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利用者:Burke0119

イラク軍

概要[編集]

陸海空の三軍で構成される。最高司令官はイラク首相が兼任する。2003年イラク戦争における米軍のイラク占領に伴って解体された旧イラク軍に替わって同年編成された。現在の参謀総長クルド人のババカル・バドルハン・シャウカト・ズィバーリ大将(Babaker Baderkhan Shawkat Zebari)。

歴史[編集]

かつては中東最強かつ世界第四位の軍事力を有していたイラクであったが、1990年クウェート侵攻をきっかけとした湾岸戦争によって主要な戦力を失い、その後の経済制裁によって本格的再建もままならず2003年イラク戦争サッダーム政権が崩壊した後すぐに警察以外の軍事組織は解体されてしまった。

しかし、終戦後の治安悪化から新しい国軍の再建が開始され、2003年度中には戦闘部隊が編成されることとなった。なお、イラク人新兵の教育には外国軍だけでなく民間軍事会社も参加していた。

だが、創設間もない新生イラク軍では武器の横流し、任務に就かない幽霊兵士の存在、宗派間の対立、2004年4月に起きたファルージャの戦闘での戦闘拒否、警察や軍の基地や人員の募集施設が自爆テロの標的になるなど多くの問題が発生した。しかし、その後は西側諸国の軍事援助によって質、量ともに強化され、現在では中東でも有数の戦力となっている。

2011年の外国軍撤退後は、イラクの治安維持と国防を自力で担っている。

2014年以降、イラク国内で急速に浸透したISIL勢力との戦闘が激化。アメリカから提供された武器や軍用車両を放り出して敗走し、多くを無傷で鹵獲されるなど失態を多く重ねたため、当時のアメリカ合衆国国防長官から「(イラク軍は)戦闘の意志を見せなかった」と強く批判受けている。しかしながらアメリカ軍による訓練や空爆などの支援を受けつつ徐々に体制を立て直し、2017年7月にはISILの拠点であったモースル奪還を達成する原動力となった。

イラクでの戦い (2013–2017)」も参照

機構[編集]

陸軍[編集][編集]

イラク陸軍のハンヴィー イラク陸軍(Iraqi Army)は、イラク戦争後に三軍の中で一番早く再建され、現在の戦力は13個師団(第13師団が欠番で、第1-第14師団まである)25万3,000人。各師団は4個旅団で編成されている。

保有する装備は創設初期では旧イラク軍から受け継いだソ連中国製のものが大半であったが、現在は近代化が進み、M16A4M4A1などのアサルトライフルや、インターセプターボディアーマーCIRASなどの個人装備が供与され、車両はハンヴィーMTVRMRAPの配備が行われている。

戦車に関しては、ソ連製のT-55T-72に加えてアメリカ製のM1A1戦車140両(最終的に700両の導入を計画)、ロシア製のT-90S戦車を導入している。ちなみにM1エイブラムスは非常に燃費が悪く、相当の兵站を整えねばならないとされる。実際にイラク戦争でも戦車にタンクローリーが追随しており、このような運用ができる軍隊はアメリカのみ。

M1エイブラムスはISILとの戦闘により多数が撃破されたり、鹵獲されている。また、保有しているM1A1、M1A1M、M1A2全てに対して対戦車ミサイル防御力に不満を抱いている。他の武装組織への貸与が禁止されているため運用上の柔軟性を欠く。西側戦車の整備の経験が浅く、品質が維持できないため、稼働率が軒並み急低下しているため、M1エイブラムスはほとんどが保管状態となり実戦に投入できない状態となっている。

上記の観点からT-90S戦車はM1エイブラムスの代替としてロシアから購入された。

兵器購入は欧州米露のみならずウクライナからも行われており、BTR-4歩兵戦闘車420両が配備されている。

空軍[編集][編集]

詳細は「イラク空軍」を参照 イラク空軍のC-130輸送機

イラク空軍(Iraqi Air Force)は、現在3,000人の人員と86機の航空機を保有している。保有する機体は西側規格の物が多くF-16(主力戦闘機)、C-130 輸送機UH-1 汎用ヘリコプターなど。

戦闘機F-16 戦闘機を36機購入しており、その後順次受領開始した。これにより現時点で、F-16C/D型一個飛行隊規模の戦闘機部隊を保持している。一年に10機程度の引き渡しがなされている模様で将来的に自立した防空網を築く為の専属パイロットを、米国内で訓練中である。なお将来的に2020年までには計96機のF-16戦闘機を購入するといわれている。

対地攻撃機に関してはベル 407Mi-35などの攻撃ヘリコプターが少数配備されているが、Mi-28 攻撃ヘリやAT-6 COIN機はまだ戦力化できていないといわれていたが、一部報道から国内での掃討戦にMi-28攻撃ヘリコプターが実戦投入されているのが確認された。しかし未だに十分な航空戦力を構築しているとは言えず、イラクとシャームのイスラーム国の攻勢に対して有効な打撃を与えられない状態となっている。2014年にはロシアよりSu-25 攻撃機を購入するなど、航空戦力の拡充に努めている。また、中国より無人攻撃機彩虹4を購入し、ISILがイラクの国土の3分の1を支配した2015年からISILを260回攻撃して掃討戦に貢献した。このドローンは後に陸軍に配属された。

2018年には人員1万8,000人と航空機550機まで規模を拡大することを計画しており、さらに2020年までにF-16を96機導入することも計画している。

海軍[編集][編集]

米海軍の指導を受けるイラク海兵隊員 詳細は「イラク海軍」を参照

イラク海軍(Iraqi Navy)は、現在800人の海兵隊員を含む1,500人の人員と哨戒艦艇(サエッテアMk.4型哨戒艇×4隻など85隻)を保有している。

哨戒中隊の他に、RHIBを使用する潜水中隊やディフェンダー級の小型ボートを使用するボート中隊なども存在している。

イラク海兵隊は第1海兵旅団としてバスラのログシティを基地に3個大隊と1個補助大隊を保有し、港湾施設を占拠した過激派を掃討する上陸訓練などを受けている。現在、第2海兵旅団が設立されている。

2010年、2,000-2,500人程度に規模が拡大された。また、UAVが導入された。

戦歴[編集]

その他[編集]

脚注[編集]

イラク治安部隊