利用者:As6022014/安政の大地震
安政の大地震(あんせいのおおじしん/だいじしん)は、江戸時代後期の安政年間に日本各地で連発した大地震である。
「安政の大地震」といえば狭義には特に1855年に発生した安政江戸地震を指すことが多いが、この前年に発生した南海トラフ巨大地震である安政東海地震および安政南海地震も含める場合もあり、さらに1858年飛越地震、その他安政年間に発生した顕著な被害地震も「安政の大地震」と称呼される[1][2]。安政大地震、あるいは安政地震とも呼ばれるが、単に「安政地震」といえば、南海トラフの慶長地震や宝永地震に対比して安政東海地震と安政南海地震を総称して呼ぶ場合もある[3]。
1854年の伊賀上野地震、安政東海地震、安政南海地震および豊予海峡地震は嘉永7年に発生した地震であり、当時記された文書、日記、瓦版などは「嘉永七(甲寅)年・・」と記され、地震後の嘉永7年11月27日(1855年1月15日)に安政に改元されたのだから本来「嘉永の大地震」と呼ぶべきであるが[4]、明治改元の際、詔勅で「慶応4年(1868年)を明治元年と改元する」とされ慶応4年1月1日に遡り明治元年と改元された例に倣い、嘉永7年1月1日に遡って安政元年に改元されたとなり、「安政の大地震」でよいとされる[5]。
歴史年表は嘉永7年1月1日に遡り安政元年とし、『大日本地震史料』から『理科年表』に至る各種の地震史料はこの方式を採用している[6][7][8][9][10]。
幕末に連発した大地震
[編集]1853年には黒船来航、翌年にはディアナ号が来航し、江戸幕府は相次いで開港を迫られる時勢にあった。ディアナ号で来航したエフィム・プチャーチンは11月4日の安政東海地震に遭遇する直前の11月1日に下田の福泉寺で幕府から派遣された川路聖謨らと会見し下田が安全な港でないことを力説し代港を強く求めていた。「安政の大地震」はこのような幕末の多難な状況下で連発した大地震であった[11][12]。
- 安政以前
- 安政年間
- 1854年7月9日(嘉永7年6月15日)- 伊賀上野地震
- 1854年12月23日(嘉永7年11月4日)- 安政東海地震(巨大地震)
- 1854年12月24日(嘉永7年11月5日)- 安政南海地震(巨大地震)
- 1854年12月26日(嘉永7年11月7日)- 豊予海峡地震
- 1855年3月18日(安政2年2月1日)- 飛騨地震
- 1855年9月13日(安政2年8月3日)- 陸前
- 1855年11月7日(安政2年9月28日)- 遠州灘
- 1855年11月11日(安政2年10月2日)- 安政江戸地震
- 1856年8月23日(安政3年7月23日)- 安政八戸沖地震(巨大地震)
- 1856年11月4日(安政3年10月7日)- 江戸
- 1857年10月12日(安政4年8月25日)- 安芸・伊予
- 1858年4月9日(安政5年2月26日)- 飛越地震
- 1858年7月8日(安政5年5月28日)- 八戸沖
- 1859年10月4日(安政6年9月9日)- 石見
幕末の財政状況
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社会的影響
[編集]南海トラフ巨大地震前後に発生する内陸地震
[編集]参考文献
[編集]- ^ 『日本国語大辞典』小学館、2000年
- ^ 中嶋眞澄(2006) 中嶋眞澄(2006): Gamma函数の漸近公式の厳密な別証明, 鹿児島経済論集, 47(3), 147-164.
- ^ 五つの大地震 高木金之助編、沢村武雄「五つの大地震」『四国山脈』毎日新聞社、1959年
- ^ 湯村哲男(1969) (PDF) 湯村哲男(1969): 本邦における被害地震の日本暦について, 地震, 第2輯, 22, pp.253-255.
- ^ 神田茂(1970) (PDF) 神田茂(1970): 本邦における被害地震の日本暦の改元について, 地震, 第2輯, 23, pp.335-336.
- ^ 震災予防調査会編『大日本地震史料』丸善、1904年
- ^ 文部省震災予防評議会『大日本地震史料 増訂』1940年
- ^ 宇津徳治、嶋悦三、吉井敏尅、山科健一郎『地震の事典』朝倉書店、2001年
- ^ 宇佐美龍夫『最新版 日本被害地震総覧』東京大学出版会、2003年
- ^ 国立天文台編『理科年表』丸善
- ^ 石橋克彦『大地動乱の時代 -地震学者は警告する-』岩波新書、1994年
- ^ 山下文男『隠された大震災』東北大学出版会、2009年
- 石橋克彦『大地動乱の時代 -地震学者は警告する-』岩波新書、1994年
- 北原糸子『地震の社会史 -安政大地震と民衆』講談社、2000年
- 門村浩、松田磐余、高橋博『実録 安政大地震 その日静岡県は』静岡新聞社、1983年
- 寒川旭『地震の日本史 -大地は何を語るのか-』中公新書、2007年
- 東京大学地震研究所『新収 日本地震史料 五巻 自弘化元年至明治五年』日本電気協会、1985年
- 東京大学地震研究所『新収 日本地震史料 五 別巻二-一 安政江戸地震』日本電気協会、1985年
- 東京大学地震研究所『新収 日本地震史料 五 別巻二-二 安政江戸地震』日本電気協会、1985年
- 東京大学地震研究所『新収 日本地震史料 五 別巻三 伊賀上野地震』日本電気協会、1986年
- 東京大学地震研究所『新収 日本地震史料 五 別巻四 飛越地震』日本電気協会、1986年
- 東京大学地震研究所『新収 日本地震史料 五 別巻五-一 安政東海・南海地震』日本電気協会、1987年
- 東京大学地震研究所『新収 日本地震史料 五 別巻五-二 安政東海・南海地震』日本電気協会、1987年
- 『安政見聞録』
- 『安政見聞誌』日本社会事業大学
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