始まる音節が他の音節の後に続く時、もし音節の切れ目に混交が起きる場合は区切り記号「’」(隔音符号、アポストロフィ)を用いて区切る。またその間で改行する場合は、アポストロフィを次行の最初に書く。

例:皮襖/皮袄pí'áu/piáu

 分かち書き[編集]

拼音では漢字を単位とし、分かち書きを行う。

中国語二式[編集]

子音[編集]

セル内の上側に国際音声字母を、下側に拼音を示した。無気音有気音の対立があるものはセルを左右に分けて示した。ただし、srr で表記される子音は無声音有声音の対立である。

  両唇 唇歯 歯茎 反り舌 歯茎硬口蓋 軟口蓋
破裂音 p
b

p
  t
d

t
    k
g

k
鼻音 m
m
  n
n
     
摩擦音   f
f/ph
s
s
ʂ
sch
ʐ
r
ɕ
sh
x
h
破擦音     ts
z
tsʰ
c
ʈʂ
dzh
ʈʂʰ
tch

zh
tɕʰ
ch
 
側面接近音     l
l
     
声母の順序は、  b p m f   d t n l   g k h   zh ch sh   zr cr sr r   z c s  である。

母音[編集]

セル内の1段目には国際音声字母を、2段目には声母がなく韻母だけで構成される形の拼音を、3段目には声母と組み合わされる形の拼音を示した。

介音 主母音 尾音
ない /i/ /u/ /y/
a

-a

ya

-ia

wa

-ua

/a/ ない
ai

-ai

wai

-uai

/i/
au

-au

yau

-iau

/u/
an

-an

wan

-uan

yuan

-yuan

/n/
ang

-ang

yang

-iang

wang

-uang

/ŋ/
ye

-ie

yue

-yue

/e/ ない
ei

-ei

wei

-uei

/i/
yen

-ien

yuen

-yuen

/n/
e

-e

/ə/ ない
en

-en

wen

-uen

/n/
eng

-eng

yeng

-ieng

weng

-ueng

/ŋ/
o

-o

wo

-uo

/o/ ない
ou

-ou

you

-iou

/u/
ong

-ong

yong

-iong

wong

-uong

/ŋ/
-i
/ɨ//ɯ/ ない
yi

-i

wu

-u

yu

-yu

ない ない
yin

-in

yun

-yun

/n/
ying

-ing

/ŋ/
両方同じだけど、  yuan 
 -yuan 
は主に  yuen 
 -yuen 
と読む。他の色が付いている枠も同様。

 -r[編集]

「而」や「二」などの音 [ɚ] は er と表記する。

児化した音節については、尾音を表記せず、介音・主母音の後ろに -r をつける。

m, n, ng[編集]

また、m, n, ng が音節をなすことがある。m n ng hm hng など。

声調[編集]

ふだん声調を示しないが、示す場合もある。

陽平 「ˊアキュート)」 (á, é, ó, í, ú)
上聲 「ˆ (サーカムフレックス)」 (â, ê, î, ô, û)
去聲 「ˋグレイヴ)」 (à, è, ò, ì, ù)

陰平(第一声)や軽声にも声調符号を付けない。

m, n の上にも声調符号がつき得る:

m (ḿ, )
n (ń, ǹ)
ng (ńg, n̂g, ǹg)

第二声を表す記号は正確には左下から右上に向かう記号であり、欧米言語で用いられるアキュートアクセント記号とは向きが違うが、Unicode および UCS の文字コードでは区別されていない。中国語字体ではアキュートを左下から右上に向かう形で表示するようになっている。

声調符号の位置[編集]

声調符号は主母音の上につける。つまり、複数の母音字があった場合は a に、a がなければ e、e がなければ o の上につける。主母音がなければ介音のほうにつける。

yu は二重母音ではなく一つの母音だが、声調符号を u の上につける。

 区切り符号[編集]

u, i の文字で始まる音節は、その u, i が区切り符号としての仮子音 w, y に変化する。yu は二重母音ではなく一つの母音だが、yu の文字で始まる音節の y を区切り符号としてもよい。

a, o, e の文字で始まる音節が他の音節の後に続く時、もし音節の切れ目に混交が起きる場合は区切り記号「’」(隔音符号、アポストロフィ)を用いて区切る。またその間で改行する場合は、アポストロフィを次行の最初に書く。

例:長安/长安Tchang'antchan gan

 分かち書き[編集]

単語を単位とし、分かち書きを行う規則になっているが、どこまでを一区切りとすべきか判断に困る場合も多いため、漢語拼音の『漢語拼音正詞法基本規則』というガイドラインに従う。大文字で書くべき固有名詞の例や、上記のハイフンによる結合の例なども示している。

例:泰山、Tai Schan 梅蘭芳/梅兰芳、Mei Lanphang