利用者:ArigaNobumichi/sandbox
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ミルン水平振子地震計は、地震学者ジョン・ミルンが考案し、明治時代後半に使用された地震計である。国立科学博物館の所蔵資料であり、国の重要文化財に指定されている。
資料の特徴
地震動のうち水平方向の揺れを記録するための装置である。水平方向に取り付けた振り子の振動をアルミニウム製の軽い管によって増幅し、先端の動きを光学的に記録する。光源には石油ランプを用い、記録にはロール状の印画紙を用いた。記録紙はゼンマイで回転し、別の針によって時刻が1時間ごとに刻まれる。振り子や管の部分には木製の覆いが被せられている。
この地震計は遠隔地で起こった地震の検知を主たる目的としており、感度に優れていた。他方で、記録紙の送り速度が遅いことや、地震波に含まれるさまざまな波(P波、S波など)の識別が難しいことが欠点であった。
作者および年代
考案者のミルンはイギリスの地質学者・地震学者である。1876(明治9)年から1895(明治28)年まで、明治政府のお雇い外国人として日本に滞在し、この間に地震研究に着手して、日本地震学の創始者となった。
本地震計を考案したのは、日本を離れる少し前、1894(明治29)年頃とされる。